▼第2試合 PROGRESSフェザー級(65.8kg)選手権試合 5分3R
〇上久保周哉(TRI.H studio/頂柔術)挑戦者 65.25kg
[判定6-1]
×竹内 稔(カルペディエム)王者 65.6kg
※上久保が新王者に
スクランブル&エスケープが評価されたMMAファイターと柔術家、両スタイリストが同じ土俵で技術をぶつけ合うグラップリングの選手権試合が決定した。
チャンピオンの竹内稔は、昨年のADCCアジア&オセアニア予選の66キロ級で準優勝と日本人トップの結果を残すと、2月の『CHALLENGER SERIES』第1回大会で、GLADIATORバンタム級チャンピオンの竹本啓哉を2分弱で必殺のアナコンダチョークで下し、初代PROGRESSフェザー級チャンピオンの座に就いている。
対する挑戦者の上久保は、日本のMMA界にあってグラップリング能力は右に出る者がいないとファイター間でも評価の高いグラップラー。
MMAでは2018年7月からONEに参戦し、スノト、モハメド・アイマン、キム・デファン、ブルーノ・プッチ、ミチェル・チャマール、トロイ・ウォーゼンに勝利し、サークルケージで6連勝。
松嶋こよみと同様にUFCを目指し、2023年の『ROAD TO UFC』に参戦。5月の1回戦で中国のバーエゴン・ジェライスにスプリット判定勝ちでMMA13勝1敗分けとしたが、続く8月の準決勝で野瀬翔平にスプリット判定勝ちしているシャオ・ロンに判定2-0の惜敗。12月の『GLADIATOR 024』で負傷欠場したシン・ジェヨンの代役ペ・ジョンウに1R リアネイキドチョークで一本勝ち、再起を遂げていた。
上久保は本来、2月の『CHALLENGER SERIES』で元UFCファイターと対戦予定だったが、正式発表を前に負傷で欠場となっていたという。
元UFCファイターに勝利し『ROAD TO UFC』再出場を目指した上久保だが、2月大会負の傷で試合はおろか練習からも距離を置く必要が生じ、グラップリングで実戦を経験するという選択をした。
フォークスタイルグラップリング・ルールでの王座に挑戦する上久保は、主催者を通じて、「今回、PROGRESSフォースタイルグラップリングマッチに出場します。竹内さんは今まで試合してきた選手の中でも指折りの攻撃力を持った選手だと思います。ただ、僕はどうしても勝ちたい。ケージの中でアナコンダを喰い、選手として殻を破れるよう力を出し切ります」とコメント。
対する竹内は、あらゆるシチエ―ションを想定して、アナコンダへのエントリーができる日本最高レベルのフィニッシャー。
「初の防衛戦の相手が“永久寝技地獄”の上久保選手ということで非常にタフな試合になると想定されますが、前回の試合と同じように一本勝ちで終わらせたいと思います。防衛を重ねてタイトルの価値を上げていきたいです。応援よろしくお願いいたします」と意気込みを記している。
上久保の得意の展開に持ち込むためには、竹内の必殺技アナコンダチョークが待ち構えている状況に飛び込む必要がある。そんなスリリングなグラップリングが、ケージのなかで展開されるであろう「PROGRESSフェザー級選手権試合」に注目だ。
PROGRESSフェザー級選手権試合では、王者・竹内稔(カルペディエム)王者と、挑戦者・上久保周哉(TRI.H studio/頂柔術)が対戦する。
テイクダウン=2P、リバーサル=2P、スクランブル(立ち上がり正対)=1P、バックグラブ=2P、相手が引き込んだ場合=2P、同点の場合はレフェリー判定。
1R、立ちレスリングの両者。アナコンダチョークの使い手・竹内に上久保も簡単に頭を下げて組まず金網に押し込み、アゴ下に頭をつける上久保。シングルレッグの上久保に足を抜く竹内は、さらにシングルレッグにアナコンダチョーク!
うつ伏せで回らない上久保。がぶられたまま立ち上がり首を抜く。そこですぐに詰めて右腕をおっつけて足払いテイクダウンの上久保! 亀の竹内は上久保に両足を入れさせない。上久保のテイクダウンで2-0。
2R、先に金網に詰めてアゴ下に頭をつけて押し込む上久保。シングルレッグは抜いた竹内。上久保のさならなるシングルレッグに頭を抱えに行く竹内だが、上久保は回してテイクダウン。4-0に。
竹内の下からのアームロック狙いをかわして中腰から攻める。両ヒザを突いた上久保。下の竹内はアームドラッグからバック狙いで立ち上がり、飛んでがぶり狙い。スクランブルで1Pを獲得。詰める上久保に首投げを狙う竹内。しかし首を抜く上久保はトップからバック狙いも足は入らず。
3R、組み手争いから伸び上がり上久保の首を抱えてがぶりからバック、引き込む竹内。そこに足をかけさせず立ち上がり正対する上久保。体を入れ替えシングルレッグで倒すもすぐに立つ竹内。詰める上久保の左での差しに、右小手の竹内。
その手を外して内側から肩を入れて正対するも、すぐに詰めてシングルレッグテイクダウンは上久保! 6-1。竹内のアームロック狙いを潰してトップポジションで頭をつけて押し込みゴング。6-1で上久保が勝利、新王者となった。
試合後、上久保は「もっとやります。MMAじゃないから、自分の10%も出せてないので、また練習してきます。(アナコンダは)入りは想定より深かったけど、慌てずに対処できた。キツいところで我慢すること。テイクダウンで慌てて押さえ込みに行って100%安心できるところで急がないこと。本業はMMAなので、怪我からの復帰で今回はグラップリングでしたが、UFCで勝てる選手になりたくてトレーニングを続けています。
決して健康ではないですが、UFCで勝つために、生活ぜんぶをそこに向けられます。そこで勝つためにまたキツい練習に戻りたいと思います。今日の試合で僕がグラップリング得意と理解してもらえたと思います。グラップリングだけじゃないMMAを追求していくのでまた見てください」と語った。