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インタビュー

【UFC】マネル・ケイプがポルトガル語で語ったこと(後篇)「RIZINで“なんだよ”Tシャツが3千枚完売」「堀口恭司戦後にATTに誘われたけど」「朝倉海との2試合は」「最高のファイトIQは、俺」

2026/01/10 17:01

朝倉海との2戦、なんだよTシャツが完売

──1勝1敗でしたね。

「いや、2回とも勝ちですよ。日本にいる誰もがあれは“大強盗”誤審だったと知っています」

──Sherdogではそういう戦績になっていますが……。

「最大の強盗でした。だから最後の試合では海をノックアウトしたんです。朝倉海とのタイトルマッチ、あの夜は那須川天心も同じリングに上がっていました」

※本誌の取材では、朝倉海との初戦の敗戦について、「判定が下される時の顔を見ても分かるだ ろう。朝倉はまったく自分の勝利を確信できない様子だったし、実際に勝者とコールされて信じられないという表情をしていた。奴も負けたと思っていたからだ。誰に聞いても僕の勝ちだと言うし、なんであんな結果が出たのか分からない。でも結局、受け入れることにしたんだ。この世で起こる全てのことには理由があるって僕は信じているからね。今から考えても、あの負けは必然だった。あのとき僕は負ける必要があったんだ。いかなる悪い出来事も、未来においては幸運となると僕は知っている。もしあのとき僕が朝倉に勝っていたら、次の大晦日にリベンジすることはできなかったんだ」と語っている。

──後にフロイド・メイウェザーと戦った天心ですね。

「そう。天心も同じ夜に戦っていましたが、メインイベントは私と朝倉海でした。さいたまスーパーアリーナには3万人の観客がいました」

──そして、堀口恭司、佐々木憂流迦を1R TKOに下すなど6連勝中だった朝倉海をTKOに下した。

「朝倉は長い間合いでの戦いを好みます。長距離から強い右を当ててくるのが危険でした。でも僕が距離を詰めてしまえば、彼は蹴りを使えない。入ってしまってからならヒザも出せないし、効かせるパンチも打てなくなる。僕が距離を詰めたとき、彼はプレッシャ ーを感じていたはずでした。『オー、マネル・ケイプは俺のパンチを恐れずに中に入ってきやがる。いったい何をするつもりなんだ』って。距離を詰めたところから、右のショートを当ててダウンさせた。いいタイミングを捉えて当てました。朝倉が堀口にやったことを僕がやったとも言えます」

──そのままパウンドのラッシュで朝倉をフィニッシュすると、すぐに解説席にいた堀口恭司のところに行きキスをしましたね。

「ハハハ! 堀口に感謝の意を示したかったんです。このチャンスを与えてくれてありがとう、ってね」

──日本であなたは本当に有名なんですか? 以前、「自分は日本で朝倉海や平良達郎よりも有名だ」と言っていましたね

「平良達郎はあっちでは誰も知りませんよ。日本のファンはRIZINの選手を知っているんです。RIZINのチャンピオンになれば……RIZINが選手のマネジメントをする時、よりカリスマ性のある選手を選びます。カリスマのある選手の場合、RIZINはイメージ、商品、CMなどのマネジメント(エージェント業務)も行います。私のグッズはいつも真っ先に売り切れました。大会が始まる前から、私のアリーナのTシャツは完売でした。だから私はある日本人と一緒に自分のブランド『Nandayo(なんだよ)』を立ち上げたんです」

──「なんだよ」の意味は、「何が望みだ?(What do you want?)」といった感じですか?

「挑発です。相手を挑発する時に使いました。彼らはその“クソ野郎”な感じが好きだった。あの言葉は日本で荒っぽい連中が使う言葉ですよね。それがウケたんです。だから試合後のマイクで『ナンダヨ!』と言うと、みんな熱狂しました。商品は売れに売れました」

──それがさいたまスーパーアリーナだったんですか。すごいな。

「私はさいたまには何度も上がりました。東京ドームだけはまだですが、朝倉海に勝った後のタイトル防衛戦は東京ドームでやる予定だったんです。結局別の試合になりましたが。福岡、東京、静岡……日本の主要なスタジアムはすべて回りました。RIZINのマネジメントを受けるのは簡単ではありません。メディア露出のある日本人選手が中心です。外国人でRIZINがプロモーションに力を入れたのは、ヴァンダレイ・シウバ、ボブ・サップ、エメリヤーエンコ・ヒョードルくらいでしょう。彼らはテレビCMにも出ていました」

──彼らはPRIDE時代からの歴史もありますしね。

「そう。私は彼らとマーケティング契約を結び、グッズやTシャツの売上のパーセンテージを受け取っていました。朝倉との決勝前、スタッフがこう言いました。『マネル、お前のTシャツはすでに3,000枚売れたぞ』と。3,000枚! アリーナに入る直前ですよ。彼らはそれを現金(キャッシュ)で払うんです。ホテルの封筒に私の取り分を入れて手渡されました。『3,000枚、完売だ』って。あれは高価なTシャツだったのに」

──RIZINでは幸せでしたか?

「とても。素晴らしい環境で、尊敬され、歓迎され、待遇も最高でした。王様のように扱われました。日本のファンは格闘家を大切にするという話は本当です」

──他と比較にならないほど?

「比較すること自体が失礼なレベルです。アメリカ人、ブラジル人、ポルトガル人……誰よりも(日本のファンは)素晴らしい。アメリカ人は勝者しか評価しません。明日負ければ、もうゴミ扱いです。それがアメリカの文化です。“勝つこと”がすべてで、敗者の居場所はない。でもRIZINの文化は、たとえ負けても、良い試合、良いショーを見せれば受け入れてくれます。また呼んでくれます。『良い試合だった、素晴らしいショーをありがとう』と言ってくれる。彼らはショーに重きを置くんです。だからRIZINには9連敗していてもクビにならない選手がいたりします。でもUFCでは2連敗したら“さよなら”です。日本には常に“人間的な側面”があります」

──君のキャラクターや話し方、売り出し方は日本のファンに好かれたんですね。

「ええ。私はオーセンティックでしたから。自分以外の何者かになろうとしたことはありません。時間が経つにつれて、ファンも“これがこいつの性格なんだな。ちょっとおかしな奴だけど、最高のショーを見せてくれるし、楽しませてくれる”と理解し、人間味を感じてくれるようになりました。ポルトガル人、アンゴラ人、ブラジル人は、ある意味で似ています。私は時々、驚愕することがあります。サポートがある時と、無い時の差にね。負けた途端、『やっぱりな、お前はダメだ』とか『お前はアンゴラ人じゃない』とか叩かれます」

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