MMA
インタビュー

【ONE】3連勝のV.V Mei 「ONEは私の結果に対して正当な評価をしてくれるから、やりがいを感じています」

2019/06/05 23:06
【ONE】3連勝のV.V Mei 「ONEは私の結果に対して正当な評価をしてくれるから、やりがいを感じています」

(C)ONE Championship

5月17日にシンガポールで開催された「ONE: ENTER THE DRAGON」でラウラ・バリンを相手に勝利を収めたV.V Mei。これで、2018年5月にタイトルマッチで判定負けを喫して以来、3連勝(直近2試合は一本勝ち)となった。3度目となるタイトルマッチ挑戦に向け、大きく前進したV.V Meiのインタビューが主催者を通じて届いた。

―─「ONE: ENTER THE DRAGON」では、対戦相手が直前に変更になるというアクシデントがありました(※当初、中国のモォン・ボウと対戦予定だったが、現地空港に着いてからモウの欠場を聞いた)。

「知らせを聞く前から、嫌な予感みたいなのがあって、なんとなく心の準備ができていました。格闘家としての勘かもしれませんね。前にも同じようなことがあったし、あんまり動揺しませんでした。とにかく、試合をさせて欲しいと直談判して、結果的には良かったと思います」

最近のMeiは、試合でもそうだが、こうしたアクシデントでも動じない。どんな相手に対しても慌てずにしっかりと様子をみて、最善策で勝利を収める。また、対戦相手が変更になるなどの不測の事態に関しても、経験から想像力で準備することができる。常に厳しい環境で自分を見失わずに闘ってきたMeiは、動じない。彼女の強さの根源がそういったところにあるような気がした。

―─直前で対戦相手が変わったものの、見事に一本勝ちしました。

「時間はあまりなかったですが、そのなかでしっかりと研究してプランを練りました。概ね予定通りの展開に持ち込めたと思います。フィニッシュは、ケースバイケースなのでたまたまアームバーでしたが、そこに持ち込むまでの組み立てが重要ですね」

3連勝したんだから(王座戦を)やらせてよって思います

―─ONE Championshipという厳しい闘いのなかで、Mei選手はどんどん強くなっていると思います。その努力をするモチベーションは、どこにありますか。

「もちろん、タイトルを獲りたいという気持ちもありますが、格闘技が好きでずっと続けてきたし、ONEは私の結果に対して正当な評価をしてくれます。だから、やりがいを感じています」

―─ONEは、Mei選手にとって、とてもしっくり来る舞台に見えます。輝ける場所であるONEに対して愛着などもありますか。

「素直に感謝しています。もちろん、良いことばかりではないけれど、自分が格闘技に取り組む場所として、良い環境だなと思っていますし、愛着もありますよ」

―─さて、3連勝してタイトルマッチの機運が高まってきました。

「3連勝したんだから、やらせてよって思っています。普通に考えたら、アンジェラ・リーに挑戦するかたちになると思いますが、そうじゃなくても私は構いません。誰が相手でもONE女子アトム級のタイトルを獲りたいです」

Meiにインタビューするとき、アンジェラ・リーという名前が必ず登場する。同じ階級の王者であり、Meiが2度タイトルマッチで挑戦して、2度敗れた相手でもある。そして、リーから見れば、唯一KOできなかった相手がMeiだ。Meiがリーを批判することはない。しかし、Meiが彼女について語る時、言葉の隅々からバチバチの火花が散り、彼女の内面で燃える炎を感じる。

成功も苦労もして欲しい。この世界は、甘くない

―─最近は、日本人の若手選手も次々とONEに参戦しています。女子選手も増えていくと思いますが、どう考えていますか。

「もちろん成功して欲しいですけど、苦労もして欲しいです。若いときから良いことばかりが続くと、いざ苦労が回ってきたときに対処できなくなる。そのためには、本人や指導者も勉強が必要だし、経験が大切です。そして、この世界は、甘くない」

Meiは、幼い頃から苦労を重ねつつも、自分が好きな格闘技を追求して生きてきた。格闘家になったあとも、国内でコツコツと実績を重ね、3年前にようやくONEにたどり着いた。その後も、タイトルマッチで敗れても、心を折らさずに再び歩き続け、そして今、また3連勝で王者の前に立とうとしている。苦労を重ね、時に遠回りをしてきたからこそ、彼女の発言には深みがある。

―─10月には日本大会もあります。

「11月にはシンガポール大会もありますね。でも、次戦がそこでは遠いので、夏に1度試合がしたいです。それがタイトルマッチになったとしても、大丈夫なように準備するのみです」

タイトルマッチを勝てば王者になることができる。しかし、それだけでは手に入らないものもある。それが、風格だ。どんな相手や状況にも動じず、周りの状況に左右されず、常に地に足を付けて生きている彼女には、すでにそれが備わっている。

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