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【超RIZIN】平本蓮が朝倉未来を1R TKO! 安保がパッキャオに善戦も判定無しドロー、久保が斎藤を三日月蹴りKO、扇久保が神龍下す、所がヒロヤをKO! 芦澤が皇治に判定勝ち、ドッドソンが征矢からダウン奪う判定勝ち、RENAがケイトにTKO勝ち、YA-MANが鈴木を初回KO、エマリーが鼻折るKO勝ち、摩嶋が一本勝ち

2024/07/28 13:07
Yogibo presents 超RIZIN.3 試合リポート2024年7月28日(日)さいたまスーパーアリーナ 観衆48,117人(満員) ▼第11試合 RIZINフェザー級(66kg)5分5R×朝倉未来(ジャパントップチーム)65.90kg【1R 2分18秒 TKO】〇平本 蓮(剛毅會)66.00kg 朝倉未来は、フルコンタクト空手・相撲がベース。『THE OUTSIDER』を経て、DEEP、ROAD FC等で活躍し、2018年8月にRIZIN初参戦。7連勝をマークするも、2020年11月のRIZIN初代フェザー級王座決定戦で斎藤裕に判定負けで戴冠ならず。2020年大晦日の弥益ドミネーター聡志戦で1R TKO勝ちで復活するも、2021年6月にクレベル・コイケに一本負け。2021年10月に萩原京平に、12月に斎藤裕にいずれも判定勝ちで2連勝。 2022年9月にフロイド・メイウェザー・ジュニアとボクシングルールで戦い、2R TKO負け。2023年4月、1年5カ月ぶりのMMA復帰戦で牛久絢太郎に判定勝ちも7月にヴガール・ケラモフに敗れ戦績を18勝4敗とした。11月19日はオープンフィンガーグローブ着用のキックボクシングでYA-MANと対戦し、1R1分17秒でKO負けを喫している。32歳。 平本は、K-1でゴンナパー・ウィラサクレックにKO勝ちするなど活躍後、2020年大晦日にRIZINデビュー。萩原京平、鈴木千裕に敗れるも、2022年7月に鈴木博昭にスプリット判定で勝利し、同年11月に弥益ドミネーター聡志に70kg契約で判定勝利し、MMA2連勝をマークした。2023年4月、MMAキャリア5戦目にしてキャリア29戦の斎藤に挑み善戦するも判定2-1で敗れた。大晦日にはYA-MANと対戦し、判定勝利を収めている。26歳。  先に平本が入場、続いて朝倉が入場。花道を小走りに駆けてリングイン。リングを一周してカメラに向かって手拳銃を打ち抜いた。 「ラストマン・スタンディング・タイトルマッチ」として特別なベルトがかかる5分5R。朝倉はこの試合に負けたら「引退する」と明言している。  通常5分3Rのトータルマストの判定のRIZINだが、この試合は、各ラウンド10点方式による採点で優劣をつけ、3Rまでに決着がつかなければそこまでのスコアをオープン。そして5R終了時にスコアが同点だった場合、トータルで優劣をつけ、どちらか一方を支持するマスト方式で勝者を決める。  1R、サウスポー構えになる平本。朝倉もサウスポー構え。先に左ミドルは朝倉。左ローの平本に朝倉は左ローを返す。腰を落とした構えになる平本。左ストレートを突く。右ジャブのダブルを見せて左ローの平本に右ローを打つ朝倉。朝倉の左ローを後ろ足を少し抜いて、右足も引いて空振りさせた平本。  平本は一瞬、右に頭を下げたフェイントから左にステップインして、右ジャブを突く。それを左にかわしながら得意の右前手のフックを振った朝倉。それを見切った平本は朝倉の右に左ストレートを合わせて打ち抜いて効かせる。  クリンチ気味に手を伸ばしてきた朝倉はコンパクトな左右で剥がし、圧力をかけたところに不用意に出してきた、またも朝倉の右に今度は左フック打ち込み、ダウンさせて両手を着かせると、サイドバック気味に左手で朝倉の腰を抱きながら右の拳を連打、身体が伸びた朝倉を見て、レフェリーが間に入った。  左目を少し腫らし、右頬が切れた朝倉は、ロープを背に座り込み茫然。セコンドからの説明を受けたか。歓喜の平本は、朝倉のもとに駆け寄り「本当にこの試合のためにマジでやってきたんで、本当にありがとうございました」と伝えると、朝倉はうなずき、しばらくしてから腰を上げ、観客席に向かって手を合わせて1人で歩いて退場した。  一方、リング上の平本は試合後、「すいません、いつも喋ることを考えているんですけど、今日は考えてなくて。とにかく朝倉未来、ありがとう。そして辞めないでください。朝倉未来がいたから情熱を持ってやってこれたし、自分を見つめ直したし、何も言うことはないです。勝てて嬉しいです」と挨拶。  リングサイドの鈴木千裕を見つけると、中指を立てて挑発。怒りの鈴木がペットボトルを投げつけると、平本も投げ返し、さらに鈴木が投げるという事態に。  解説席のフェザー級王者の鈴木千裕は「“なんちゃってベルト”が一番お似合いじゃないですか。やりたければ勝ち上がればおのずとやるんじゃないですか」と答えた。 [nextpage] ▼第10試合 RIZINスタンディングバウト特別ルール 69.0kg契約 3分3R△マニー・パッキャオ(フィリピン)68.05kg[判定無しドロー]△安保瑠輝也(MFL team CLUB es)68.75kg パッキャオはプロボクシングのレジェンドで、フライ級、スーパーバンタム級、スーパーフェザー級、ライト級、ウェルター級、スーパーウェルター級の6階級制覇を成し遂げた。戦績は62勝(39KO)8敗2分。2020年8月に42歳で現役を引退したが、2022年12月には韓国のYouTuberとエキシビションマッチを行って判定勝ちしている。2022年大晦日にRIZINに来日し、リング上から近い将来RIZINに参戦することを表明していた。当初は鈴木千裕との対戦が決まっていたが、鈴木の負傷欠場で安保と拳を交えることに。45歳。 安保は2019年6月、ゲーオ・ウィラサクレックを延長戦の末に判定で破り、第4代K-1 WORLD GPスーパー・ライト級王座に就いた。12月にはゲーオとの再戦で延長戦の末に判定勝ちして防衛に成功。2020年3月にはわずか3カ月のスパンで2度目の防衛戦に臨み、不可思を判定に下している。しかし、9月の3度目の防衛戦で山崎秀晃に初回KOで敗れて王座を失った。2021年7月大会からウェルター級に階級を上げ、9月の「K-1 WORLD GP第2代ウェルター級王座決定トーナメント」で決勝へ進出したが、野杁正明にKOで敗れた。 2022年6月の『THE MATCH 2022』でRISEスーパーライト級王者の山田洸誓に勝利するとしばらく試合から離れていたが、今年2月の『BreakingDown』で元K-1ヘビー級ファイターのシリル・アビディと対戦し、KO勝ちすると、5月にRIZINでブアカーオとドロー。9月には宇佐美正パトリックに判定勝ち。戦績は26勝(14KO)5敗1分。大晦日にはMMAデビューを果たしたが、久保優太のリアネイキドチョークに敗れた。2024年は6月のBreakingDown 12にてスダリオ剛との無差別級戦を制した。6月には来日した前UFC世界ミドル級王者のショーン・ストリックランドと体格差を越えた壮絶ボクシングスパーリングを敢行している。28歳。  3分3R戦。判定は無し。ヒジやヒザ、バックフィストは禁止。当日戻し体重リミットは無し。安保の当日の体重は76kgだという。  1R、サウスポー構えのパッキャオ。オーソの安保は左ジャブのダブルから長い右を肩口に当てる。右ジャブで押し戻すパッキャオ。安保は右を振るがかわしたパッキャオの入りに右アッパーは空を斬る。左ボディのパッキャオ。安保は前手の左フックを突くが当たらず。パッキャオの右をかわす安保。さらに右から左に、安保も左を側頭部に当てる。安保のラウンドに。  2R、グローブを叩いて気合を入れたパッキャオ。長い左ジャブを突く安保。パッキャオの右で安保は鼻血。さらに左右フックもパッキャオは右に抜ける。左ジャブから左フック、ワンツーの右を伸ばす安保。スウェイしているパッキャオは左から右ストレート、アッパー。  左ジャブから右ボディストレートの安保。その左をかわして左を突くパッキャオ。右を突いて、安保の右の打ち返しはダックでかわすパッキャオ。ワンツーのフックは安保もガード。最後は見合ってゴング。手数が少ないパッキャオ。  3R、左ジャブで間合いを詰める安保。パッキャオの左ボディに退かずに左フックを振って笑顔で前に出る安保。互いの右が交錯。ヒジだとパッキャオは抗議。再開。左をかすめる安保。右から左でパッキャオの身体を揺らすと、パッキャオは安保の入りに左アッパー! 左フックも安保もクリーンヒットは許さず。ガード固めて左フックの打ち返し。  試合終了のゴングと同時に両者はハグ。精彩を欠いたパッキャオの動きに対し、集中してボクシングに取り組んだ安保のコンディションの良さが際立った試合の判定は無くドローとなった。  試合後、安保は、「倒すつもりでやってきたんですけど、伝説だけあって無茶苦茶やりにくかったし、よくこの体格差でやるなと。今回、鈴木(千裕)選手に代わってやらせてもらって、こうして受け入れてもらえてあたたかな応援をいただけて嬉しく思います。これからも俺なりのやり方で盛り上げていきます」とコメント。  パッキャオは、「コンバンハ、日本のファン、ありがとうございます。榊原さん、この機会を与えていただきありがとうございます。安保はとても強く、ボクシングの経験が無いなか、今後唯一の人になると思います。おめでとう。フィリピンのファンの人たちありがとうございました。サンキュー、ジャパン。安保、ボクシングやればいいのに」と安保を称えた。  そこにライアン・ガルシアがリングイン。「名前は…安保? おめでとう。俺は日本で戦いたい。安保、それともマニーのどちらかと戦いたい」とRIZIN参戦をアピール。そこに木村ミノルがリング下でアピールも、安保がマイクを持ち、「ドーピングした者同士やれ、帰れ」と一蹴。ガルシアは「3Rで安保をKO出来る」とあらためてアピール。安保は「レッツファイト!」と答えた。 [nextpage] ▼第9試合 フェザー級(66.0kg)5分3R×斎藤 裕(パラエストラ小岩)66.00kg[2R 4分19秒 KO] ※左三日月蹴り〇久保優太(PURGE TOKYO/BRAVE)65.95kg  斎藤は、第10代修斗世界フェザー級王者として、2020年8月にRIZIN初参戦。摩嶋一整を2R TKOに下すと、同年11月に朝倉未来に判定勝ちでRIZINフェザー級初代王者に。2021年6月にはヴガール・ケラモフもスプリット判定で下し、4連勝。  しかし2021年10月の牛久絢太郎戦で跳びヒザ蹴りを受けたカットによりドクターストップで王座陥落。同年12月の朝倉未来との再戦で判定負けすると、2022年4月に牛久と王座を賭けて再戦。判定負けで王座奪還ならず、3連敗を喫した。2023年4月に平本蓮にスプリット判定勝ちで再起を果たしたが、大晦日のクレベル・コイケ戦ではダースチョークで敗れた。戦績は21勝8敗2分。 久保は、初代K-1 WORLD GPウェルター級王者で、GLORYフェザー級2013世界王者。2021年9月のMMAデビュー戦で太田忍に判定負け後、シバター戦の騒動を経て、2022年11月に奥田啓介に1R TKO勝ち。2023年6月に木下カラテにスプリット判定勝ち。大晦日にMMAデビュー戦の安保瑠輝也を1R リアネイキドチョークで極めると、2024年3月には高橋遼伍にスプリット判定勝ちで番狂わせを起こした。戦績は4勝1敗。  1R、サウスポー構えの久保はミドルから。オーソドックス構えの斎藤は左関節蹴りを見せる。斎藤の入りのフェイントにバックステップの久保。左ミドルハイを打つ久保。斎藤の入りを切る。左外足を取る齋藤。久保はキャッチされにくい左ミドルハイ。さらに左ミドル。  斎藤はダブルレッグからシングルレッグに移行し、引き出すが、コーナーに戻る久保。左で差してダブルレッグに入る斎藤を差し上げる久保は右ヒザ。右で小手に巻く久保。ブレーク。  久保の左の蹴りに斎藤の右がヒット! 入ってきたところに久保も右フックをヒット! 一瞬腰を落とした斎藤は前に出る。久保は斎藤の組みを剥がして首相撲を活かして投げ! すぐに立ち上がる斎藤。  2R、左ミドルハイの久保。斎藤は組みも切る久保。今度は斎藤が組みのフェイントで右を刺す。左足を上げてフェイントの久保。左ミドルをガード上に当てる。斎藤の入りに左の蹴りを合わせに行く久保。斎藤は入り辛くなる。  左前手ジャブ、右のシングルレッグに左の蹴りを合わせに行く久保! 久保はノーガードで詰めて左ミドルハイを2発。斎藤は左ミドルの打ち終わりに組みに行くが突き放す久保。シングルレッグの斎藤を切る久保は、前に詰めて左の蹴り。そこにダブルレッグテイクダウンの斎藤だが、尻を着きながら立つ久保。  立ち際に斎藤の腹にヒザを効かせる久保! 苦い表情で離れた斎藤をコーナーに詰める久保は、みぞおちに左三日月蹴り! 間を置いて斎藤はくの字になってダウン! そこに久保が左の蹴りで入ったところでレフェリーが間に入った。  斎藤の右ストレート、シングルレッグを切った久保は、サウスポーの強みを活かした抜群の距離感でジャブ、左ミドル、首相撲ヒザを効かせての左三日月蹴りで斎藤をTKO。見事にフェザー級トップ戦線に名乗りを挙げた。  試合後、久保は「まず僕は例の名前を出してはいけないYouTuberさんとのことで皆さんを失望させてしまって、元GLORYチャンピオン、立ち技最強が地に落ちてしまった。でもこうして4連勝して、元王者と試合できて、立ち技天才でここまで強くなって──ここは謙虚にすべきでしょうけど、今日くらい調子に乗らせてください。思い出したことがあります。今回の試合でフェザー級の5位くらいにはなれたと思います。チャンピオンになりたいです。榊原CEO、ぜひ近々、タイトルマッチを。最悪、挑戦者決定戦でもいいです。ご検討お願いします。YA-MAN選手もそうですが、愛の力は強いですね。なんちゃって」と語った。 [nextpage] ▼第8試合 RIZINフライ級(57.0kg)5分3R〇扇久保博正(THE BLACKBELT JAPAN)56.95kg[判定3-0]×神龍 誠(神龍ワールドジム)56.95kg レフェリー:福田正人 ジャッジ: 松宮智生/赤・扇久保 [D 0-0/ A 0-0/ G 20-0] 橋本 貴/赤・扇久保 [D 0-0/ A 0-0/ G 20-0] 石川喬也/赤・扇久保 [D 0-0/ A 0-0/ G 20-0]  扇久保は、2012年に修斗世界フェザー級王座を獲得。2013年に堀口恭司に敗れ王座陥落も、2014年の「VTJフライ級トーナメント」で優勝。2016年4月には修斗世界フライ級王座を奪取して二階級制覇を達成した。2016年7月から『TUF』に参加するも準優勝。2019年7月からRIZINに参戦した。  2020年8月の「RIZINバンタム級王座決定戦」では朝倉海に敗れ戴冠ならずも、2021年のRIZINバンタム級JAPAN GPの決勝で朝倉海を破り優勝。その後はキム・スーチョル、堀口恭司、フアン・アーチュレッタに3連敗を喫したが、2023年大晦日で元UFCのジョン・ドッドソンを破って復活した。 神龍は、レスリング、ムエタイ、柔術を学びアマチュア大会にも出場。中学卒業後の2016年4月にパンクラスでプロデビューした。2019年6月にDEEP史上最年少の18歳でDEEPフライ級王者となり、2022年11月にはCFFCフライ級王座も獲得して二冠王に。RIZINには2019年12月から参戦、2023年7月の無効試合となった堀口恭司との12月の再戦まで10連勝を飾っていた。2024年4月、イ・ジョンヒョンを肩固めで破り再起。レスリングベースで高い身体能力を持ち、ギロチンチョーク、ニンジャチョークなどのがぶりからの首系の極めを持つ。戦績は17勝2敗1分1無効試合。  かつてのパラエストラ千葉ネットワークの師弟対決となる。  1R、サウスポー構えの神龍に、オーソの扇久保は左ロー。さらに2発目の左ローに合わせてシングルレッグから持ち上げてテイクダウン! 足を戻そうとする扇久保にハーフで押さえ込もうとする神龍。  扇久保はすぐにフルガードに戻すと、神龍はインサイドから鉄槌。中腰でパウンドする神龍に、下からもこつこつ突く扇久保は、神龍のふりかぶりに足を入れて立ち上がり。  スタンド。右の三日月蹴りの扇久保。神龍は右の関節蹴り狙い。扇久保は取られた左ローを躊躇せずに蹴って当てる。さらに右インロー。神龍の足が流れる。オーソからの左ローを前足に当てる扇久保。  ノーモーションの左ストレートを突く神龍。しかしすぐに扇久保も左ストレート。ニータップ気味の組みは切る扇久保は、ボディロック。両脇を差された神龍が反り投げを狙うが、それを潰した扇久保が上でゴング。  2R、右ジャブの神龍に左ロー右ローは扇久保。神龍は右から左で詰めるが、そこに右を狙う扇久保の頭が当たり、扇久保がテイクダウンも神龍が左瞼を切る。試合ストップで神龍の止血に。  再開。ワンツーの右を振る扇久保は右から左。ブロッキングの神龍。右ジャブの神龍! ニータップで組むが、さばく扇久保が左ロー。中に入るが、そこにシングルレッグの扇久保は受け止めて体を入れ替え、右から左フック! さらに右インロー! そこに左ストレートを狙う神龍の前進にボディ打ちを当てる扇久保。さらにオーソから左ローを当てる。  右から左を突く扇久保。さらに前足にロー。神龍は右ジャブ。飛び込んでスーパーマンパンチも、その着地に扇久保は右! 左ローを当てると、その蹴り足を掴んだ神龍がテイクダウン狙いも扇久保はヒザ立ちで防ぎゴング。  3R、先に左ローは扇久保。右腿を腫れさせた神龍は右ジャブからシングルレッグテイクダウン! ギロチンチョークを合わせた扇久保だが、首を抜く神龍。扇久保のクローズドガードの中で細かいポアウンドの神龍。扇久保は腰に足当てて蹴り上げで突き放そうとするが、ここは押さえ込む神龍。ガードの中に入っていくが、扇久保は2度目の蹴り上げで神龍を突き放して立ち上がり。  すぐに組んだ扇久保は両脇を差して引き出そうとするが、四つに戻す神龍。そこで扇久保は離して左右を振って右の蹴りまで繋げてゴング。  両者、視線は合わせるも手は合わせず、ハグもかわせず。テイクダウンの神龍と立ち上がり喧嘩四つから巧みにローキックを当ててハイにも繋げた扇久保。  クロスゲームとなった判定は3-0で扇久保が勝利。両セコンドとはハグをかわした2人は、最後にリング中央で交錯も、互いにすれ違い。言葉はかわさなかった。 [nextpage] ▼第7試合 59.0kg契約 5分3R〇所 英男(リバーサルジム武蔵小杉 所プラス)58.90kg[1R 3分20秒 TKO] ※右ストレート→パウンド×ヒロヤ(JAPAN TOP TEAM)59.00kg  所はタイタンファイトを経て2001年にプロデビュー。2005年9月のHERO'Sで当時無敵を誇っていたアレッシャンドリ・フランカ・ノゲイラにTKO勝ちして一躍名を挙げた。多くの強豪選手たちと対戦し、2011年7月にはDREAMバンタム級日本トーナメントで優勝。2012年12月には佐藤ルミナにKO勝ち。2015年3月にはBellatorにも参戦した。  RIZINには2015年12月から参戦し、才賀紀左衛門、山本アーセン、太田忍には勝利も、クロン・グレイシー、堀口恭司、神龍誠、ジョン・ドッドソン、アラン“ヒロ”ヤマニハには敗れている。今回は2023年10月のヤマニハ戦以来の試合。 ヒロヤは、DEEPを主戦場に、2021年10月からは4勝1敗と好戦績を挙げるも、2023年5月のDEEPで安谷屋智弘に判定負け。7月のRIZINで伊藤裕樹に、10月に中村優作にいずれもフライ級より1kg重い58kg契約で判定負けで3連敗。しかし、大晦日に修斗史上初となる二階級同時制覇王者の新井丈とフライ級(-57.0kg)で対戦し、2RにTKOで破る番狂わせを演じた。  JTTのエリー&ビリーがセコンドのヒロヤ。この試合で負けたら引退を表明している所は、勝村周一朗と金原正徳と肩を組んで入場。リングサイドには入場曲“逆境ファイター”の所ジョージの姿も。  フライとバンタムの間の59kg契約試合。  1R、ともにオーソドックス構え。右ストレートを見せる所。ヒロヤは遠間に立ちワンツーも深追いせず。右カーフを当てる。所の左に右を合わせるヒロヤ。所も右カーフ。ヒロヤも返すと、2発目はかわす所。  シングルレッグから後転して足関越狙いの所は座るヒロヤにディープハーフも離れるヒロヤ。スタンド。右ハイを打つとかわす所。右ロー。逆ワンツーの所。ヒロヤの右カーフにバランスを崩す所。しかし、続く右カーフに所はカウンターの右ストレート! 意識が飛んだヒロヤがダウン! すぐにマウントからヒジを落とし、レフェリーが間に入った。  愛息、そして妻とハグをかわした所は、マイクを持ち「こんな自分に大舞台を用意してくれて榊原さん、ありがとうございます。ヒロヤ選手は日本を代表する選手になると思います。これを糧に頑張ってください。(70戦目で)所ジョージさんの『逆境ファイター』に20年、何度勇気づけられたことか。金原さん、もう一丁とは言えないですけど、下痢するまで飲みましょう。(妻の)ナナちゃん、誕生日おめでとう。病気治していっぱい好きなところ行こう、(長男の)叶大(かなた)と」と語った。 [nextpage] ▼第6試合 バンタム級(-61.0kg)5分3R〇芦澤竜誠(フリー)61.00kg[判定3-0]×皇治(TEAM ONE)60.85kg レフェリー:長瀬達郎 ジャッジ: 松宮智生/赤・芦澤 [D 50-0/ A 30-0/ G 20-0] 橋本 貴/赤・芦澤 [D 0-0/ A 30-0/ G 20-0] 石川喬也/赤・芦澤 [D 50-0/ A 30-0/ G 20-0]  芦澤はK-1で活躍。2018年6月の第2代K-1スーパー・フェザー級王座決定トーナメントで第3位に輝き、9月には小澤海斗に勝利。スーパー・フェザー級に階級を上げて臨んだ2019年6月に大岩龍矢に敗れて引退を表明したが、2020年9月のK-1 DX「芦澤竜誠を殴りたいやつ、大募集」で現役復帰を宣言。2021年9月にはかつて敗れた卜部弘嵩と約3年ぶりに再戦し、リベンジに成功した。2022年6月19日の『THE MATCH 2022』にてRISEのYA-MANとオープンフィンガーグローブマッチで激突もKO負け。  12月にK-1との契約満了を発表すると大晦日にRIZIN参戦を表明。2023年4月、因縁の皇治に判定勝ちするとキックは引退。大晦日にMMAデビュー戦を行ったが、太田忍に初回TKO負けを喫した。 皇治はK-1で活躍後、RIZINに移籍して2020年9月に那須川天心に判定負け。2021年大晦日のYA-MANに判定負け後、2022年3月に梅野源治に判定勝ち。2022年5月にはHEATでダウサコンにスプリット判定勝ち。2022年9月と11月にはボクシングルールのエキシビションを行い、約1年ぶりとなった2023年4月のキックルールでは芦澤竜誠に判定2-1で敗れた。試合後には引退を宣言したが、MMAファイターとして復帰。大晦日に三浦孝太を2RでTKOし、白星デビューを飾った。  1R、いきなり跳び込んでの左フックは芦澤もかわす皇治。キックより遠い間合いからコーナーに詰めて右で飛び込む皇治。  回る芦澤は、ロープ背に皇治の右をさばくと、ワンツーも深追いせず。皇治の左前手の強振は空振り。互いに右ロー、皇治は左ミドルを返すと組んでヒザは芦澤。詰めて右を返す皇治は首を抱えて組むが、剥がす芦澤。頭を下げての皇治の左を掴んで右ヒザは芦澤!  さらに右カーフを突いて、出入り。詰める皇治は右を振る。左ミドルを当てる皇治は左右フックの連打もブロッキングで頭で受ける芦澤。空振りが増えて来た皇治。右ハイは芦澤がブロック。  2R、皇治は身体を立てて立つように。間合いを変えて詰めると芦澤が右! その手を脇に挟んで右を放つ皇治。右フックから組んで行く皇治だが上組みで、切る芦澤。皇治のワンツーをかわして右の飛び込みと首相撲ヒザ。さらに左ジャブ。皇治の右の飛び込みの頭に芦澤はヒザを突く、  互いにテイクダウンが無いなか、近づいて左ボディを当てる皇治、ワンツーで前に出ると芦澤は誘い込むように後退。皇治はロープに詰めてついに右を当てるが、そこに首相撲ヒザは芦澤! 右を突くが、ついにバッククリンチからボディロックして崩す皇治。しかし芦澤は立ちがり。  3R、右カーフを当ててコーナーに詰めた皇治は左フック! 崩れた芦澤にテイクダウンは皇治! しかしパウンドに右小手で立ち上がり芦澤は首相撲ヒザ! ここで皇治は首投げテイクダウン! しかしここもすぐに立つ芦澤はテンカオ! 皇治は顔を腫らせながら前に出るが、芦澤は左を返す。  互いにスタミナが厳しいなか、芦澤も首相撲ヒザで皇治を崩すと立ち上がった皇治が軸がブレながらも左右。芦澤もガード上がらずも右突いて左ヒジ、皇治の右の飛び込みをかわして左で皇治のバランスを崩すと、互いに殴り合いでゴング。両者はハグ。  圧力をかける皇治にヒット&アウェイだった芦澤。皇治は中盤まで打撃をもらうも、3Rにダウンを奪取。しかし立って首相撲ヒザの芦澤に、皇治は組みの展開には持ち込めず。試合は判定へ。      判定は3-0で芦澤が勝利。皇治に「ありがとう」と伝えた。試合後、芦澤は「KOしたかったけど、RIZIN史上一番俺が皇治のことぶん殴ったでしょ。こんなもんじゃないです。もっと練習しないと。皇治選手、引退しないでください。めちゃくちゃカッコよかったです。ここまで1人でやってきて、ここに立ててる時点で勝ち組なんだ。友達いなくてもやれるんだよ。頑張ろうぜ」と語った。 [nextpage] ▼第5試合 ベアナックルルール 57.2kg契約 2分5R〇ジョン・ドッドソン(米国)現BKFCフライ級王者 57.20kg[判定3-0] ※50-42, 49-43, 47-45×征矢 貴(THE BLACKBELT JAPAN)57.20kgジャッジ: 松宮智生/ 47-45 (1R 9-10/ 2R 10-8/ 3R 9-10/ 4R 10-7/ 5R 9-10) 橋本 貴/ 50-42 (1R 10-9/ 2R 10-8/ 3R 10-9/ 4R 10-7/ 5R 10-9) 石川喬也/ 49-43 (1R 9-10/ 2R 10-8/ 3R 10-9/ 4R 10-7/ 5R 10-9) UFCフライ級王座に2度挑戦しているドッドソンは、BKFCで4戦負け無し(3勝1分)で、2023年8月にJRリッジを1R KOに下し、BKFCフライ級王座についている。RIZINでは、所英男を1R KOに下すと、竿本樹生に判定勝ち。2023年大晦日の前戦で、扇久保博正にグラウンドで劣勢となり判定負けを喫している。今回がRIZINでの初のBKFCルールでの参戦となる。  対する征矢は、扇久保の練習姿を偶然見かけ、パラエストラ松戸に入門。アマチュア修斗を経て、2012年7月にDEEPでプロデビュー。強打を武器に修斗では、2013年にバンタム級新人王とMVPを獲得する。指定難病のクローン病の診断を受けてから治療に専念。2019年6月、約2年振りの復帰戦にしてRIZINデビュー戦で59kg契約で川原波輝を1R KOに下すと、村元友太郎、中務修良も2R TKOで3連勝。2022年11月に中村優作に判定負けを喫し、2023年9月にはラマザン・テミロフと激しい打撃戦の末に1R TKO負け。苦しい2連敗となっている。  今回の再起戦で、BKFCルール初挑戦にして、BKFCフライ級王者でこのルールでは最強のドッドソンを、同大会にともに出場する先輩・扇久保(vs.神龍誠)に続き撃破し、一躍世界にその名を轟せるか。  1R、サウスポー構えのドッドソン、オーソの征矢。細かいステップ。出入りのドッドソンにオーバーフッククリンチボクシングは征矢。  右を突く征矢から圧力をかけるが、ドッドソンは素早い飛び込みで左右。下がりながらも左を振る征矢は右! 目にもらったドッドソンは後退も2分のゴング。ドッドソンは左まぶたから出血。  2R、ドッドソンのワンツーから左をかわした征矢だが、ドッドソンの飛び込みの左にまっすぐ下がりダウン! 立つ征矢は、左で飛び込むとドッドソンの打ち終わりに右! 後退したドッドソンにさらに右を当てるとドッドソンは左目から再び出血。  3R、ワンツー、右ボディストレートの征矢に頭から入って来るドッドソン。バッティングに。再開。左前手フックを見せる征矢。ドッドソンの入りに右を狙うが、ドッドソンは左の飛び込み。そこでステップを左に踏んで追わせない征矢。左右で前に出るドッドソンをさばく征矢。ドッドソンは征矢の詰めに左ストレートを突く。  4R、右ボディストレートから入るドッドソン。頭が下がるとそこに左右連打でダウンを奪うドッドソン。征矢は正座してから立ち上がり。  再開。征矢の左に右ストレートを合わせてダウンを再び奪うドッドソン。コンパクトに変化したドッドソンは細かい左右からサークリング。征矢は右目周辺を出血。ここまで征矢は3回のダウン。  5R、喧嘩四つのジャブの突き合いから、ドッドソンの入りをかわして右を当てる征矢! しかし連打はもらわず左から右を返すドッドソン。征矢は右手が下がる。ドッドソンは左。征矢は右手を傷めたか上がらず。ゴング。  判定は3-0(50-42, 49-43, 47-45)で3度のダウンを奪ったドッドソンが勝利。次はRIZINでMMAでタイトルを狙いたいとフライ級王者・堀口恭司に挑戦表明。「もしそれがかなわなければ日本人でベアナックルをやっているヤツと戦う」と語った。 [nextpage] ▼第4試合 スーパーアトム級(49.0kg)5分3R〇RENA(SHOOTBOXING/シーザージム)48.90kg[2R 4分18秒 TKO]×ケイト・ロータス(フリー)48.65kg シュートボクシング世界女子フライ級王者のRENAは、2015年大晦日のRIZINでプロMMAデビュー。怒涛の6連勝をマークも、浅倉カンナに2度敗れ、2019年6月のBellator初参戦でリンジー・ヴァンザントに一本負け。以降、ヴァンザントとの再戦含め4連勝したが2021年大晦日にパク・シウに判定負け。2022年7月にはアナスタシア・スヴェッキスカに判定勝ちでスーパーアトム級(49kg)トーナメント準決勝に進出したが、左眼窩内側壁を骨折し、以降のGPを無念の欠場となった。 2023年4月に約10カ月ぶりの復帰戦をストロー級(52.2kg)転向も見据えて51kgでクレア・ロペスと戦ったが、膝十字に敗れた。2024年3月の復帰戦はスーパーアトム級で行い、シン・ユリに判定勝ち。MMA戦績は14勝6敗。 初参戦のケイトは美女格闘家としてデビュー戦から注目され、DEEP JEWELSで活躍。2023年に白星と黒星を繰り返し、2月に青野ひかるに判定負け後、彩綺に判定勝ち。9月はRIZINに参戦した須田萌里に判定負け。2024年3月には桐生祐子に左ストレートで初回TKO勝ちを収めた。組み寄りのオールラウンダー。  1R、サウスポー構えのケイトにオーソのRENA。喧嘩四つの両者。左インロー、右前手でジャブを突くケイトはワンツー。右ローから右フックを見せる。右外足を取るケイト。蹴りにワンツーを突くRENAにケイトは組んで体を入れ替え離れる。  上下に打ち分けるケイト。RENAは奥足を蹴るも、ケイトも右ミドル。RENAは右インロー。ケイトは左ハイを突く。左から右で詰めてヒザはRENA! ケイトも左前蹴りを返すと、RENAも右前蹴り、ケイトは右関節蹴り狙い。前足で巧みに前蹴りを当てるRENA。前蹴りを腹に突き、インローを突く。右前手のフックを当てるケイト。前進に前蹴りでストッピングがRENA。ケイトは左フック、左前蹴りで前に。ケイトは左フックで沈んでから右、左ハイもガード上に突く。安易にテイクダウン狙いいかず、互いに立ち合いの初回。  2R、上下に打ち分けるケイト。先に右ジャブを突き、左ミドルを打ってきたRENAにカウンターの左ストレートを当てる。右ミドルハイのRENAは右スーパーマンパンチ。ガードのケイトはコーナーで体を入れ替え、右ボディ、左ストレート。中央に戻すRENAの右ストレートにカウンターの左ヒザも突くが、RENAの頭がケイトの顔に。下がるケイト。  右ストレートでコーナーに詰めるRENA。両差しのRENAにコーナー背に右ヒジを突くケイト。右で差して体を入れ替え、離れる。ボディストレートのRENAに左ヒザを合わせるケイト。左前蹴りのRENAに右フックを返すケイトだが、そこにRENAも右! さらに首相撲ヒザ!   がぶりギロチンチョークからヒザを突くRENAに頭が下がるケイトは辛うじて体を入れ替えるとワンツーで前に。しかしコーナーを出たRENAはそこにカウンターの前足による左前蹴り。右ハイを効かせると、コーナーに詰めて右フックから対角の左ボディ!  この一撃を期に左右を上下に打ち分けたラッシュにケイトはコーナー背に棒立ちに。ケイトも右ヒジを返しに行くが、それを見切るRENAは、連打を顔面にまとめ、ケイトの首相撲狙いを剥がし、左ハイもブロック。ケイトの頭が下がったところに連打まとめ、レフェリーを呼び込んだ、  TKO勝ちもバッティングか左目を腫らしたRENAは、「ケイト選手ありがとうございます。下からの追い上げが初めてで怖かったですけど、殴り合いが出来て良かったです。ケイト選手、また上がってきてください。榊原CEO、一応勝ったんで、いつでもいいんで私にもチャンスをください」と、王者・伊澤星花への挑戦を語ると、セコンドの浜崎朱加らと勝利の記念撮影に収まった。 [nextpage] ▼第3試合 フェザー級(66.0kg)5分3R×鈴木博昭(BELLWOOD FIGHT TEAM)65.90kg[1R 3分28秒 KO] ※左フック〇YA-MAN(TARGET SHIBUYA)65.95kg シュートボクシング出身の“怪物くん”こと鈴木は、RIZINで奥田啓介を1R TKO勝ちデビュー後、萩原京平に判定負けも、昇侍に1R TKO勝ち。しかし、平本蓮、青井人に判定負けで連敗。2023年6月に西谷大成を1Rわずか56秒でTKOに下して再起を遂げると、続く2024年2月には芦田崇宏を1R4分29秒でTKOに仕留めた。  YA-MANは2018年2月にRISEでプロデビューし、当初は目立たない存在だったが2021年5月にRISEでオープンフィンガーグローブ着用試合がスタートすると頭角を現わし、大晦日RIZINで皇治に判定勝ちして一気に名をあげた。2022年6月の『THE MATCH 2022』では芦澤竜誠との因縁の試合をKOで制するも、10月に白鳥大珠に敗れ連勝がストップ。  2023年5月にはRIZINにてMMAデビューを果たし、三浦孝太を初回TKOに仕留めた。8月に山口裕人をKOし、初代RISEオープンフィンガーグローブマッチ -65kg級王座に就くと11月にはOFGキック戦で朝倉未来を初回でKO。大晦日の平本蓮戦では判定負けを喫して涙した。 当初、両者は4月の『RIZIN.46』での対戦が決まっていたが、YA-MANの練習中の負傷(内側側副靱帯と前十字靭帯の損傷・全治2カ月)により中止となっていた。  1R、サウスポー構えの鈴木に、オーソのYA-MAN、鈴木は左インロー、左ハイ! さらにダブルレッグテイクダウン! 左足をかけて足を束ねようとするが、YA-MANも右小手で立ち上がり。その際に右をまとめる鈴木。ロープを背に立つYA-MANはコーナーまで動いて体を入れ替えヒザ。  頭をアゴ下に置いて右アッパー、鈴木も左右を突いてシングルレッグへ。尻もちを着くも立つYA-MANはコーナーに詰めて左右ボディ! 鈴木は左フックもYA-MANはしっかり距離を取り、鈴木の動きを見据えて左ボディ、さらに鈴木にロープを背にさせて右の相打ちのタイミングから、怖れ知らずの打ち合いに持ち込ませての左フックを先に当ててKO!  1R 2分28秒、YA-MANがKO勝利した。試合後、YA-MANは「MMA無茶苦茶難しい。始めた頃、アマチュアの高校生に極められた、いちから始めて超満員の舞台にオレみたいな凡人が立てるんで、誰でもここに立てます。最後まで諦めないで……僕も通います」と、会場観戦に訪れたキャバクラ勤務のにじほさんに語った。 [nextpage] ▼第2試合 ベアナックルルール 女子57.2kg契約 2分5R〇タイ・エマリー(豪州)54.10kg[1R 0分37秒 KO] ※右フック×チャリーサ・シガーラ(米国)53.90kg タイ・エマリーは、2022年9月にタイ・バンコクでブアカーオも参戦した『BKFC THAILAND 3』にて、KO勝利後、観客に自身の裸の胸をさらけ出す衝撃パフォーマンスで話題を呼んだマッスル女子ファイター。  もともとランジェリー(下着)風のユニフォームで行う七人制の女性インドア・アメリカンフットボールリーグ「レジェンズ・フットボール・リーグ(LFL)」で活躍していたエマリーは、アマチュアMMAでも1敗1分。コロナ禍で渡航中のタイから出国できず、8カ月間ムエタイジムでの生活を余儀なくされるなかで打撃競技に関心を抱き、2022年9月BKFCタイ大会でプロデビュー。  素手の右アッパー、左フックのコンビネーションで、地元タイのクンチャイにKO勝利を飾ると、興奮したエマリーは勝利後ロープに登り、上半身のウェアーをたくし上げ、観客席に向かって胸を露出する前代未聞のパフォーマンス。この映像が世界に拡散されるなか、BKFCからは厳重注意を受けていた、  2022年12月の『BKFC THAILAND:4』で2戦目に臨み、BKFCタイのストロー級王者ポー・デンマンを相手に、顔を大きくカットしながら5R戦い抜くも判定負け。3戦目の今回、自身同様に参戦するたび注目を浴びるシガーラをKOし日本の格闘技ファンのハートも掴めるか。  対するチャリーサ・シガーラは、米国ミレニアMMA所属の黒帯柔術家で、BKFCではダウン後に足首を脱臼しながらも試合続行しようとした“ド根性ファイター”として知られる。  シガーラは、2015年の『Gladiator Challenge』でプロMMAデビュー以来、全フィニッシュで4連勝を挙げるもキャンセルが続き、2年ぶりとなった2019年の試合からは2敗を喫した。  その後コロナ禍で試合の機会が激減したためBKFCに出場することを決意。2021年、テイラー・スターリングを相手にベアナックルボクシングデビューすると、顔面を血で染めながら5Rの死闘を繰り広げて注目を集め、激闘型のファイターとして一躍人気選手となる。  元UFCファイター、ペイジ・ヴァンザントのライバル候補として2度対戦が組まれるが、いずれも試合はキャンセルに。2023年2月のジェイミー・ヒンショー戦ではダウンから起き上がる際に足首が反対方向に曲がる脱臼でTKO負けを喫したが、怪我の凄惨さに加え、その状態で試合を続行しようとするファイターとしての闘魂に心打たれたファンの間で話題となった。  復帰戦となる今回、同じく熱いファイトスタイルを持ち、セクシーな魅力をアピールするエマリーを相手に人気に伴うだけの実力を発揮できるか。なおプライベートでは22歳の長女、長男は17歳、16歳の次女を持つ3児の母で、看護師の資格を取るため働きながら学校に通い練習を並行する日々を経て、現在に至るという。  1R、左右でいきなり詰めるエマリー、シガーラに間合いを作らせず、ラッシュから右フックを突くとシガーラの右にカウンターでヒットしダウン! バキッと音を立てた打突音にエマリーは折れた鼻を自身で治そうとしたが10カウントで立てず。エマリーのKO勝ちとなった。  コーナーに登り、胸に手をあて、あわやと思いきや、そのままマットに降りたエマリーは、日本語で「アリガトウゴザイマス! ヨロシクオネガイシマス。ベアナックルガスキデス、ニホンガスキデス」と語り、続けて英語で「ここに来れて光栄です。BKFCの魅力を見せることが出来ました。BKFCは新しいスポーツで新しい芸術です」と笑顔で語った。 [nextpage] ▼第1試合 フェザー級(66.0kg)5分3R×新居すぐる(HI ROLLERS ENTERTAINMENT)65.60kg[2R 3分11秒 リアネイキドチョーク]〇摩嶋一整(毛利道場)65.80kg 新居は、2022年7月にハンセン玲雄を、2022年12月に高木凌をいずれも1Rにアームロックで仕留めると、2023年6月の『RIZIN.43』北海道大会では、かつての練習仲間の飯田健夫を1RでKO。9月のPANCRASE第10代フェザー級王座決定戦では亀井晨佑を2Rにセンタク挟みで仕留め、王座に就いている。大晦日には弥益ドミネーター聡志を右フックでマットに沈め、全てフィニッシュして5連勝中。 摩嶋は、2020年8月の斎藤裕戦でRIZINデビュー。序盤を組みで優勢に進めるも、2RにTKO負け。2戦目でクレベル・コイケの三角絞めで一本負け。22年4月に金原正徳に3R、肩固めで一本負けと強豪相手に3連敗も、23年5月に芦田崇宏にヴォンフルーチョークで1R 一本勝ちで再起すると、9月の『RIZIN.44』で横山武司との寝技師対決にも勝利し、RIZINで2連勝。2024年2月にはヴガール・ケラモフとの対戦が決まっていたが、ケラモフが来日不可能となり代わって今成正和と対戦。2Rに腕十字で敗れてしまった。  1R、サウスポー構えの摩嶋に新居は左回り。圧力をけかけシングルレッグからコーナーまで押し込み、それを剥がそうとした新居に足払い! 立ち際にバッククリンチで崩して両足を差し込みボディトライアングル(4の字ロック」)。  マウントに移行し、肩固めも狙う摩嶋。マウントからコーナーに新居の頭を詰まらせ、右ヒジ。アメリカーナも狙うが腕を戻す新居にヒジ! さらにコーナーに押し込み肩パンチ。パウンドよりもコントロールを重視する。ゴング。  ロープを利用する反則行為で新居に「注意」。  2R、サウスポー構えの摩嶋に右アッパーを突く新居。さらに右を狙うがまだ遠い。ワンツーの右に、低いシングルレッグからドライブする摩嶋。コーナーで小手は巻かない新居は首投げ狙い。残す摩嶋のボディロックを残した新居は離れる。  シングルレッグから右で差す摩嶋はボディロックから後方に倒してリアネイキドチョークへ! 4の字ロックから右手、左手と組み変えて、新居の右腕を右足で縛って口を塞いでアゴを上げさせて、リアネイキドチョークでタップを奪った。  マイクを持った摩嶋は、「こんな4万人もいる会場で試合ができたのも、山口県のみんなのおかげ、勝てたのも家族や皆さんのおかげでここに立てているので、僕一人では到底来れなかった場所に立たせてくれたことを感謝します。また明日帰ったら仕事で現場があるので今日はこのへんで。また勝ちます。応援よろしくお願いします」と語った。  また、バックステージでは、ビクター・コレスニック、ラジャブアリ・シェイドゥラエフ、イルホム・ノジモフ、カルシャガ・ダウトベックらフェザー級強豪海外選手のなかでどの選手と戦いたいか、と問われ、「武田光司選手に勝った選手」とシェイドゥラエフを指名している。
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