キックボクシング
レポート

【RISE】ベイノアが空手技を駆使して初防衛に成功、2020年目標は大晦日RIZINでMMA挑戦か

2020/02/23 23:02

▼セミファイナル Super Fight! -65kg契約 3分3R延長1R
〇山田洸誓(正道会館KCIEL/第4代スーパーライト級王者)
判定3-0 ※30-29、30-29、30-28
×中野椋太(誠至会/NJKFウェルター級王者、S1ジャパントーナメント65kg級王者)


 正道会館の空手家である山田は昨年7月から開催されたRISEスーパーライト級王座決定トーナメントに参戦。準決勝のタップロン・ハーデスワークアウト、決勝の山口侑馬を破り10戦無敗(7KO)でRISE王座を獲得した。戴冠後のマイクでは元RISEラウンドガールと結婚していたことを明かし、“ベルトもラウンドガールも射止めた男”として話題に。パンチ、蹴りともに空手仕込みの破壊力があり、どの技でも倒せる強さを持つ。


 対する中野は2018年に4戦4勝(2KO)で、同年12月にはNJKFウェルター級王者になったパンチを得意とするアグレッシブファイター。2019年は国際戦でタイ人と韓国人に連敗を喫したが、RISE初参戦となった昨年7月の大阪大会で、DEEP☆KICK王者の憂也に1RKOで勝利。10月には65kg級のS1ジャパントーナメント決勝戦でNJKFスーパーライト級王者・畠山隼人を破り優勝した。RISEには2度目の参戦となる。


 1R、山田はほぼジャブと右のカーフキック。このカーフキックで中野は早くもダメージを感じさせる。中野はボディにもジャブを打ってくる山田にヒザを突き上げるが、1Rは完全に山田ペースに。


 2R、前に出て圧力をかける中野だがあまり手が出ず山田のロー&ボディをもらう。しかし中盤を過ぎて右ミドルが当たり始めると中野は右ストレート、左フックも繰り出し、山田の右ストレートをもらうと猛然と打ち返す気の強さを見せる。


 3R、中野は右ミドルを主軸に右ストレート、左フックを打って行く。山田は左右に構えをスイッチしながら左ストレート、右ストレートを当てていく。ラスト30秒になると山田がラッシュを仕掛け、中野もこれに応えて激しい打ち合いとなる。両者フルスイングの打ち合いは最後まで続き、山田が判定で勝利を収めた。


 山田はマイクを持つと「チャンピオンになって一発目の試合で堅くなって、いい動きしようと意識しすぎて動きが悪かったです。でも勝ててよかったです。この前の試合で結婚して妻が妊娠していることを言わせてもらったんですが、今は臨月でいつ生まれるか分からない状況です。(TVカメラへ向かって)いつも支えてくれてありがとうございます。押忍。いい試合をしないとウイルスが蔓延している中、こんなにいっぱい集まってくれるので次はKOできるようにもっと精進したいと思います。押忍」と、妻とファンへメッセージを送った。


 試合後のインタビューでは「チャンピオンになって一発目で勝ててよかった。距離感がつかめず3R過ぎていきました。技も磨いて自分スタイルを磨いて行きたい。2分30秒で強引に腹をくくって行ったんですが、行った方が自分の持ち味が出せた感じがしたので、1R3分の中で行けるようにしたいです」と、もっと早くから仕掛けられるようになりたいと山田。


「カーフキックは1Rで2~3発蹴ったら顔色が変わったので効いていたと思います。これで崩していこうと思ったのが裏目に出ました(笑)。狙いすぎてしまいましたね。もう2~3発当たっていたらいいペースになっていたのに」と、反省点はありながらも新しい技に手応えを感じていた。

▼第8試合 -75kg契約 3分3R延長1R
〇松倉信太郎(TRY HARD GYM/ミドル級2位)
判定3-0 ※30-29、29-28、30-28
×西村清吾(TEAM-KOK/NKBミドル級王者)


 これまで70kg級にこだわってきた松倉が75kgに階級を上げ、RISE初参戦となるNKBミドル級王者・西村清吾を迎え撃った。


 松倉はK-1甲子園70kg日本一トーナメントでの優勝を経てK-1、Krushを主戦場にキャリアを重ねた。2018年に戦場をRISEに移し、RIZINにも参戦。2019年7月にイ・ソンヒョンとRISEミドル級王座を争うも、5R判定負けで王座戴冠を逃し、10月にはRIZIN参戦が決定していたものの流行性角結膜炎および右眼角膜潰傷でドクターストップがかかり、今回が再起戦となる。


 対する西村は35歳でプロデビューし、37歳でタイトルマッチに挑戦するが惜しくも判定負け。しかし2018年9月には再度王座に挑戦し、見事NKBミドル級王座を獲得した。破壊力のあるパンチを持つ。


 1R、両者サウスポー。気合十分の西村は前へ出てローとジャブ。松倉もローを返していく中、右ボディがクリーンヒットすると左右フック。そこから右ボディ、左ミドルで腹を攻めていく。西村も左ストレートで仰け反らす。


 2Rが始まると同時に松倉のローが急所に入って試合は一時中断。再開後、ワンツーでどんどん前へ出る西村。松倉は前蹴りとヒザ蹴りでボディを徹底的に攻め、西村を消耗させていくが松倉自身もかなりの消耗が見える。


 3R、パンチを出し合ってはクリンチ、そしてブレイクという展開が続き、両者フラフラ。西村はそれでも気持ちで前へ出て、松倉は前蹴りと左右フックで迎え撃つ。


 気力勝負のタフファイトとなり、松倉が判定で制した。松倉は「75kgでやらせてもらって圧倒的な強さを見せようと思ったんですが西村選手強かったし、応援団の多さを見てもわかる通り人間的にも強いと思いました。僕は世界で一番強い男にならないと格闘技を辞められないし、こんな弱い自分を愛せない。僕はこの階級で世界を獲ろうと思います。RISEスーパーミドル級のベルトを獲って世界へ挑みたいです」と、スーパーミドル級タイトルを新設して欲しいとアピールした。

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