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2024年7月28日(日)『超RIZIN.3』(さいたまスーパーアリーナ)のリング上で、パッキャオ戦を負傷欠場したRIZINフェザー級王者・鈴木千裕(クロスポイント吉祥寺)が、パトリシオ・"ピットブル"・フレイレ(ブラジル)との大晦日王座戦をアピールした件について、大会後、榊原信行CEOが、今後のフェザー級戦線とともに語った。
朝倉未来vs.平本蓮のメインイベントも生観戦した鈴木は、第8試合前にリングに上がり、「どうしても戦いたい相手がいて、大晦日でピットブルともう一回、今度はBellatorのベルトを懸けてやりたくてここに来た」と、現Bellator世界フェザー級王者のベルトへの挑戦となる再戦をアピール。
両者は、2023年7月に欠場者があった同大会で「70kg契約」で緊急対戦し、鈴木が初回KO勝ち。その後、両者ともに再戦を望んでいた。
大会後、榊原信行CEOは、大晦日にBellator日本大会のRIZINパートで、鈴木とパトリシオとのマッチアップを実現させたい意向を示した。
しかし、フェザー級では6月にフアン・アーチュレッタに初回一本勝ちしたクレベル・コイケがコンテンダーに名乗りを挙げ、鈴木もその場で対戦を承諾したばかり。
また、この日、元王者の斎藤裕にKO勝ちした久保優太も王座挑戦者決定戦をアピールしており、RIZIN王者の鈴木が、Bellator王座に挑戦することで、RIZINフェザー級タイトル戦線の停滞も危惧される。
そのことについて問われた榊原CEOは、「Bellatorとどうするか。千裕の中では、ピットブルとのリマッチというのが優先順位になっている。クレベルvs.久保で挑戦者決定戦? 現時点ではノーアイディアです」と語る。
RIZIN王座の第一コンテンダーはクレベルだと言う。
「いまのままなら順当はクレベル。未来がああいう形で負けたけど、平本のタイトル戦線は少し早い。久保が斎藤に勝ったからといって、あまり調子に乗る話でもない。またクレベルからすれば、久保が斎藤に勝ったからって、『俺と久保が挑戦者決定戦をするの?』って思うでしょうし。そうなるとクレベルとの王座戦は年明けになる。そこまでクレベルが試合をしないというのもないので、全体的な興行論も含めて千裕、クレベル、Bellatorと話をして、早いタイミングで決めて行きたい」とした。
しかし、この鈴木の発言に怒りをあらわにしたのは、クレベル・コイケだ。
6月にアーチュレッタを1R、ヒールフックで極めたクレベルイは、リング上から放送席の鈴木に「千裕、いつできるよ?」と呼びかけ、鈴木もエプロンに駆け上がり、「逃げない。いつでもOK」と次期挑戦者と認めていた。
28日の『超RIZIN.3』後、鈴木のパトリシオ“ピットブル”戦アピールを見たクレベルは、Xで「前に私と闘うと言った。でも彼は私から逃げた。彼は全然男じゃないな」と、自身の挑戦から逃げたと批判している。
前に私と闘うと言った。
でも彼は私から逃げた。
彼は全然男じゃないな。@rizin_PR pic.twitter.com/nUXWQX6RLS— kleber koike (@KoikeKleber) July 28, 2024
クレベルと鈴木は、2023年6月の『RIZIN.43』で対戦。当時の王者クレベルが400gの体重超過で王座剥奪された後に試合を行い、クレベルが1Rに鈴木を腕十字で極めたものの、規定により試合はノーコンテストとなっていた。
年末に鈴木vs.パトリシオとなると、クレベルは年明けまで待つのか、同級では前王者のヴガール・ケラモフがアゼルバイジャンでの拘留が解かれれば、出国・来日が可能となるのか。
また、鈴木に敗れた金原正徳の復帰戦、ビクター・コレスニック、ラジャブアリ・シェイドゥラエフ、カルシャガ・ダウトベック、イルホム・ノジモフら海外勢の台頭、そしてこの日、勝利した久保優太、摩嶋一整、平本蓮。9月29日(日)『RIZIN.48』(さいたまスーパーアリーナ)では高木凌vs.萩原京平も発表された。そして、平本に敗れた朝倉未来は宣言通り、引退となるのか。
群雄割拠のフェザー級の王座戦線はどうなるか。目が離せない状況だ。