キックボクシング
レポート

【DEEP☆KICK】原口健飛の弟子・和田哲平が王座挑戦権を獲得、津留純平は体重超過の相手にTKO勝ち

2024/02/29 15:02
DEEP☆KICK ZERO 112024年2月25日(日)大阪・176BOX ▼メインイベント DEEP☆KICK-65kg挑戦者決定トーナメント決勝 3分3R延長1R◯和田哲平(FASCINATE FIGHT TEAM)判定3-0 ※30-26×3×中澤 友(ビンチェレあべの)※和田哲平が-65kg次期挑戦者に決定。  メインイベントでは和田が中澤を大差の判定で下し、DEEP☆KICK-65kg挑戦者決定トーナメントを制した。  和田は第6代RISEライト級王者の原口健飛が率いるFASCINATE FIGHT TEAMの有望株。DEEP☆KICKでは3戦全勝(3KO)という抜群のレコードを誇る。対する中澤友は過去にタイトルマッチの経験もあるテコンドー出身の32歳。そろそろタイトルを手中にしたいところだが、この日は序盤から和田の勢いに呑み込まれてしまった。1Rから和田は右ミドルで試合のペースを握り、ハイキックで先制のダウンを奪う。「全然見えなかった」(中澤)  2Rになっても、和田の勢いは衰えない。左ミドルと右のテンカオで、中澤をどんどん追い込んでいく。中澤のワキがミミズ色に変色するのに時間はかからなかった。  結局、3Rになっても、試合の流れは和田が掴んだまま。一方的なワンサイドゲームにジャッジは三者とも30-26で和田の勝利を支持した。「メインなのに(倒せなかったことで)ちょっとしょっぱい試合をしてすいません。やる前、中澤選手はそんなに? と思っていたけど、パワーもあるし、めっちゃ強かった。最後は打ち合いもできて楽しかった」  この勝利によって、和田は4月28日にDEEP☆KICK京都亀岡大会で王者・石田迅(LEGEND GYM)に挑戦することが決定した。「試合まであと2か月、今日みたいな試合をしていたらダメなので、しっかり倒す練習をして頑張りたい」  石田を倒して王者になれば、ジムでは原口、小林愛理奈に続く第3のチャンピオンとなる。 [nextpage] ▼セミファイナル DEEP☆KICK-60kg契約 3分3R×大前洸貴(INFINITY KICK BOXING GYM)TKO 1R 1分23秒 ※レフェリーストップ〇津留純平(FASCINATE FIGHT TEAM)※大前が計量オーバーにより減点2及びグローブハンデ。  前日計量で大前は2.75kgオーバー。実行委員会の協議の結果、大前に減点2とグローブハンデを課すことで試合を行うことになった。  あわや試合中止になるところだった津留はハッスル。大前のジャブに合わせ、右のテンカオ(カウンターのヒザ蹴り)。急激に動きが悪くなった大前に対して、津留はさらにテンカオからの右ストレートで大前からダウンを奪う。四つんばいの体勢から大前は動くことができず、そのまま大の字となった。  これで津留は6戦5勝(3KO)1敗。現在DEEP☆KICK-60㎏で8位ながら、ランキング上位を脅かす存在になりそうだ。 [nextpage] ▼第3試合 DEEP☆KICK-59kg契約 3分3R◯三輪力斗(真正会 大前道場)判定3-0 ※30-29×2、29-28×和斗(NJKF大和ジム)  1R、三輪は左ミドルで試合の主導権を掴むが、和斗から2度もローブローを受け、いい流れを止められてしまう。それでもこの真正会所属の男は諦めない。2Rになると、再び左ミドルで猛攻をかけ、ラウンド終了間際には左ストレートをクリーンヒットさせた。  ここまでのオープンスコアは3者とも三輪。3R、もうあとがない和斗は右クロスで反撃。そのまま猛攻を仕掛けようとした刹那、今度は三輪にバッティングをしてしまい、またも試合は中断してしまった。結局三輪のダメージは深く、試合続行不可能に。  結局試合はここまでのジャッジで判定する負傷判定となり、3-0で三輪が勝利した。両者に罪はないが、不完全燃焼だった感は否めない一戦だった。 [nextpage] ▼第2試合 DEEP☆KICK-51kg契約 3分3R△礼司(楠誠会館)ドロー 判定0-1 ※28-28×2、28-29△山中涼惺(大阪キック T.B.NATION)  2日前の『RISE176』で塚本望夢を相手に一時はあわやという場面を作ったJINの実弟・礼司が登場し、プロ初白星を目指す山中と対戦した。  1R開始早々、山中は痛烈な左フックで先制のダウンを奪う。しかし2日前にJINが1Rにダウンを奪われてから挽回したように、礼司も2Rから逆襲に転じる。どちらが倒れてもおかしくない打ち合いになっても一歩も引かない。中盤からはソップ型の体型を活かしたハイとヒザ蹴りで追い打ちをかける。  3Rも礼司はワンツーを主体に追い上げ、試合の主導権を握ったところで試合終了のゴング。判定は1-0(山中)でドローとなったが、文句なしに今大会のベストバウト。激闘を繰り広げた両者には場内から惜しみない拍手が送られていた。 [nextpage] ▼第1試合 DEEP☆KICK-51.5kg契約 3分3R×陸刃(楠誠会館)判定0-3 ※28-30×2、27-30◯佐々木仁紀(BFA-SEED)  佐々木は1Rから右のボディとストレートを打ち分け、攻勢に出る。左のミドルとヒザ蹴りも効果的だ。2Rになると、陸刃は鼻血を出しながらようやく反撃を開始。ラウンド終了間際には佐々木にロープを背負わせるも、ラウンドを通して見れば佐々木の有利は変わらない。3Rはややこう着気味になったが、佐々木が判定勝ち。うれしいプロ初勝利を収めた。 [nextpage] 〈オープニングイベント〉NEXT☆LEVEL提供試合  この日、昼の部として行われた『DEEP☆KICK ZERO 10』に続いて夜の部のZERO11でも、アマチュア日韓交流戦が3試合組まれた。国際戦といえば、プロの部でも後ろの方にマッチメークされるのが常ながら、DEEP☆KICKは以前韓国のエキスパートジムの会長から「アマチュアの選手も日本で試合を組んでほしい」というリクエストが出され、これをDEEP☆KICK実行委員会が呑んで実現した。  聞けば、以前にもDEEP☆KICKではアマチュアの日韓国際戦を組んだことがあるという。他団体には真似できないマッチメークは新鮮というしかない。今回全部で6試合組まれた交流戦は日本勢が4勝2敗と勝ち越した。しかしながら、敗れたとはいえ、韓国勢は気持ちが強く、テクニックを身につけたら怖い存在になると思わせる選手が多かった。 ▼OP第6試合 アマチュア日韓交流戦-70kg契約 1分30秒2R×榎木友星(ビンチェレあべの)判定0-3 ※18-20×2、18-19◯イ・ホジン(RAON GYM) ▼OP第5試合 アマチュア日韓交流戦-57kg契約 1分30秒2R◯土橋颯斗(一心会)判定3-0 ※20-19×3×キム・ヨハン(エキスパートジム) ▼OP第4試合 アマチュア日韓交流戦-65kg契約 1分30秒2R×元原麗弥(LoTgym)判定0-3 ※19-20×2、18-20◯イ・ウジン(RAON GYM) ▼OP第3試合 -65kg契約 1分30秒2R◯小路督也(BLOW GYM)判定3-0 ※20-19×2、20-18×山口丈瑠(パラエストラ東大阪) ▼OP第2試合 -42kg契約 1分30秒2R◯甲斐田虎我(BKジム)判定2-0(20-19×2、19-19×山口 嵐(パラエストラ大阪) ▼OP第1試合 -42kg契約 1分30秒2R◯柴田綾芽(楠誠会館)判定 3-0(20-19×3×井田美守里(フリー) (文・布施鋼治/写真・石本文子)
全文を読む

MAGAZINE

ゴング格闘技 NO.335
2024年11月22日発売
年末年始の主役たちを特集。UFC世界王座に挑む朝倉海、パントージャ独占インタビュー、大晦日・鈴木千裕vs.クレベル、井上直樹、久保優太。武尊、KANA。「武の世界」でプロハースカ、石井慧も
ブラジリアン柔術&総合格闘技専門店 ブルテリアブラジリアン柔術&総合格闘技専門店 ブルテリア