▼第2部 第7試合 フェザー級キックボクシングワールドGP決勝 3分3R
○ジョルジオ・ペトロシアン(イタリア)
[判定3-0]
×サミー・サナ(フランス)
ONE Super Seriesキックボクシング・フェザー級ワールドGP準決勝では、ジョー・ナナタワットを1R 2分50秒 KOに下している元K-1 WORLD MAX世界王者ペトロシアン。左の打ち終わりに右ジャブを入れて、同じ位置にノーモーションで左ストレートを打ち込むと、後方に崩れ落ちたナタワットは10カウントも立ち上がれず。ペトロシアンは静かに勝ち名乗りを受けていた。
同じくフェザー級ワールドGP準決勝で、ジャバル・アスケロフを判定2-0で下したのはサナ。長身から長い左ミドル、右ロー・ヒザ、右ストレートを武器にアスケロフを完封している。
身長差は12cm、サウスポー構えのペトロシアンにオーソドックス構えのサナ。前手でさっそく距離を掴んだペトロシアンは左ミドルを2発ヒット! しかしサナの右ローはペトロシアンの金的に入ってしまう。
再開。右のテンカオで前に出るサナ。さらに右ミドルも。ペトロシアンは右で距離を掴み、左ミドルを当てるが、サナの右ミドルにペトロシアンがスリップダウンする。
2R、左ミドルを当てるペトロシアン、さらに左奥足ロー!「下がりながらも圧をかけている」(那須川天心)というペトロシアンに対し、サナは右のテンカオ。さらにペトロシアンの前手に左フックをの合わせを狙う
3R、前に出るサナはフェイントかけて右ヒザ、右アッパーも入れて乱戦を狙う。しかしペトロシアンは右に回り込み温存していた左ストレート! あとは距離を制して右回りでワンツー。左ミドルと危険は冒さず。自分は当てて、相手の攻撃はもらわない。GPで勝ち上がった強さを決勝でも披露した。
判定は3-0で、この10年でわずか2敗の“ドクター”ペトロシアンがフェザー級キックボクシングワールドGP優勝。賞金1億円を獲得した。
◆サミー・サナ
「東京の皆さん初めまして。今回、このような大会に出場できて光栄です。世界規模のイベントになる、この大会を愉しみにしています」
◆ジョルジオ・ペトロシアン
「こんばんは、日本に10年ぶりに戻って来れて嬉しいです。この大会に参加できて感動しています。私のキャリアの中でも最高の試合をしたい。ここ日本では思い出深い試合を数多くこなしてきました。ONEという世界最大のプロモーションで戦うことを光栄に思います」
▼第2部 第6試合 ONEヘビー級(※120kg) 5分3R
×マウロ・チェリリ(イタリア)
[判定0-3]
○アルジャン・ブラー(カナダ)
ヘビー級戦では、マウロ・チェリリ(イタリア)とアルジャン・ブラー(カナダ)が対戦する。
フォークスタイルレスリングとも共通性があるというインド相撲のクシュティ王者で、インド系カナダ人初の五輪代表選手であるブラーは、2012年ロンドン五輪フリースタイル120kg級に出場。2010年にインドで行われたコモンウェルスゲームで金メダル、2007年のパンナム大会では銅メダルを獲得している。2014年にプロMMAデビュー後、2017年9月からUFCに参戦し、3勝1敗の戦績をあげたが、インドにMMAを広めるため、UFCとは契約を更新せずにONEに加入した。チェリリとは8月のマニラ大会で対戦予定だったがキャンセルとなり、今回が仕切り直しの一戦となる。
MMA13勝3敗のチェリリは、2018年11月に今大会のメインに登場するブランドン・ヴェラに1R KO負けしたものの、2019年3月にアラン・ンガラニに1R TKO勝ちで復活を遂げており、ONE参戦前の5連勝の頃の勢いを取り戻せるか。
1R、ともにオーソドックス構え。チリリの右にグラつくブラー。しかしブラーはクリンチ。そしてジャブ。チリリもヒザ、オーバーハンドを返す。クリンチアッパーはチリリ。
2R、詰めるチリリ。しかしブラーの指が目に入り中断、再開。左ボディから右フックのコンビネーションはチリリ。ブラーはクリンチから右アッパー、右ロー。互いに手数が減り単発になる。3R、右アッパー、右フックで詰めるブラー。徐々にチリリの顔が腫れるが、チリリも左右で押し返しゴング。
判定は、中盤から圧力をかけコンビネーションを的確に当てたブラーが勝利。
▼第2部 第5試合 女子アトム級(※52.2kg)5分3R
○山口芽生(日本/RIKI GYM、和術慧舟會GODS、Hybrid Fighter、Team Teppen)
[判定3-0]
×ジェニー・ファン(台湾)
V.V Meiは、MMA20勝11敗1分のベテラン。現在3連勝中で、2018年5月のアンジェラ・リー戦後は負けなしの状態だ。今回の対戦相手のジェニー・ファン(台湾)とは2017年6月に対戦しており、Vがリアネイキドチョークで一本勝ちしている。
ともにアンジェラ・リーと対戦しており、V.V Meiは2戦ともに接戦の末の判定負け。ファンは2015年5月のプロデビューから5連勝も、その後はリー、V、ジナ・イニオン、ジヒン・ラズワンを相手に4連敗中。女子アトム級戦線では、女王リーが朝大会でシャオ・ジンナンを挑戦者に迎え、虎の子のアトム級ベルトの防衛戦に臨むため、同日の夜大会でVは、しっかり王座挑戦をアピールしたいところだ。
アンジェラ・リー、シャオ・ジンナン、イステラ・ヌネス、さらに中国のリン・ホーチン、マレーシアのジヒン・ラズワンあたりの台頭も見逃せないアトム級戦線で抜け出すのは誰か。
1R、ともにオーソドックス構え。右ストレートを伸ばす山口にファンも右ローを返す。先にダブルレッグは山口も切るファンに、ここは深追いはしない山口。左を伸ばすファン。ファンの右ローを掴んでテイクダウン、すぐにバックを奪う山口。マウントへ。しかしパウンドの空間で腰を切るファンはガードの中に入れる。右の強いパウンドは山口! さらにボディ打ち。下のファンが手首を掴むと山口はヒジ狙い。下からファンも鉄槌を狙う。
2R、右のスーパーマンパンチを狙うファン。さらに前足に右ロー! その4発目を掴んだ山口はテイクダウン! しかし腰に足をつけたファンは柔術立ちでスタンドに。右ローを当てるファン。さらにワンツーで入る山口の打ち終わりに右を狙う。再びダブルレッグテイクダウンは山口。中腰からパウンド・鉄槌を入れるが柔術立ちするファンは右ローを連打!
3R、ファンのワンツーに右ストレートを入れる山口。しかしファンは右ロー! さらに右ロー。3発目の右ローを掴んだ山口はテイクダウンからハーフで鉄槌。右で脇差しパスガードでサイドへ。ヒザを顔面に入れると、クルスフィックで腕をフックするとパウンドへ。しかし、ファンもエビを打つと腰を切って戻してガードに戻して立ち上がりスタンドに。最後はファンが圧力をかけたところで試合終了。
判定は3-0で、再三テイクダウンからポジションを奪った山口が勝利。試合後、マイクで「判定じゃなくて一本でフィニッシュしたかったんですけど、勝ったことでチャトリ(CEO)さんにお願いがあります。アトム級のチャンピオンに挑戦させてください」と、アンジェラ・リーとの対戦をアピールした。
◆ジェニー・フアン
「こんばんは。今ここにこうして会見でいること、そして東京で戦えることにエキサイトしてとても光栄です。日曜日は最高のコンディションを整えて戦います。前回から非常に厳しい練習をしてきました。いい試合をしたいと思います」
◆山口芽生(V.V Mei)
「この100回大会という大きな大会に出場させていただくことは、私にとってすごく大きな意味のあることです。女子の総合格闘技がまだあまり注目されていない時代から続けてきた選手の心からの気持ちを見せたいです。今回の試合、必ず良い勝ち方をして、ONE女子アトム級のベルトにチャレンジさせてもらうように良い試合を見せたいと思います。
会見に、今まで自分がテレビで見たような選手が並び夢のようで信じれないという気持ちもあります。格闘技を止めずに続けてきた甲斐があったなと感じます。それを、表現する場を作ってくれて嬉しいです。チャトリ代表にも感謝します。
第2部の5試合目ということで、PANCRASEと修斗の王者対決の後で、かなりレベルの高い試合の後なので、その後で女子の試合ということで、チャンピン対決に負けない勢いのある試合をしたいと思います」