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【UFC】平良達郎がモレノとフェイスオフ「自分の戦い方をすれば必ずフィニッシュできる」×モレノ「俺もいいグラップラーだ」

2025/12/05 16:12
【UFC】平良達郎がモレノとフェイスオフ「自分の戦い方をすれば必ずフィニッシュできる」×モレノ「俺もいいグラップラーだ」

(C)@ufc_jp

 2025年12月6日(日本時間7日)米国ネヴァダ州ラスベガスのT-モバイルアリーナで開催される『UFC 323: Dvalishvili vs.Yan 2』(U-NEXT配信)にて、フライ級(5分3R)で対戦する元同級王者で現2位のブランドン・モレノ(メキシコ)と、同級5位の平良達郎(日本/THE BLACKBELT JAPAN)が5日、公開会見とフェイスオフを行った。

 平良は会見に、スリーピーススーツを着用。これは、2021年7月の「修斗世界フライ級チャンピオンシップ」で平良が福田龍彌に1R 三角絞めで勝利し、ベルトを戴冠した時に師匠の松根良太TBJ沖縄代表が「これから記者会見が増えるから」と、平良にプレゼントしたオーダーメイドのスーツ。生地やデザインなどは平良が選んだという。金髪に染めた髪と合って、ゴールドメダルを目指す試合に相応しい出立となった。

 公開質問で平良は、「ブランドン・モレノは強いファイターで、この試合はタフなファイトになると思うけど、準備してきたので、自分の戦い方をすれば必ずフィニッシュできると思っています」と、王座挑戦権を得るために、一本かTKOで勝つと自信のコメント。

 それを受けたモレノは、「愉快な話だ。昨日彼が俺を仕留めると言ってたらしいけど、今週土曜の試合(日本時間・日曜日)には俺の全て、心と魂を賭けるつもりだ。それが全てさ。達郎にはリスペクトを持っている。彼はすごい対戦相手で、この試合にとてもエキサイトしている。彼は素晴らしいグラップラーだと知っているし、俺もアメイジングなグラップラーだ。俺が勝ってタイトルマッチに行く」と、必勝を宣言した。

 個別インタビュー(平良達郎/ブランドン・モレノ)後には、U-NEXT等のメディアインタビューも行われ、あらためてモレノは「今の俺は経験もたっぷりあるし、まさに全盛期」と絶好調ぶりを語り、平良は「自分がどこまでストライキングとMMAで勝負できるのか、すごくワクワクしています」と、立ち合いにも自信を見せている。

 平良の試合後には「UFC世界フライ級選手権試合」として王者アレシャンドレ・ パントージャ(ブラジル)vs.挑戦者ジョシュア・ヴァン(ミャンマー)も組まれており、平良とモレノの勝者が次期コンテンダーとなりうるランキング戦はいよいよ、前日計量を迎える(試合見どころ)。

ブランドン・ モレノ(フライ級2位)「俺はこのスポーツが本当に好きなんだって再確認できた」


(C)@ufc_jp

──今回のキャンプはいかがでしたか?

「調子は最高だよ。この試合に向けてずっとハードに準備してきた。この試合で勝てば次のタイトル挑戦者が誰の目にも明らかになるっていう、大きなチャンスなんだ。だから今は平良達郎に集中してる。モチベーションもメンタルも全部いい感じだ」

──平良達郎はUFC参戦直後から“将来のコンテンダー”と評されてきました。あなたが平良を対戦相手の候補として意識したのはいつ頃ですか?

「そうだよね。彼はUFCに来てからずっと素晴らしい活躍をしてる。ロイバルとの試合では少し問題があったけど、その後の復帰戦では本当に素晴らしかった。いつから彼を対戦相手候補として意識し始めたかっていう具体的な瞬間は正直覚えてない。でも、彼の試合を見て、“打撃がすごくクリーンで、グラップリングも良い”って感心したのは覚えてる。結果、こうしてタイトルに手が届く位置にいるわけだよな」

──ファンの多くが「あなたはエルセグ戦、アルバジ戦でキャリア最高のパフォーマンスを見せている」と言っています。この数試合で何が変わったのでしょう?

「本当にクレイジーだよ。俺自身、人生の中で新しいモチベーションを見つけたんだ。前にも話したけど、ロイバルとの試合の頃は“もう引退しようか”ってところまで来てた(※ロイバル戦=2024年2月『UFCファイトナイト・メキシコシティ』でスプリット判定負け)。でも家族や妻、近しい人たちと時間を過ごすうちに、俺はこのスポーツが本当に好きなんだって再確認できた。オクタゴンの真ん中で、何万もの観客の前で殴り合う――その感覚が最高なんだよ。アルバジ戦(※2024年11月『UFCエドモントン』で判定勝ち)でも、エルセグ戦(※2025年3月『UFCメキシ』で判定勝ち)でも、みんな今の俺を見てくれたはずだ。今の俺は絶好調だし、まだ若いけど(31歳)経験もたっぷりある。まさに全盛期って感じだね」

──平良のコーチが「モレノはポケモンカードが好きで話が合った」と言っていましたが、覚えていますか?

「もちろん覚えてるよ。さっき日本のメディアともポケモンカードの話をしてた。日本の文化が好きで、アニメも好きで、食べ物も好きってね。昔、ファンがポケモンカードを送ってくれたこともあるし、日本からはいつも良いバイブスをもらってる。でもまあ、こういうのも全部、旅の一部って感じだよな。勝っても負けても最後は握手して帰る。それが俺たちの仕事だ。とにかく、この試合が楽しみで仕方ないよ」

──あなたは「勝てば次はタイトルマッチ」と話していました。一方で、平良は「挑戦権を得るために、あなたをフィニッシュしないといけない」と語っています。さらに、パントージャは、次の挑戦者候補に堀口恭司の名前も挙げていました。彼らを飛び越えるには、あなたも大きなインパクトが必要だと思いますか?

「試合で最高のパフォーマンスを見せる。それが俺のやるべきことだ。よそで何が起きるかはコントロールできない。恭司は素晴らしい試合をしたし、来週はマネル・ケイプも試合をする(vs.ロイヴァル)。いい勝ち方をすればまた名前が挙がってくるだろう。達郎だって俺に勝てば挑戦者になれる。でも俺が本当にコントロールできるのは、試合で強烈なインパクトを残すってことだけだ。それをやったら家族と楽しんで、あとは来年を待つだけだね」

──ところで全然関係ない話ですが……コナー・マクレガーがメキシコのティファナに行ったというニュースを見ましたか?

「見たよ! インスタで流れてきた。あのメキシコの地域には“シャーマン”(※伝統的な呪術・治癒・儀式を行う宗教的指導者)が本当に多いんだ。儀式とか、古代からのスピリチュアルな習慣が色々あるんだよ。彼が具体的に何をやったのかは知らないけど、宗教的なことかもしれないし、スピリチュアルな儀式かもしれない。とにかく“ティファナへようこそ”って感じだね。タコスはメキシコで一番美味しいから、ぜひ楽しんでほしいよ」

(※現地メディアにコナーはそこで「自分の死を見て、人生が変わった」と話し、モレノは「たぶん“アヤワスカ”かもね。ティファナが有名なのは、そういうシャーマンがいるからなんだ。ティファナの近くにそういう場所があってさ。だから彼もそういうことをしに行ったのかもしれない。でもそれでコナーにとって良い方向に働けばいいよね。僕自身はそういうことはしたことがない。でも、ちょっと興味はある。多くの人が、あれは……何て言えばいいんだろう。“解放される”っていうか、そういう感じだって言うんだ。自分の心が開かれる、とかさ。だから、もしかしたらね」と回答)※アマゾン北西部で伝統的に用いられている植物性の幻覚剤を用いた儀式。

──別の取材で、ヘンリー・セフード(バンタム級9位)が「引退するが、戻るなら相手はモレノだけ」と話していました。あなたとしては受ける気はありますか?

「インタビューは見たよ。その話は完全に終わったと思ってたのに、まだ俺のこと考えてるってクレイジーだな。過去にはいろいろあったけど、今の俺はフライ級に集中してるし、タイトルを取り戻すことだけ考えてる。彼がもう一度この階級に落とすとは思えないしね。だから俺としては、彼の今後の成功を願ってるよ。ペイトン・タルボットとの試合でも健闘してほしい」

──もし記者会見で隣の席になったら気まずいですか?

「いや、普通に挨拶するよ。なんであんなに俺に敵意を持つのか分からないけど、カメラの前だと人って変わることがあるんだよ。でも俺はシンプルだよ。握手したいなら握手する。全然問題ない。それだけだね」

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