寝技になった瞬間に「もうフィニッシュが来る」って(平良)
ジャッジはモレノが絞めたと取るか。平良のトップ攻めを取るか。試合後に公開されたジャッジペーパーでは、2者が10-9で平良のラウンドに。1者はモレノを支持していた。
平良は「1Rを落としたかもしれないと思って、もうあと10分間、5分2Rの残りの10分間を攻め続けるって決めて、2Rプッシュした」という。
三角絞めで力を使ったモレノの足の回復具合も気になるなか、コーナーの松根良太代表から「冷静に。絶対テイクダウンできる。ポイントのことは気にするな。全部、攻め切ろう。お前の力でのみこむぞ」と声をかけられ、平良は2R、中央に出る。
左インローの平良に、モレノは左ジャブ。互いに左フックを相打ち、平良の左アッパーにモレノは右フック、平良はアゴを引いて受ける。被弾もある平良。ダブルレッグで飛び込むが、モレノは右にサークリングでかわす。テイクダウンを警戒し低い構えのモレノに、右ヒザのフェイントの平良。モレノの左ジャブを額で受けると、左インローのモレノは右オーバーハンド。かわした平良に左フックを当てる。
平良のワンツーをかわすモレノ。右ローを当てた平良。ダブルレッグに入るが、両足を後方に飛ばして切るモレノは平良の立ち際に左フックをヒットさせる。
しかし、タックルを切られても打撃、さらに組みへの「繋ぎ」が進化した平良は、首相撲からヒザを突くと、距離が近づき組んだのは、モレノの方だった。クリンチせざるを得なかったともいえる展開。
#UFC323 Official Result: Tatsuro Taira (@Tatsurotaira) defeats Brandon Moreno via TKO at 2:24 of Round 2.
— UFC News (@UFCNews) December 7, 2025
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左で差して組んだモレノに四つ組みの平良。長い腕でクラッチし、右足で小外がけで崩しながらテイクダウン! そのままマウントを奪うことに成功した。
足へのタックルに比べ、四つで胸を合わせた組みでのテイクダウンは、そのまま抑え込みに入れるのが利点だ。
頭から倒され、驚きの表情を浮かべたモレノ。平良は左のパウンドを落とすと、上体を起こしてきたモレノをはがして寝かせに。
ここでモレノは、巧みに平良の左足を両手ですくって後方に送り込んでシングルレッグでスクランブルするが、平良は立とうとするモレノのバックに! 左足をモレノの肩口からかけて右手はバックから脇差し左手とクラッチ。
この時点ではシングルバックだったが、ハンドファイトで左手を抜いたモレノに、平良は左足を腹に深く差し込むと、右足と4の字ロック=得意のボディトライアングルを完成させた。
バックまでの作りがスピーディーな平良。背後から右で脇を差して、モレノのアゴを押して、ボディトライアングルのまま腰をずらして左ヒジをマットに着いてバックからマウントに。半身のモレノに右のパウンドを連打する。
このボディトライアングルから強いパウンドを打つためには、相手の腰を動かさせない足の締め付けが必要だ。
動けないモレノに平良は安定感あるマウントからパウンド、うつ伏せで亀になったモレノに4の字を解除し、バックマウントに移行すると、両足でモレノの身体を伸ばして、左右のパウンド! いったんヒザを立てて亀に戻したモレノだが、平良が再びモレノの身体を伸ばしてパウンドするとレフェリーが間に入った。
「寝技になった瞬間になんだろうな……“もうフィニッシュが来る”ってすぐ分かって。それがサブミッションなのかパウンドなのか分かんなかったけど、今回はパウンドで仕留めることができました」(平良)



