MMA
レポート

【修斗】宇野薫が3年7カ月ぶり勝利に涙。倉本一真がジャーマン連発で根津優太に勝利、黒部三奈が優勝宣言

2019/11/24 17:11

▼第10試合 セミファイナル バンタム級 5分3R
×根津優太(61.1kg/同級世界2位/&MOSH)
[3R 0分01秒 TKO]※バトン投入による棄権

○倉本一真(61.0kg/同級世界6位/修斗GYM東京)

数ある階級の中で最も熾烈を極め、過酷なバンタム級。その中で常にトップランカーに名を連ねているのが根津優太(&MOSH)だ。ソリッドな蹴りを軸に得意の打撃で距離をコントロールし試合を組み立てるなどテクニシャンぶりを発揮し、2018年5月に魚井フルスイングにスプリット判定勝ちで接戦を制すると、同年9月に平川智也に判定勝ち、さらに2019年5月の祖根寿麻戦でも豪快なKO勝利を飾り、ROAD FCから修斗復帰後3連勝を飾っている。

その“打”の根津と相対するのは“投”の倉本一真(修斗GYM東京)だ。

小学・中学と日本空手協会の空手に取り組み、中学では柔道部に所属。滋賀・日野高から拓大、山梨学院大、自衛隊等でレスリングで活躍した倉本。グレコローマンで2012、2013、2014年の天皇杯全日本選手権優勝、2012年アジア選手権2位、2013年の世界選手権では60kg級で7位という実績を誇る。リオデジャネイロ五輪の前年に全日本選手権で勝ち上がれず、オリンピック出場の夢が絶たれ、社会人経験を経て修斗GYM東京に入門した。

総合格闘技(MMA)で倉本は、試合毎にビッグインパクトを残し続け、豪快なジャーマンスープレックス4連発で相手をKOする等、MMAでもワールドクラスのグレコローマンレスラーのレスリングスキルを発揮。かと思えば前戦では組みのフェイントからパンチ一閃! 僅か35秒でランカーの平川智也を失神KOに下し、組みだけではなく倒せる打撃も持ち併せている事も披露してみせた。

デビューから1年半で6連勝を飾り、未だ底を見せない倉本が上位ランカーの根津優太に挑む。どの組み合わせでもメイン級の試合が組めるバンタム級で最も危険なマッチアップが実現した。

1R、左を当ててシングルレッグを狙う倉本を切る根津。倉本の手繰りを切り、右ローを効かせる根津! さらにジャブ&左ストレートも、倉本はバックフィスト2連発から近づき、半ば強引な首投げからバックを奪われそうになりながらも、この際でバックを奪うと後方にそり投げ6連発! さらに根津の立ち際にパンチを入れる。

2R、倉本は根津の足を手繰りテイクダウンもすぐに立つ根津はヒザ蹴りを突く。それがローブローとなり中断、再開。根津のヒザ蹴りを受けながらもボディロック、ダブルレッグテイクダウンは倉本! 根津は立とうとすると後方に投げられるため背後からのパンチを受ける。ヒザを立てると倉本は後方への投げを2発! 徐々に根津の動きが落ちてくる。

3R、開始前に足がふらつく根津を見て、鈴木秀明氏らコーナーが声をかけあい、開始と同時に赤のバトン(タオル)を投入・棄権した。中央まで歩み戦闘態勢に入った根津だが、ゴングに大の字となった。「トップレスラーにとって投げは打撃」という言葉を体現する倉本が上位ランカー相手に戦慄のTKO勝ち。プロMMA7連勝を決めた。

倉本は試合後、「結構もらう部分多く、根津さんは上手かったです。僕にとっては大きなこと。もっと上を目指していま以上に頑張っていきます」と同じモブスタイル契約ファイターの根津を気遣いながらも、王座戦線に名乗りを挙げた。

▼第9試合 フライ級 5分3R
○清水清隆(56.7kg/日本・同級世界4位/TRIBE TOKYO M.M.A.)
[1R 4分19秒 TKO]

×ショージン・ミキ(56.4kg/米国・ハワイ/HMC)

清水清隆(TRIBE TOKYO M.M.A.)が修斗で再起戦に臨む。清水は、2019年5月6日、修斗プロ化30周年を記念するメモリアル大会の大トリで扇久保博正が保持する世界フライ級王座に挑戦するも、偶発的なバッティングにより、4Rテクニカル判定負け。

しかし、ONE両国大会の修斗vsPANCRASE前哨戦として行われた9月の「Road to ONE CENTURY」ではPANCRASE4位の秋葉大樹を1R2分15秒、左ジャブでKOに下し見事に復活。前田吉朗、石井逸人を葬ったパンチ力が健在である事を証明した。

11月24日(日)後楽園大会での清水の対戦相手はハワイ出身のショージン・ミキ(アメリカ/HMC)に決定。

ミキはMMA7勝5敗。現在ハワイで最も勢いのあるMMAプロモーション「X-1」を中心にBellator等でもキャリアを積み、2019年3月にはVTJやRIZINにも参戦経験のあるカナ・ハヤットと対戦し、典型的なストライカータイプのカナと真っ向から打ち合いを挑み、最後はカナのギロチン、腕十字を凌いで、2Rリアネイキドチョークで一本勝ちをマークしている。

経験では清水に見劣りするものの、ベテランのタイソン・ナム(判定負け)等、強豪ファイター達と毎回接戦を展開し会場を沸かせている。わずか3年弱のキャリアではあるが勝ち星の全てをKOか一本で決着(4S・2KO)しており、フィニッシュ出来るファイトスタイルを誇り、その上ディフェンス力も高く、グランドでは下からの攻撃も多彩なオールラウンダーとしてポテンシャルの高さがうかがい知れる。

キャリア11年目にして初の国際戦となる清水にとって、難敵を迎える事となったがここで足踏みしていられない。王座奪還に向けて“少年”清水清隆の修斗での復活ロードが始まるか。

1R、右ローをカーフで当てる清水。ミキも右ローを返すが単発。清水はボディストレートを突いて右スイング! さらに蹴り足をつかんでの右、ミキのダブルレッグを切って左右を連打するとパンチを受け続け出血したミキは背中を見せて逃走。レフェリーが試合を止めた。

試合後、清水は「自分はまだまだ諦めてないですし、狙う首は一つなので、一つひとつ試合を勝っていきます!」とマイクで語った。

清水清隆
「自分は前の扇久保(博正)戦で一回負けてるんで出直しです。しっかり勝って次へ進みます」

ショージン・ミキ
「呼んでいただき、ただありがとうとございます。またサポートしてくれた皆さんありがとうございます。明日はシミズ選手、よろしくお願いします」

▼ジュニア修斗 53kg契約 3分1R
○赤羽幾也(CROW FOREST)
[判定2-1]※10-9×2,9-10
×佐々木瞬真(パラエストラ千葉)

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