MMA
ニュース

【RIZIN】堀口恭司がUFCとの交渉を語る「俺を獲らないことによって『何が世界一か』っていうのを捨ててる」、榊原CEO「RIZINで二階級同時制覇を目指してほしい」「UFC行きを止める気はない」

2024/06/06 15:06
 2024年6月9日(日)『RIZIN.47』(代々木第一体育館)で、元Bellator世界バンタム級王者のセルジオ・ペティス(ルーファスポーツ)とバンタム級に戻して再戦する現RIZINフライ王者の堀口恭司(アメリカントップチーム)が、UFCとの交渉が進んでいないことについて6日、RIZINの榊原信行CEOは、堀口がまだBellator/PFLの契約下にあること、ペティス戦後も交渉を継続しながらも、堀口に新たな目標として、RIIZN二階級同時制覇を目指してほしいと語った。  本誌取材でも語っていた通り、堀口は『RIZIN CONFESSIONS #151』で、UFCとの交渉が思うように進んでいないことを吐露している。 「40歳までと決めている。もちろんその前に怪我があれば辞めるだろうし。今年(10月)で34歳なんで、(あと)6、7年ですよね。海外へ行きたいっスけどね。向こう(UFC)の問題ですから。俺が1回(UFCを)抜けてるじゃないですか。それがたぶん面白くないんじゃないですかね。意地みたいなものがあって“もう獲りたくない”みたいな、そういうのがあるんだと思いますけどね」と、現RIZINフライ級王者を獲得しないのは、UFC側の問題だと堀口は明かす。  ATTの名将マイク・ブラウンは、堀口がUFCのベルトを獲れるか? の問いに「100%、獲れると思うよ」と即答する。 「複雑なことにいま、(同門のアレクサンドル)パントーハがUFCの王者だから、チームメイト同士で試合はしてほしくはない。でもほかのUFCやどの団体の選手を相手にしても、恭司が勝つと自信を持って言えるよ」と、堀口がフライ級のキングだと断言する。  UFCとの交渉経過を知ったATT勢の反応について、堀口は「いやもう“何で行けないんだ?”みたいな。ハテナですよ。“ハッ? 恭司いらないの? ありえないでしょ。もうお手上げだよ、何言ってんだ、あいつら”みたいな感じっスね」と明かす。  そして、自身と再契約しない理由を、「もう上場して大手になったわけじゃないですか、UFCも。だからやっぱり金かけないところはかけないってやってるんじゃないですかね。だってファイトマネーとかもすごく低いじゃないですか。生活できるやつなんてほんとに限られてるんで。フライ級をそこまで盛り上げようと思ってないんですよね」と語り、UFCを離れるきっかけとなった軽量級の扱いについて、あらためて指摘した。  さらに「やっぱり俺を獲らないことによって『何が世界一のものか』っていうのを、ちょっと捨ててるじゃないですか」と、疑問を投げかけている。 [nextpage] 次やり返せばいいし、もっと盛り上がる  同時に、2017年当時、UFCフライ級存続が危ぶまれるなか、日本マットを目指したことを「後悔していない」という。 「だって日本に帰らなかったら、こんなに格闘技をメジャーに出来なかっただろうし、二瓶(弘宇 ※空手の師匠)さんとかも亡くなる前に自分の試合を見れなかっただろうし、そういう部分では(日本マットに戻ったことは)俺は後悔無いですね」  自身がコントロール出来ないことについては、思い悩まないのが堀口だ。 「切実なんですけど、これが現実なんで。“最悪です、思い込む”みたいなものは無いですね。“そうか、そうか”で、もういいじゃないですか」と、気持ちを切り替えて、自身がコントロール出来ることに注力していく。  それは、次戦で勝つことだ。 (C)Bellator  懸念点はあった。階級をUFC時代のフライ級に戻して、RIZINでフライ級王座を獲得したが、今回のセルジオ・ペティスとの再戦のために、もう一度、バンタム級に挑むことになる。それは、一度フライ級の身体を作った堀口にとって負担とリスクがあることだった。 「“フライ級でもうやる”って決めて、(今回また)バンタムに上げるっていうのでまたちょっと悩んで。(でも)すぐにリベンジできる、こんな機会そんな無いじゃないですか。“しょうがない、やるしかないな”と思って決めましたね」と、階級変更を飲み込んだという堀口は、代々木での再戦に向け、「リベンジマッチ組んでもらったんで。ここでしっかり勝ちたいなって感じです。次やり返せばいいし、もっと盛り上がるかなって思ってるんで。前回負けてるんでね。まあ、ブッ飛ばしてやろうと思っていますよ」と不敵に語った。 [nextpage] バンタムの方が堀口のカードは面白い(榊原)  一方、Bellator/PFLからペティス招聘を実現させた榊原CEOは、堀口に新たな目標として、RIIZN二階級同時制覇を目指してほしいという。 「バンタムの方が堀口のカードは面白いですよ。BelllatorがPFLの傘下になり、PFLにはバンタムが無いなかで言うと、バンタムでBellatorで契約していた選手は、まあまあ試合を組んでもらえなかったりする。  年末、BellatorとRIZINの対抗戦だったり、Bellatorの日本大会を我々と一緒に組んでやりたいっていう(Bellator/PFLの)思惑があって、団体同士の貸し借りの中で言うと、ここはペティスを何としても口説き落とす必要があった。恭司はそういう意味でまだ日本で戦う。RIZINを世界標準にするためにもうひと肌脱ぐ」と、Bellatorファイターの受け皿としても大晦日のクロスプロモーションに繋げたい思惑が両団体間で一致したこと、そして堀口にはフライとバンタムの二階級で活躍してほしいとした。 堀口はまだPFL/Belllatorの契約下にある  同時に榊原CEOは6日、米国の『The MMA Hour』で堀口の現状の契約を明かし、今後のUFCとの交渉について「止める気はない」とも語っている。 「堀口とRIZINは個人的にも非常にいい関係にあります。ただ、契約上は堀口はまだPFL/Belllatorの契約下にあって、我々としてはその契約を借りる形になっています。  この先、堀口としては、もう一度、UFCのフライ級にチャレンジしたいという思いはあるんですけど、そこはプロモーターであるダナ(ホワイトUFC代表)がどうジャッジするか、ということでもあります」と、堀口獲得はUFC次第だとする。 「堀口は日本ではほんとうに大きな人気があるし、本人はフロリダに住んでいることもあって、アメリカでも試合をしたいという思いもある。そのなかでRIZINでも試合をしながら、ほかの海外プロモーションにもチャレンジしていくということを彼は希望しているので、この試合(セルジオ戦)の後も、彼はUFCにもアプローチするんじゃないでしょうか。  それを僕らも止める気はないんで、RIZINで活躍して、UFCとかほかの団体に行きたいという選手をあまり契約で縛って、選手のやりたいことをやらせない、というほかのプロモーションとは違う形で選手と向き合っていく、そこは変わらずに行きたいと思います」と、Bellator/PFLリリースを希望し、離れた大物ファイターのように、もし堀口がUFC行きを望み、UFCが獲得するならば、引き止めないとした。 [nextpage] 陰のフライ級王者がいることを世界に知らしめること  一方で、榊原CEOはRIZIN配信の中で、「今回は堀口のこの先の格闘技人生を占う試合になる。本人はここで結果を出して、また次の展開を考えているだろうし、UFCの可能性を考えると、この試合を落としたら、UFCは獲らないと思うよ、間違っても。プロモーター目線で言うと」と、UFC再挑戦を目指す堀口にとって、状況的にタフな試合になるとも語っている。  堀口は本誌の取材に、「どの試合も次に繋がる試合だと思うので、ここでしっかりリベンジして、次は大舞台に行くのか、どこに行くのかは分からないですが、そこに向けての“いい手土産になればいいな”とは思っていますね。(今回がBellator/RIZINの一区切りの試合にもなる?)まあ、そうですね。そういう感じになるのかなとは思いますね」と、現契約の区切りにすることを語っている。  アウェイの前回は、テイクダウンを奪いながらもブーイングを受けて「ブーイングより盛り上がった方がいいじゃないですか。だから盛り上がる試合をやろうと思って」、押さえ込んだセルジオを放して立ち上がった。  堀口にとって、今回は短期間で戻したバンタム級戦で、ホームではあるが、前回とは異なるリングとルールセットだ。それはどちらにとって吉と出るか凶と出るか。  元バンタム級王者のセルジオをフライ級王者の堀口が下すこと、世界の強豪に勝ち続けることで、UFCに陰のフライ級王者がいることを世界に知らしめること、それが堀口恭司の道を開くことになる。今回も絶対に負けられない戦いに、堀口は挑む。
全文を読む

MAGAZINE

ゴング格闘技 NO.335
2024年11月22日発売
年末年始の主役たちを特集。UFC世界王座に挑む朝倉海、パントージャ独占インタビュー、大晦日・鈴木千裕vs.クレベル、井上直樹、久保優太。武尊、KANA。「武の世界」でプロハースカ、石井慧も
ブラジリアン柔術&総合格闘技専門店 ブルテリアブラジリアン柔術&総合格闘技専門店 ブルテリア

関連するイベント