▼第10試合 バンタム級ムエタイ 3分3R
〇ナビル・アナン(アルジェリア/タイ)
[判定3-0]
×ソー・リン・ウー(ミャンマー)
アナンはテコンドー、空手(いずれも黒帯)を経てムエタイを始め、パタヤの地方スタジアムで経験を積んで2017年からルンピニーとラジャダムナンのメジャースタジアムに進出。2022年5月にはWBCムエタイ世界フェザー級王座に就いた。RWS出場を経て、2023年6月にONE初出場にしてスーパーレックと対戦したが初回KOで敗れている。
しかし、9月にはナックロップを右クロスでKO、12月には元ルンピニースタジアム認定ライトフライ級王者の“エルボーゾンビ”ことムアンタイを判定で破り、2024年7月にはクラップダムをヒザ蹴りでKOしてみせた。8月には本戦出場でフェリペ・ロボにも判定勝ちで4連勝の快進撃。また、2020年8月にはラウェイにも挑戦して勝利している。192㎝という規格外の長身で、戦績は36勝5敗1分。
ウーはラウェイの選手で2010年ゴールデンベルト60kg級王者。驚異的な打たれ強さから“マン・オブ・スティール”“アイアンマン”というニックネームが付けられた。2019年12月にはラウェイの試合でパコーンを頭突きでKOしている。ラウェイ戦績は71勝(68KO)3敗52分。ONEには2024年2月に初参戦すると津橋雅祥にTKO勝ち、3月にファビオ・レイスにも左ストレートでKO勝ち、7月にはルンピニー2階級制覇のポンシリをもKOして3連勝中。
1R、前に出るのはウー。アナンは軽々と右ハイを蹴る。長いジャブを突くアナンは右ローも。アナンが左ハイをヒットさせると、ウーは組みつく。さらに左手で後頭部を抑えながらの左ヒザを突き上げるアナン。長いジャブにウーはなかなか入れない。上から振り下ろすヒジ、天を突くヒザとアナンの一方的なペース。アナンの左ボディが突き刺さると、ウーは苦痛に顔を歪める。
2R、アナンはさっそくヒザ、ヒジ。右ヒザを上げながら前へ出てアッパーも打つアナンは、ウーが前へ来ると左右のヒジを横に振る。ヒジ、つかむとヒザ。離れるとジャブ。アナンのヒザが何度も顔面を捉え、さらに左ボディも突き刺す。ジャブからすぐにヒザが上がってくるため、ウーは全く近付けない。
3Rはアナンが左ミドル、前蹴りと蹴りを多用。顔面への前蹴り、左ハイでウーを翻弄し、ヒザも突き刺す。ジャブ、左ミドルでウーを近づけさせないアナンはヒザを突き刺して左ハイ。面白いように左ミドルとジャブ、前蹴り、ヒザを当てていくアナン。最後まで前へ出ていったウーだが、ほとんど攻撃を当てることが出来ずアナンの完封勝利となった。