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レポート

【UFC】ヘビー級王座戦はガヌのアイポークでアスピナルが続行不可能1R ノーコンテストに。ダーンがジャンジロバに5R競り勝ち女子ストロー級新王者に、ウマルがバティスタの蹴り被弾も左を当てて組み伏せ判定勝ち、ムルザカノフが1R KOでMMA16戦無敗・UFC6連勝に。豪州サルキルドが右ハイKO! ウォルケルが4試合連続1Rヒールフック勝利、魅津希が連勝アモリムに完勝!

2025/10/26 00:10

テイクダウンのジャンジロバに、ダーンが寝技でも有効打当て判定勝ち、ストロー級新王者に

▼UFC世界女子ストロー級王座決定戦 5分5R ※選手名から前戦
〇マッケンジー・ダーン(ブラジル)16勝5敗(UFC11勝5敗)115lbs/52.16kg
[判定3-0] ※48-47×2、49-46
×ヴィーナ・ジャンジロバ(ブラジル)22勝4敗(UFC8勝4敗)※UFC5連勝でストップ 115lbs/52.16kg

 女子ストロー級タイトルマッチ(5分5R)。11月15日の『UFC322』でジャン・ウェイリーが階級を上げてワレンチナ・ シェフチェンコのフライ級王座に挑むため、ストロー級王座を返上(※同時二階級王座保持は禁止に)。1位のジャンジロバと、5位のダーンが初のタイトル戦で「王座決定戦」を戦う。両者は2020年12月に対戦し、ダーンが判定勝ち

 魅津希にスプリット判定勝ちし、村田夏南子に2R 負傷TKO勝ちしているジャンジロバは、アマンダ・ヒバスに判定負け後、アンジェラ・ヒル、マリナ・ロドリゲス、ルーピー・ゴディネスに判定勝ち。アマンダ・レモスを2R 腕十字に極めると、25年4月の前戦でヤン・シャオナンに判定勝ちで5連勝中。

 柔術世界王者・ADCC王者のダーンは、アマンダ・レモスに判定負けも、ルーピー・ゴディネスに判定勝ちすると、25年1月の前戦でジャンジロバを下しているアマンダ・ヒバスに3R 腕十字で一本勝ち。今回の王座決定戦を決めた。

 1R、ともにオーソドックス構え。右ローの打ち合い。さらに右ローを当てるダーン。ワンツーから左ジャブを当てるダーンに、右ローを返すジャンジ。近くなり組むが、ともに固執せず。

 右の打ち合い。ダーンの右カーフの打ち終わりにダブルレッグのジャンジロバだが切るダーン。サウスポー構えで右を当てるジャンジロバ。ダブルレッグでドライブしてテイクダウン。ケージ際で下から殴るダーンは手首をつかみ、蹴り上げ。中腰のジャンジロバは足を放し、ダーンの立ち際に組むが、ダーンが左で差して組み。突き放すジャンジロバ。

 シングルレッグテイクダウンで尻を着かせるジャンジロバ。シッティングのダーンはボディロック。右足を抱えるジャンジロバ。2人とも座りながら殴り合い。立つダーン。四つで体を入れ替えるダーン。ヒザ蹴りのジャンジロバに押し込むダーンはクリンチアッパーと腿への鉄槌。テイクダウン奪ったジャンジロバにダーンはパンチをヒットさせた拮抗したラウンド。

 2R、左右から先に組んだダーン。左差しも自ら離れる。ワンツーから右ミドルに繋ぐダーン。右を突くジャンジロバ! 右カーフにはダーンも右を合わせる。ワンツーの打ち合い。ダブルレッグテイクダウンのジャンジロバ。クローズドガードのダーンは下から鉄槌。蹴り上げて立つ。

 ダーンのワンツーの右をかわすジャンジロバ。サウスポー構えのジャンジロバはダブルレッグへ。そのまま小手で回したダーンに再び回してトップのジャンジロバ。下のダーンは鉄槌も背中を着かされる。半身になるダーン。手首を掴んで下から鉄槌。蹴り上げて立つダーン。その立ち際にジャンジロバは左を突く。ジャンジロバのラウンドに。

 3R、ワンツーで飛び込み、ジャンジロバの打ち返しをかわしたダーン。しかしジャンジロバはダブルレッグテイクダウン。ここは立ったダーン。右を振ってシングルレッグからケージに押し込むダーン。左で差してヒザを突く。離れるダーンにシングルレッグから放し際に左を当てるジャンジロバ。

 しかし、ジャンジロバのシングルレッグを切ったダーンが押し込み。自ら放したダーン。ジャンジロバは左を当てるとシングルレッグ。左小手のダーンを左右に振ってテイクダウン! 下のダーンはクローズドガードでヒジを突くが、上のジャンジロバは手数が出ない。ダーンは下から鉄槌連打。蹴り上げは顔面をかすめたが、レフェリーは流す。ダーンが立ち上がりホーン。両者ともに顔を腫らす。ジャンジロバはコーナーを一瞬見失う。ともに決定打は無いが……。

 4R、左右で前に出るダーンに下がりながらも左を突くジャンジロバ。ダーンは左ミドルをヒット。ジャンジロバのシングルレッグを切って右ボディ。ワンツーの右をかすめる。右ローが交錯。右を振って組んだダーンだが、首相撲ヒザはジャンジロバ。ダーンもヒザを返す。ジャンジロバの右カーフにワンツーで前に出るダーン。下がるジャンジロバはケージまでバックステップ。

 ジャンジロバのシングルレッグを切ると右カーフ。ジャンジロバはダブルレッグでこかすが、身体が離れたためかグラウンドに行かず立たせる。逆にダーンがダブルレッグテイクダウン! ハーフのジャンジロバは抱き寄せるとダーンは鉄槌1発。ダーンのラウンドに。

 5R、ともに右目下を腫らす。ジャブから左の蹴りに繋ぐダーン。ジャンジロバは右ストレートを返す。回転で勝負のダーンはバックスピン。その打ち終わりにテイクダウンのジャンジロバだが、座って足を抜いて立つダーン。なおも組んで押し込むが、右小手のダーンはケージ背に単発ながら首相撲ヒザ。

 離れて左を突くダーン。ジャンジロバはワンツーからシングルレッグテイクダウン、すぐに下から鉄槌、ヒジ打つダーン。ジャンジロバはトップからボディにパンチも、ヒザを間に入れたダーン。離れるジャンジロバ。ダーンは下から関節蹴り、ブレーク。

 右前蹴りのダーン、ジャンジロバは左から右を伸ばしてバックフィストもかわしたダーンは右ロー。左から縦ヒジ。ジャンジロバは右目下から出血。最後にダブルレッグテイクダウンはダーン。それを返すジャンジロバに、ダーンもトップを取ってホーン。両者ともに肩車に乗ってガッツポーズ。ダーンのラウンドか。

 テイクダウンはジャンジロバも有効打はダーンのデータ。5Rの判定は下からも動き続けたダーンが判定3-0(48-47×2、49-46)で勝利。新王者となった。

 試合後、ダーンは「最高です。信じられない。A0CC IBJJF世界王者、そして今UFCタイトルを獲得した(女子)唯一の存在になったと思う。だからもっと見せてやる。これはさらなるためのものです」と、ファブリシオ・ヴェウドゥムに続き、柔術世界選手権、ADCC、UFCの三冠を達成したダーンは歓喜。

「正直、前回もそうだったけど、今回はもう少し楽にいくと思ってた。彼女がすごくタフに出てくるのは分かっていた。テイクダウンは取られるだろうとも。でもグラウンドでどう抑え込むか、どうダメージを与えるかを理解し始めたんです。相手が時間稼ぎしてる時と、実際にダメージを与えている時の違いを認識し始めたのが嬉しい。だからグラウンドでかなりダメージを与えられたと思う。あらゆる要素を少しずつ取り入れたと思う。ケージストライキング、グラウンド。十分だったと思う。

 さらにインタビュアーのダニエル・コーミエーから「1R目のジャブでほぼダウンさせた。グラウンドでもダメージを与えられると分かっていたから、わざとテイクダウンを許したように見えたけど、あれは戦略の一部だった?」と問われると「打撃が好調なのは分かっていた。もっと良くなってほしかったけどね。実は1発でKOできるかもって期待してたんだけど、でもつまり、だからこそ打撃を自由に使えると思ったんです。もしグラウンドに持ち込まれても……詳しくは言えないけど、バックを気にする必要はないって確信してたんです」と、ボトムのポジションでも打撃を有効打にしたこと、下でも自信があったことを明かした。

 また、「あなたはいつも『娘の前では負けたことがない』と言っていたね。それが君の原動力だ。今夜のママの活躍を娘さんはきっと誇りに思うよ」と問われると、愛娘のケージインに、ダーンは娘の肩にチャンピオンベルトをかけて、勝利の記念撮影に収まった。

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