キックボクシング
レポート

【DEEP☆KICK】17歳の桃花・シンデレラが4戦目で百花を破り女子初の王者に、保井広輝が無敗の駿希を破り-55kg王座に就く

2025/06/24 18:06

▼第9試合 DEEP☆KICK-70kg契約 3分3R
△近藤大成(キックボクシングジム3K)
ドロー 判定0-1 ※29-29×2、29-30
△榎木友星(ビンチェレあべの)


 近藤3兄弟の長男でありキックボクシングジム3K代表である近藤大成が、11年ぶりのリングで引退試合を迎えた。近藤は2011年にDEEP☆KICKでプロデビューを飾ると、その後はKrushを主戦場に活躍するも2014年の試合を最後にトレーナー業に専念していた。そして昨年、教え子がKrush王者に輝いたことをきっかけにもう1度リングで戦うことを決意し、プロデビューをした場所であるDEEP☆KICKの地で最後の戦いに臨む。


 対する榎木は今回がプロ4戦目ながらも現在連勝中と波に乗っているニューカマー。


 1R、近藤はジャブにローを放ちながらじっくりと出方を伺う。榎木は構えをスイッチしながら前蹴りにハイキック・ストレートと繰り出していく。互いにローで蹴り合う場面も多く、途中からは近藤も構えをスイッチをするなど互いにけん制し合う展開。ラウンド後半には榎木のパンチ連打が目立ち第1Rは終了。


 2R、近藤はローに加えフックにヒザで圧をかける。対する榎木もパンチの踏み込みからのハイキックなど手数を増やしていく。近藤はヒザと前蹴りでボディを狙い、榎木はワンツーとハイで上を狙う、2R終了時点でのオープンスコアは1名が19-19でイーブン、2名が20-19で榎木を支持する。


 最終R、このラウンドが人生最後のラウンドになるだけに近藤はどんどんと圧をかけていきパンチ連打からヒザに繋いでいく。その勢いには確かな気合が見える、ただ榎木も負けていない。パンチに前蹴り・ヒザとこちらもしっかりとヒットを重ねていく。残り時間が1分を過ぎた頃には互いに近距離で打ち合うシーンも増えていくが近藤は最後まで榎木を倒しきることが出来ず試合終了。


 判定は1名が榎木を支持するも2名はイーブン、結果この試合はドローに。11年ぶり、そして最後のリングで近藤は勝利を手にすることは出来なかったが、どこか「やり切った」という表情が見えた。


 その後、近藤大成引退セレモニーが開催。DEEP☆KICK実行委員長・林裕人を始め役員・ファンからの記念品が手渡されると、セコンドに就いていた次男・拳成、三男・魁成よりそれぞれ兄へ一言が送られた。大成がマイクを握ると「僕が選手の時は本当に鳴かず飛ばずでした、地方の公民館で指導者もいないまま兄弟3人で練習して、サンドバックや筋力トレーニングの機械もなくミット1つで練習してきました。それでも腐らず、諦めずやっていれば、このような最高の瞬間があるってことを3Kのメンバーに、そしてDEEP☆KICKの出場者に伝えたいです。若くて勢いのある皆さん、ここからも頑張って、DEEP☆KICKを盛り上げて本当に頑張っていけば、このように人生頑張ってよかったと思える瞬間は絶対に訪れるので、最後までやり切ったと思えるくらいまで頑張って、そしてチャンピオンを目指してください」とDEEP☆KICKに出場する選手たちに熱く語りかけた。


 そして引退の10カウントゴングを聞いた近藤は四方に、そしてファン達に深々と礼をしてリングを去っていった。生涯戦績は17戦7勝(3KO)5敗5分。ラストマッチはドローとなるも気迫のこもった打ち合いを魅せ、ジム生徒たち、そして兄弟達にカッコいい兄貴の背姿を見せた。

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