▼第4試合 ONEバンタム級(-65.8kg)ムエタイ 3分3R
×セクサン・オー・クワンムアン(タイ/Or. Kwanmuang)
TKO 3R 0分59秒 ※レフェリーストップ
〇ムアンタイ・PK・センチャイ(タイ/P.K. Saenchai Muay Thai Gym)

37歳のセクサンはタイのビッグマッチには欠かせないムエブー(アグレッシブに前へ出てムエタイの全ての技を使って戦うタイプ)のスター選手の一人。元ラジャダムナンスタジアム認定ライト級王者。2015年9月のラジャダムナンスタジアムにて梅野源治を迎え撃ち、勝利を奪って梅野の進撃をストップした。同年にはラジャダムナンスタジアムの年間MVPにも選ばれている。また、2019年にはロッタン・ジットムアンノン戦が同スタジアムの年間最優秀試合に選ばれるなど多くのベストバウト賞を受賞。

2度来日しており、2019年3月にRISEで大雅に判定勝ち、同年7月に白鳥大珠に判定負け。2023年1月から『ONE Friday Fights』に参戦し、怒涛の8連勝でONE本契約を獲得したが、2024年4月に麻火佑太郎に判定負け。その後はリアム・ハリソン、ソー・リン・ウーを撃破したが2025年4月にエイサー・テン・パウにTKO負け。6月には宿敵ムアンタイと5度目の対戦も大激闘の末に敗れ、9月のスーブラック戦でも判定負け、そして2026年3月に長年のライバルであるパコーンに1Rわずか59秒でTKO負けと4連敗を喫した。戦績は203勝78敗6分。

ONEでは4度のパフォーマンスボーナスを獲得、ONEにおける年間最多勝利(8回)、ONEでの2番目に長い連勝記録(8連勝)も持つなど、大ベテランにして大活躍。「何者にも屈しない男」と呼ばれ、その勇敢な戦いぶりからタイのファンも多く、尊敬を集めている。まさにムエタイの生ける伝説である。

引退試合の相手には、過去5度対戦して4勝1敗の宿敵ムアンタイを希望し、その願いが叶った形だ。 ムアンタイは2010年頃からルンピニーのトップ選手として活躍しているベテランで、2015年5月の初来日では梅野源治にTKO負け、2019年10月のONEでは健太に判定勝ちしている。『ONE Friday Fights』には第1回大会から出場、6回もボーナスを獲得している。クラップダム(KO勝ち)、ニコ・カリロ(TKO負け)、ヨードレックペット(判定勝ち)、ナビル・アナン(判定負け)、コンスック(KO勝ち)とトップ選手たちと対戦してきた。2025年6月、5度目の対戦にしてセクサンから初勝利を奪った。しかし、その後は2連敗。ONEでの戦績は10勝6敗。

1R、サウスポーのムアンタイが左ストレートを出して前へ出ていき、さっそくヒジの距離へ。セクサンもヒジで迎え撃つ。ムアンタイは左フックの連打、セクサンはヒジ。首相撲からヒジの応酬となり、ムアンタイは下から打つような変則的なワンツー、首相撲からのヒザ。セクサンは左右フックとヒジを打つが、ムアンタイの右ヒジをもらう。

ヒジの打ち合いからセクサンが右フック、バックスピンエルボーをクリーンヒットさせるが、ムアンタイは下がらず前へ出てヒジを打つ。セクサンがヒジを打つたびに場内からは“オーイ!”の大合唱。ムアンタイも負けじとヒジを打つ。しかしラウンド終了間際、至近距離からのムアンタイの左ストレートがヒットし、セクサンはダウン。

2R、セクサンを前蹴りで後ろに吹っ飛ばすムアンタイ。左ストレートから右ヒジを打つムアンタイに、セクサンはワンツーと左右ヒジ。セクサンのヒジの連打にムアンタイは首相撲に持ち込んでのヒザ。ムアンタイは左右ローも蹴る。至近距離でヒジを打ち合い、ムアンタイはローと前蹴りを混ぜる。

4回連続して組んではセクサンを押し倒すムアンタイ。それでも右フックをヒットさせるセクサン。ムアンタイも負けじと前へ出ていく。セクサンの左右フックにムアンタイは左ストレートの連打。ムアンタイがヒザでロープ際へ追い詰めたところでラウンド終了。

3R、ムアンタイが左ミドルを2発蹴ると、セクサンも右ミドルを返す。組むとセクサンを組み倒すムアンタイ。このラウンドはミドルの蹴り合いとなるが、ムアンタイが左インローを蹴り、左ストレートのフェイントからさらに踏み込んでの左ヒジをヒットさせ、セクサンがダウン。ここでレフェリーがストップした。

ムアンタイはセクサンを称え、セクサンもムアンタイを称える。ムアンタイには35万バーツのボーナス。

「レジェンド・セクサンの引退試合で戦えたことを光栄に思います。厳しい練習をして失礼のないように準備してきました」とムアンタイ。

セクサンは「皆さん、応援ありがとうございました。30年近く戦い続けてきましたが、身体が言うことをきかなくなりました。皆さんに感謝します。これからは家族と世界中を旅したいと思います。またどこかでお会いしましょう」と語ると、通訳の男性も思わずもらい泣き。






