モカエフと何があった?
──今、最高のフェーズにいますね。
「あらゆる面でね。でも、私は“みんな”ではありません。私は何かをする時、常に相手の立場になって考えます。自分が優れているとか、誰かより上だとかいうことではなく、理由が何であれ、常に相手の身になって考える」
──選手の解雇が祝われたという話、ムハンマド・モカエフが解雇された時を思い出さずにはいられません。君と彼の間には、戦ったという因縁の歴史がありますね。
「一つの側面を言いましょう。オクタゴンの中で戦う時、その選手の本性がよく現れます。戦いは自己表現です。知的で戦略的な人間は冷静に状況を見極め、チャンスを逃さず打ちます。逆に、攻撃的で短気な性格の人間は、何も考えずに突っ込み、何も考えずに言葉を発します」
──そうですね。
「何も考えずに喋ることで、人を傷つけてしまう。もっと慎重になるべきですが、それがその人の個性なんです。賢者や経験豊富な人間は、“思っていることをすべて口に出す”ことはしませんが、“口に出すことはすべて考え抜いて”います。不幸なことに、多くの選手はそうではありません。穏やかな選手もいれば、爆発的な選手もいる。ミックスされています」
──モカエフの発言には腹を立てましたか?
「いえ、腹は立ちませんでした。怒ったわけではないんです。ただ、なぜ私が彼について言及するのか。それは彼の本性が“偽善的”だからです。信用できない人間。私の足の指が折れた時、私はそれを直そうとしましたが、彼はそれを利用しようとしました。それが試合に現れています。アイポーク(目突き)をし、私が背を向けても(反則をアピールしても)襲いかかってきた。私が彼を極めようとしていた時……ヒザ十字固めを仕掛けていた時です。彼がテイクダウンを仕掛け、私が足を取りに行った。ジャフェル・フィーリョが彼を極めかけたのと同じ技です。私は戦略として知っていました。もし彼がタックルに来るなら、私は足を取りに行く。取りに行った時、あいつ(モカエフ)は何をしたと思う? 俺のショーツを掴んだんだ。もしあそこで一本取れていたら、試合の結末も、世間の見方も全く違うものになっていただろう。俺はまともに戦おうとしていたのに、あいつは汚い手ばかり使っていた。
ネットでの挑発については、俺は別に何とも思っていなかった。プロモーションのために何を言っても自由だ。だが、あいつが俺にDMを送ってきた時から話が変わった。『おい、俺と戦いたくないのか? 何も言い返さないのか?』ってな。俺はこう返した。『坊や、お前に言うことなんて何もない。自分の道を行け。試合が決まれば戦うだけだ。だが、路上でお前を見かけたら……』、そしたらあいつが『路上で会ったらどうするんだ?』なんて言ってきた。俺は言ったよ。『お前はアスリートだ。キャリアに集中しろ。路上に来れば、お前の知らない世界がある。そこは俺の慣れ親しんだ、得意な場所だ。その世界で俺に会いたいなら、構わないぞ』とな。
その後、PI(UFCパフォーマンス・インスティチュート)で会った時にケリをつけた。俺はあいつに『男に殴られる時は手を上げろ(ガードしろ)、手を下げたまま殴られるなよ』と言ってやった。何発か殴って教育してやったよ。ヒジも一発入れてな。その後マンチェスターで、あいつが挨拶に来たんだ。『サラム・アレイコム(あなた方に平安がありますように)」と言ってな。イスラムの挨拶をされたら、こちらも手出しはできない。『マネル、元気か? 神の平和があらんこと『』と言われ、俺も『元気だ。お前にも平和を』と返した。そしたら『写真を撮ってもいいか?』と聞いてきた。『いいぞ』と言って、あいつが肩を組んで写真を撮ろうとした瞬間、俺を殴ろうとしたんだ」
──それはいつのことですか? マンチェスターで、試合前に?
「そうだ。イギリスでの試合前、PIでの騒動の後だ。PIの後は一度和解したはずだった。あいつは謝罪してきたし、自分が間違っていたと認めていた。境界線を越えるべきじゃなかったとDMを送ってきた。だから解決したと思っていたんだ。マンチェスターに着いた時、俺たちの間にわだかまりはないと思っていた。俺は周りの連中に『もう終わったことだ。マカ(モカエフ)を叩くのはやめろ。あいつも同じ宗教の兄弟だ』とまで言っていた。それなのに、あいつは計量前のあのタイミングで騙し討ちをしてきた。だから計量の時はあんなに殺気立っていたんだ。パンチはここ(顔)に一発当たった。階段にいたから俺は足を踏み外して、あいつが上に重なった。そこで揉み合いになった。俺のスタッフとあいつのスタッフが駆け寄って引き離したが、あいつはすぐに車に逃げ込んだ。すべて計画的だったんだろう」
──それは水曜日か木曜日ですか?
「計量の前日だから、木曜日か水曜日だったな。あいつはそういう『汚いゲーム』をする性格なんだ」
──それが解雇の決定打になったと思うか?
「そう思う。俺はUFCのスタッフと話した。その日の夜に彼らは言ったよ。『試合をキャンセルしたいか? 減量中だし、こんなことがあって大丈夫か?』と。俺は『いや、試合はやめない。絶対にやる』と答えた。彼らに伝えたよ。『あいつは卑怯で裏切り者だ。気をつけろ』と。それだけじゃない。あいつはカメラが回っていないところで、UFCの従業員に対して傲慢な態度を取っていた。自分より上の立場じゃない人間、裏方のスタッフたちにひどい態度を取っていたんだ。それも原因の一つだろう。俺の親父がよく言っていた。『社長に媚びるのは簡単だ。だが、本当に大切なのは末端の人間をどう扱うかだ』とな。謙虚なフリをしているアスリートはたくさんいるが、裏ではスタッフを顎で使ったりしている。ダナ(・ホワイト)やハンター(・キャンベル)の前では良い顔をするくせにな。一昨日もハンターと食事をしたが、マカ(モカエフ)の件についても話した。解雇の理由の一つは、あの夜の出来事だとはっきり言っていたよ(※モカエフは25年11月にBRAVE CFフライ級王者に)」
──その食事の支払いはどっちが?(笑)
「ハンターだよ。彼が払ってくれた」
──なるほど。アデサニヤの件についても聞かせてください。今は和解しているんですか?
「ああ、今は大丈夫だ」
──あの会見の時、アデサニヤとの体格差はすごかったですよね。あなたはブランドン・ロイバルとの試合を控えていて、さらに目の前にいたカイ・カラ=フランスとやり合っていた。そこにアデサニヤが割って入ってきたんですよね。
「あいつ(アデサニヤ)が呼ばれてもいないのに首を突っ込んできたんだ。自分のチームメイト(カラ=フランス)を庇おうとしたんだろうが、黙って座っていれば恥をかかずに済んだものを」
──状況を整理すると、あなたは本来カラ=フランスと戦うはずが、彼が怪我で欠場し、フェリペ・ドス・サントスが代役で受けた。でもカラ=フランスはなぜか記者会見の最前列に座っていた。そこで君が彼を罵倒し始め、アデサニヤが言い返してきた。
「俺がカラ=フランスに水のボトルを投げたからな(笑)。アデサニヤが『何でボトルを投げたんだ』とかなんとか抜かしやがった。『お前には関係ねえ、失せろ』って話だ。あのデカい体で俺を威圧できると思ったのか?絶対に無理だ。俺はストリートモードのスイッチが入っていた。路上じゃ相手の体重なんて選べないだろう? デカい奴と戦うなら、目突きでも噛みつきでも何でもありだ。あいつはそういう修羅場に慣れていない」
──売り言葉に買い言葉、絶対に引き下がらないんですね。
「決してね。引き下がったら眠れないよ……俺は半分ブラジル人みたいなもんだ。だからこうしてカピタン(ブラジル人マネージャー)やリチャードたちブラジル人とつるんでいるんだ」
ジョシュア・ヴァンは棚ぼたチャンピオン
(C)Zuffa LLC/UFC
──そして、ブランドン・ロイバル戦の勝利、おめでとうございます。素晴らしいパフォーマンスでした。1Rで彼をノックアウトしたのはモレノに続いて2人目です。
「ありがとう。そうですね」
──これでタイトル戦線に浮上しました。堀口恭司はすでに試合(2月7日、アミル・アルバジ戦)が決まっていますよね。パントージャについては、彼のマネージャー(パルンピーニャ)が「骨折も靭帯損傷もなかった」と投稿していました。復帰は早まりそうです。
「それは俺にとっても良いニュースだ。彼が早く戻ってくるなら、俺が挑戦する権利がある。間違いない。堀口に試合があるなら、俺はパントージャ対ジョシュア(・ヴァン)の勝者を待つだけだ」
──その間、他の誰かと戦わずに待ちますか?
「もちろんだ。勝つのが分かっている相手や、ランキング2位の俺にとって意味のない相手と戦う必要はない。パントージャたちが戦う間、俺はゆっくり休んで、これまでのトレーニングで溜まった微細な怪我を治すよ。この数カ月、ロイバル戦のためにずっとキャンプを続けてきたからな。去年(2024年)の5月くらいからずっとロイバル戦の準備をしていたんだ。試合が二度流れて、正直、練習に飽き飽きしていた」
──本来は7月に戦うはずでしたが、あなたが足の怪我をしてジョシュア・ヴァンが代役で入り、ロイバルに勝ちました。
「当初は4月に対戦するはずが、彼が脳震盪で流れた。その後7月に決まったが、今度は俺が足を骨折した。それでジョシュア・ヴァンにチャンスが回ったんだ。彼は棚ぼたでチャンピオンになったようなもんだ。人生の巡り合わせだよな。チャンスが目の前を通り過ぎる時、それを掴んだ奴が勝つ。それがスポーツだ。だが、俺はもう長いこと、具体的な目標(試合日)が決まらないまま練習し続けてきた。それは精神的に疲れる。だからパントージャが戻ってくるのを待つのは、俺にとって好都合なんだ」
──ラマダン(断食月)の時期に試合のオファーが来たらどうしますか?
「練習も儀式もこなして、試合に出るよ。ハビブ(・ヌルマゴメドフ)は最後の方は儀式を完全にはこなしていなかったようだが、俺は両立させる。断食が試合の妨げになることはない」
──パフォーマンスに影響は?
「まあ、食べ物の面で多少はあるかもしれないが、大きな問題じゃない」
──ハンターとの食事でも、契約面の話をしたんですよね。
「ああ、契約内容についてはかなり寛大な条件を提示されている。俺にとって重要なのは、自分が納得できる数字(契約金)だ。それが俺を笑顔にする。それ以外のことは、後から付いてくる。無理に追いかける必要はない。この1年で3試合、3連続KOだ。良い仕事をしている自負はある」
──ボーナスはいくつ貰いましたか?
「2つだ。本当は3つ貰えるはずだったが、1つは非公式だった」
──ロイバルとの試合も1R TKOという最高の結果でしたね。次がタイトルマッチだという確信はありますか?
「正直に言って、その話はまだしていない。今は休暇を楽しんでいる。タイトル戦になろうがなるまいが、今はどっちでもいいんだ。」
──満足している、ということですか?
「今、波の頂点(crista da onda)にいる。最高のフェーズだ。自分自身に満足しているよ」



