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【UFC】平良達郎vs.ブランドン・モレノが正式発表! 王者以上に難敵のモレノに平良は進化を見せられるか=12.6 ラスベガス

2025/10/15 10:10

全局面で強いモレノ、進境著しい平良

 強い寝技を軸とする平良にとってモレノは、ある意味、王者よりも厄介な相手と言っていい難敵だ。

 平良が当初8月に対戦する予定だったアルバジとの試合でモレノは、2R以降を完全ドミネート。最終ラウンドにはアルバジの組みを差し上げて両差しからテイクダウン。立ち際に首相撲から左ヒザを突き上げたまま左フックを効かせるなど、5Rにわたりアルバジを削って完勝。

 25年3月の前戦ではエルセグを左右上下と変幻自在の動きでコントロール、テイクダウンも奪い完勝している。

 オーソながらシャープなジャブ、多彩な左を中心に鋭くコンパクトな打撃と、右オーバーハンド、変則的な際のつなぎの打撃も巧みで、5つのKO・TKO勝ちをマーク。カラフランス戦では走り込んでの左中足蹴りを腹に効かせてKOするなどボクシングだけでなく、パンチから蹴り、テイクダウンに繋ぐ動きにも長けている。

 さらに、パントージャとの2Rでは、モレノがテイクダウンからバックを奪うなど、レスリングの上手さと、寝技でも11の一本勝ちを誇る極めの強さも持つ。三角絞め、ダースと正面からの絞めもあるが、フィゲレードを極めたリアネイキドチョークでは6つの勝ち星を上げており、そのバックを奪うレスリング力、グラップリング力の高さが、MMAのなかで巧みに繋がれている。

 これまで公式戦でKO・TKO負け、一本負けも無く(※2016年のTUF24でパントージャにRNCで一本負け)、8つの黒星はすべて判定によるもの。身長170cm、リーチ178cmは、モレノ・平良ともに同じで、ラスベガスでは、強豪グラップラーのマイキー・ムスメシ、柔術元世界王者のヘナート・カヌートらと練習しており、平良が武器とする寝技でも攻略は容易ではない。スタンドでも頭に手をつけたガードから長い左ジャブ、左の蹴りと懐深く、細かくステップを使い、時に足を止めての打ち合いも出来るモレノからいかに被弾せずにとらえるか。

 パクからダウンを奪うなど近年、急速な打撃の進化と、MMAとしての組技の繋ぎがスムーズな平良は、どの局面でも強いモレノを相手に組技の精度で上回れるか。このところ3試合がメインイベントで5分5Rだった平良だが、今回は5分3R。ほとんどの大会でメインイベンターを務めるモレノも2020年11月のロイバル戦(1R TKO勝ち)以来、約5年ぶりの3R戦となる。そのロイバル戦でモレノは序盤から早い仕掛けでオーバーハンド、バック奪取から凄まじいスクランブル戦でトップを奪い、ロイバルを負傷TKOに追い込んでいるが、いまの平良は初回を落とさない戦いが可能だ。歴戦の兵のモレノの経験値を活かさせない3R戦で2つのラウンドを取るために、いかにバックを奪うか。

 平良にとって2023年7月のエドガー・チャイレス戦以来となるUFC APEX以外の会場・T-モバイル・アリーナのアウェーといっていい大観衆の前で、まだ新世代には黒星が無いモレノを破り、王座挑戦に名乗りを挙げられるか。日本格闘技にとっても、今年最大の大勝負が決まった。


【写真】11月23日、12月7日、12月13日とフライ級の注目試合が続く。

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