キックボクシング
レポート

【RISE】那須川天心が世界トーナメント制覇、試合後に「待ってます」。白鳥大珠は梅野源治を初回KOして優勝

2019/09/16 15:09

▼第10試合 SuperFight! -54kg 3分3R延長1R
〇鈴木真彦(日本/山口道場/第7代RISEバンタム級王者)
延長R 判定3-0 ※10-9×3
×田丸 辰(日本/平井道場/初代RISEスーパーフライ級王者)
※本戦の判定は29-29、29-30、29-29。


 鈴木は軽量級離れしたパンチ力と卓越したテクニックで、昨年11月の両国国技館大会でトーナメントを制して那須川天心が返上したバンタム級のベルトを獲得。今年になってもその快進撃は続き、7月の大阪大会でもWKN世界王者をKO。2015年の『BLADE FC JAPAN CUP -55kgトーナメント』で那須川に敗れて以降、連勝記録を重ね4年間無敗、16連勝という驚異の記録を打ち立てている。

 一方、田丸は昨年11月の後楽園大会で金子梓とのプロ無敗対決を制し、初代RISEスーパーフライ級のベルトを獲得。今年5月には政所仁を破り初防衛にも成功している。卓越したボクシングテクニックとディフェンスに加え、片手で倒立してのハイキック=センチャイキックでダウンを奪うなどの業師ぶりも発揮し、こちらはプロ10戦全勝と無敗の17歳。


 1R、サウスポーの田丸が開始すぐに左ストレートを直撃させて鈴木を後退させる。すぐに前へ出てきた鈴木がスピードのあるパンチを繰り出し、右ストレートをヒット。鈴木は詰めて連打を繰り出すが、田丸はそれをかわして一発入れるとさっとその場から離れる。

 2R、接近戦を挑んでくる鈴木に田丸は細かくパンチを当て、ロープを背負った田丸に鈴木がボディを連打。田丸は前に出てくる鈴木にパンチを合わせ、鈴木がロープに詰めてくるとパンチをかわして離れる。鈴木が詰める→田丸がパンチをかわしてクリンチという展開が続く。


 3R、鈴木が前へ詰めてパンチを打つが田丸はかわしていく。インロー、ジャブを当てて鈴木のパンチをかわすというアウトボクシングに徹する田丸。鈴木はボディへのヒザを使い始める。追いかける鈴木、かわして打つ田丸。鈴木のヒザが顔面を捉える場面も。鈴木はどんどん前へ出てヒザからパンチにつなぐ。田丸は動き続ける。

 本戦はジャッジ1名が田丸を支持したがドローに。延長戦へ突入する。


 鈴木はローを蹴ってパンチにつなぎ、田丸はパンチを当ててさっと回り込む。ロープに詰めた鈴木が右ストレートをヒット。田丸は足を止めて打ち合う場面もあるが、鈴木の右アッパーがヒットする。どんどん前へ詰める鈴木のパンチが当たり始め、ヒザ蹴りも突き刺す。田丸もパンチを返すが、スピードが明らかに鈍っている。鈴木が右の連打で田丸にロープを背負わせて試合終了。

 判定は3-0で鈴木。ハイレベルな王者対決を制し、田丸に11戦目にして黒星を付けた。鈴木はマイクを持つと「僕がバンタム級の王者で田丸君がスーパーフライ級の王者でほんまやったらこんな戦いはないんですが、田丸選手がやりたいと言ってくれたのでお客さんも盛り上がったと思うし感謝しています。そしてバンタム級王者として今日みたいな試合は2度としない。これから全部KOで、RISEには那須川天心選手だけじゃないところを見せていくので応援してください」とアピールした。

▼第9試合 RISE WORLD SERIES -61.5kg 3分3R・延長1R
×チャンヒョン・リー(韓国/RAON/第5代RISEスーパーフェザー級王者)
判定0-3 ※28-30、27-30、27-30
〇原口健飛(日本/FASCINATE FIGHT TEAM/Road to RIZIN KICK Tournament優勝)


 快進撃を続ける原口が、RISEスーパーフェザー級王者チャンヒョン・リーとノンタイトル戦で激突。

 原口は幼少期から空手を学び、17歳でプロボクシングデビューすると2016年西日本新人王戦で準決勝まで勝ち上がった。2017年にキックボクシングに転向するとデビュー2戦目でACCELフェザー級王座を奪取。


 3月のRISE WORLD SERIESではミゲール・マルティネスを三日月蹴りで秒殺KO、5月のRISE後楽園大会ではRISEライト級2位・北井智大をもワンサイドで破り、7月のRISE WORLD SERIESでは梅野源治を苦しめたル・ジュン(中国)を1R1分7秒、三日月蹴りからの右フックで仕留めている。

 対するリーは“韓国の鉄拳”と呼ばれる強打で日本人トップファイターを次々と撃破。2017年11月にRISEスーパーフェザー級王座を奪取し、『KNOCK OUT』のヒジ打ちありルールのアジアトーナメントに出場すると、決勝でヨードレックペットに敗れるも準優勝を果たした。RISE WORLD SERIES -61kgトーナメントでは1回戦で裕樹に勝利したが、準決勝で梅野源治に敗れてトーナメントからは脱落している。


 1R、サウスポーの原口は右へ回り込みながら左の蹴りを放つ。リーは前へ出ていくが原口を捉えることができない。

 2R、原口は序盤に飛びヒザを2度放つ。ジャブと前蹴りで距離を取る原口にリーは圧力をかけて間合いを詰めていくが、やはり原口をとらえきれない。原口の逆ワンツーがヒットしする場面が目立つ。


 3R序盤、パンチの打ち合いとなって原口の左ストレート、左フックがヒット。しかしリーは下がらない。前に出るリーに原口は良く伸びる左ストレート。コーナーへ詰めてくるリーのパンチをかわし、自分のパンチを当てていく。さらに飛びヒザ蹴りのカウンターから左ストレート。絶妙のディフェンスでリーのパンチをかわし、自分の攻撃を当てていった原口が判定でリーから完封勝利を収めた。


 原口はマイクを持つと「めちゃめちゃ怖くて裏でも足震えて泣きそうやったんですけれど、宣言通り勝ててよかったです。日本人でここまで完封したのは僕だけやと思うので、どんどん強い人とやらせてください」と、さらなる強敵を求めた。

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