パントージャとの再戦は全く別物になる
──ブラジルのファンに向けて。パントージャとのベルトを賭けたリベンジマッチ、5ラウンド戦うとなったら、前回とは何が変わりますか?
「全く別物になるだろう。一番の変化は“適応”だ。ロイバル戦でも見たと思うが、俺は(足が滑らないように)オクタゴンに水を撒いた。ロイバルもそれを真似して水を撒いていたな。俺はそれを見て“ああ、やっぱり滑るんだな”と納得した。パントージャとの初戦は良い試合だった。技術的にどちらかが圧倒していたわけじゃない。差がついたのは“ボリューム(手数)”だ。彼は非常にタフだ。それは認めざるを得ない」
──彼はUFC史上最高のフライ級選手だという説もある。防衛記録はデメトリアス・ジョンソン(DJ)に及びませんが、勝利数や試合数では上回っていますね。
「数字で見ればその通りだ。同意するよ。最もテクニカルか、見ていて美しいかと言われれば別の話だが、彼は結果を出している。結果こそがすべてだ。今のフライ級はかつてないほどレベルが高い。DJが王者だった頃は階級が新設されたばかりだったが、今はランキングに10カ国以上の選手がひしめいている」
──そして、君にはKOパワーがある。この階級でKOできる選手は少ない。
「誰もが“パパ”(マネル)の番が来ればこうなると思い知るだろう」
──軽量級でそれほど重いパンチを打てる秘訣は何ですか?
「遺伝(ジェネティカ)だよ。親父も一撃が重かった。もちろん練習もするが、生まれ持ったものだ。パントージャが組む力、アイソメトリーが強いのと同じだ。……あまり知られていないが、俺の本職は柔術なんだ。グラウンドになった時、俺はスクランブルなんてしない。すぐに一本を獲りに行く。テストしたい奴がいれば受けて立つが、自分から寝技には行かない。KOパワーという武器があるからな。だが、本職は寝技だ。いつか“フライング・トライアングル(飛びつき三角絞め)”を見せてやるよ。俺の得意技だ」
俺がロイバルをどうノックアウトしたか見たか?
──それは楽しみです。ここからは、アンケートを。現役のUFC選手の中から選んでください。「最強のストライカー」は?
「俺だ。ストライキングは視力、距離、KO、姿勢、反射神経……あらゆる要素が含まれる。イリア・トプリアはボクシングだけ、アレックス・ペレイラはキックボクシングとパワーだ。俺の強みは『格闘IQ』と『予測不能さ』だ。脳をどう使うか。アデサニヤにKOされた時のペレイラのように、あんな場所に長居はしない。ガードを下げて大きなパンチを狙い過ぎたんだ。ボクシングを知っている奴なら、打って、打って、相手が絶望して振り回してくる一発のリアクションが来ると分かっている。それに対して外に出るか、カウンターを合わせるかだ。俺はいつ下がるか、いつ入るかを知っている。統計と根拠に基づいた、俺のストライキングが最強だ。……まあ、ペレイラのファンだけどな。彼は別格だよ」
──「最強のグラップラー」は?
「現役なら……チャールズ・オリベイラと言いたいところだが、マカチェフに負けたからイスラム・マカチェフかな。一本負けした事実は変えられない。でもチャールズがMMAの寝技でやっていることは異常だ。トプリアも実は寝技が凄く強い。ストライキングより寝技の方が上なんじゃないかと思うほどだ。ヴォルカノフスキーの足を取りかけたしな。ジョゼ・アルドも寝技はめちゃくちゃ強い。だが、結果を重視してイスラムにするよ」
──「最強のレスラー」は?
「ロシア人を贔屓していると言われそうだが、イスラムかな。メラブ(・ドバリシビリ)は柔道に近い。……いや、(ハムザト・)チマエフだ。あいつに捕まったら最後だ」
──「最強のカーディオ」は?
「メラブだろうな。あいつは遺伝だ。子供の頃からアドベンチャースポーツばかりして、氷の中に頭から突っ込むようなイカれた奴だからな(笑)。体がアドレナリンに慣れきっているんだ。ただ、スタミナは複雑だ。恐怖心に支配されるとスタミナは40~50%削られる。未経験な選手がすぐに疲れるのはアドレナリンを制御できないからだ。メラブは極限状態を日常にしているから、脳が疲労を感じないんだ」
──「最強の顎」は?
「KOされたことがない選手……俺にしておこうか」
──「最強のトラッシュトーカー」は?
「俺だ(笑)」
──半分以上があなたじゃないですか(笑)。「最強のパンチ」は?
「ペレイラだ。あの左は死を招く。あれも生まれ持ったものだ。力んでいるわけじゃない、洗練された技術とレバレッジだ。ストロングマンがMMAをやっても全員をKOできないのは、パンチ力が筋力だけじゃないからだ。ペレイラのパンチは天性だね」
──「最高のファイトIQ」は?
「それを俺に聞くのは野暮だろう(笑)。俺だ。俺は分析的な人間なんだ」
──自信満々ですね。ディエゴ・ロペスはヴォルカノフスキーを挙げていました。
「根拠があって言っている。ヴォルカノフスキーがもし本当にファイトIQが高いなら、トプリアにあんなKO負けはしなかったはずだ。ヴォルカノフスキーは後ろに下がりながらオープンな体勢でクロスを打つ癖がある。だが、あんなオープンな体勢で下がれば、戻るのに時間がかかる。だから顎を捉えられたんだ。……俺がロイバルをどうノックアウトしたか見たか? あいつの足のポジションを見抜いていたからだ。俺が予測不能なのは、脳みそをうまく使っているからだ。
パントージャとヴァンの試合でもそうだ。同じスタンスのまま頭を蹴りに行けば、足を掴まれる確率は高い。格闘IQが高ければ、あの状況でその選択はしない。俺は自分の脳みそを信じている。柔術だってそうだ。アームロックに行く時に足をかけて閉じなければ、相手に逃げられる。ストライキングも同じ理屈だ」
──さて、雄弁なアンゴラ系ポルトガル・ブラジル人といってもいいマネル。相当なドラマ好き(ノヴェレイロ)だそうですが、ブラジル史上最高のドラマは何ですか?
「それは難しい質問だ! ノヴェーラ(ドラマ)の話をするのは、宗教やサッカーの話をするのと同じくらい熱くなるぞ。今でもYouTubeで名シーンを見返したりするんだ。俺が好きなのは……『Chocolate com Pimenta(チョコレートとピーマン)』。あとは『Avenida Brasil(アベニータ・ブラジル)』。それからコメンダドール(司令官)が出てくるやつ」
──『Imperio(インペリオ)』ですね。
「そう、それだ! マリーナ・ルイ・バルボーザが出ていたやつ。あれは本当に良かった」
──『Proxima Vitima(次の犠牲者)』はいかがでしたか。
「それもいいな。ブルーナ・マルケジーニが出ていた『Caminho das Indias(インドへの道)』も好きだ。彼女が盲目の少女の役をやっていたのを覚えている」
──そんなドラマもありましたか。
「あったんだよ! あと、パオラ・オリベイラの大ファンなんだ。彼女がMMAファイターの役を演じていたドラマがあっただろう?(※『A Forca do Querer』)。ポリアナ・ボテーリョと共演したシーンがある」
──ポリアナ・ボテーリョがドラマに出ていたんですか?
「そうだ。それから、すごく皮肉屋なゲイのキャラクターが出てくるドラマ……名前は何だっけ。黒髪で、ミームにもなっていた奴だ。ポルトガルでも賞を獲るくらい有名だった」
──『Amor a Vida(愛の生活)』の「フェリックス」ですか?
「そう、フェリックス(マテウス・ソラーノ)だ! あいつは最高だった。あのキャラクターはあまりに良すぎて、世界的に有名になった。俺のイチオシだね」
──ドラマ好きで、ファッショニスタで、格闘家……マネル・ケイプは何でも持っていますね。ファンにあなたのことをもっと知ってもらえて良かったです。最後にメッセージを。
「考えていないことを口走っちゃうかもしれないけどいいか?(笑) いや、冗談だ。今日話せて本当に楽しかった。皆、このレゼーニャ(雑談)を楽しんでくれたかな。また次回の試合、あるいは次回の雑談で会おう。もっと俺の話が聞きたければ、また呼んでくれ。呼びたくなければ……まあ、またどこかで会うことになるだろう。Tamos juntos(共に戦おう)!」




