2023年5月27日(土)の『ROAD TO UFC2 EP1&2』に続き、28日(日)19時から中国・上海のUFC パフォーマンス・インスティチュートにて『ROAD TO UFC 2 EP3&4』が開催された(U-NEXT/UFC Fight Pass配信)。
男子フライ級、バンタム級、フェザー級、ライト級の4階級で各8選手による勝ち抜き形式のトーナメント1回戦16試合と、ワンマッチ4試合の計20試合を、2日間にわたり実施。
日本からはフライ級で鶴屋怜、バンタム級で野瀬翔平と上久保周哉、フェザー級でSASUKE(佐須啓祐)と神田コウヤ、ライト級で丸山数馬と原口伸の7選手が出場。初日に鶴屋と神田が1回戦を突破した。
その2日目の28日(日曜日・19時開始)の「エピソード3&4」にバンタム級の上久保周哉と野瀬翔平、ライト級の原口伸と丸山数馬の4選手が出場。上久保と原口の2選手が準決勝進出を決めている。
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上久保周哉が初回にジェライスの打撃を被弾も組んで削ってスプリット判定勝ち
▼バンタム級 5分3R〇上久保周哉(135.5lbs/61.46kg)[判定2-1] ※30-27, 29-28, 28-29×バーエゴン・ジェライス(135.5lbs/61.46kg)
UFC挑戦のために、ONE Chmpionshipとの契約のマッチング期間を消化した上久保周哉がついに『Road to UFC』に参戦する。
MMA12勝1敗1分で、ONEではブルーノ・プッチに判定勝ちし、トロイ・ウォーセンにリアネイキドチョークで一本勝ちするなど6戦全勝。ケージユニファイドルールでも永久寝技地獄を見せるか。
対戦相手の中国のジェライスー・バーエゴンは、MMA12勝3敗。フェザー級からバンタムに落として『Road to UFC』に参戦する。WLFを主戦場に、ここ5試合で負け無し。12勝中4つのKO・TKOと、7つの一本勝ち(リアネイキドチョーク4、三角絞め2、腕十字1)をマークしている。身長175cmでリーチが182cmと階級上の体格と長いリーチには注意が必要だ。
1R、ファーストコンタクトでシングルレッグに入る上久保。左で差して押し込むと、ジェライスは右で小手に巻く。右手で顔も突く上久保は左差し。突き放すジェライス。
追う上久保は、シングルレッグで足首を掴む。足を抜きアッパーを突くジェライスに上久保は鼻血。ジェライスがヒジも突くとさらに右アッパー。ジャブで前に出る上久保。その組み手を掴んで金網に押し込み右ヒザを突くジェライス!
効かされた上久保は左差しで押し込み、バッ狙いからハイクロッチも。これも差し上げたジェライス。ボディロックする上久保は足かけて前に崩すが、小手に巻いて投げるジェライスが組みに。そこにキムラで回した上久保。ジェライスは両手でロックする。
2R、左右前足を入れ替えるジェライス。上久保のハイをブロックして左ジャブを突く。前足を取りに行く上久保をスプロールするジェライス。さらに右!
組んで押し込むも、そこに右ヒジはジェライス。上久保はレベルチェンジからジャブ、前蹴りも遠い。組み手を切って押し込み。上久保の左前蹴りがローブローに。
ヒザを触りに行く上久保。左右から右アッパーをコンパクトに打つジェライス。シングルレッグで持ち上げる上久保に足を抜くが、上久保も手数を増やす。そこに右アッパーを突くジェライスは左右ヒジを振る。上久保もヒジを突くと、押し込んできたジェライスをいなして首相撲もスタミナ互いに厳しい。
腕を手繰る上久保。ジェライスを追ってついにダブルレッグテイクダウン! 右足をかけてパウンドにジェライスは動けないが残り10秒でそのままホーン。
3R、先に前に出る上久保。金網に詰めてシングルレッグで尻を着かせるが、起き上がるジェライスが逆にテイクダウンからバック狙い。それを落とした上久保。スタンドに。ヒジを突く上久保だが、正面から。そこに打撃を被弾する上久保だが、左で差して押し込み。
小手に巻き、崩されないジェライス。ここで攻めているのは上久保。ついに前方にボディロックテイクダウン! 半身で背中をつけたジェライスは頭を抱えて防御。ハーフからヒジを落とす上久保! さらに細かいパウンド。下から腕を抱えるジェライスに、上久保は大きく息をしながら抑え込んで肩固めも狙いながら右ヒジを落としてホーン。
死闘の判定は、2-1(上久保30-27、29-28、28-29ジェライス)で組みを諦めなかった上久保が勝利! ケージの中で接戦を制した秘訣を問われ、「グッドプロティンシェイクがほしい」と答え、英語で「僕がトーナメントチャンピオンになります。100パーセント。サンキューガイズ、サンキュウシャンハイ」と語った。
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野瀬はサブミッション仕掛けるも、トップ奪うシャオロンに敗れる
▼バンタム級 5分3R〇シャオ・ロン(135.5lbs/61.46kg)[判定2-1] ※29-28×2, 28-29×野瀬翔平(136lbs/61.69kg)
2022年の『Road to UFC』1回戦で、中国の元UFCファイター、ウリジブレンにカーフキックを効かせ、小手投げからのパウンドでウリジブレンを右足負傷の1R TKOに下した野瀬は、続く準決勝で中村倫也に1R KO負け。しかし、2023年3月の修斗で新人王の新井拓巳を相手に1R キムラロックで一本勝ち。再起を遂げるとともに、UFC再挑戦への道を決めた。
対する元武林風WLF王者のシャオ・ロン(中国)は24勝7敗と、24歳にして中国国内ながら多くのキャリアを持つ。2016年のプロデビューの年に宇宙人に判定負けし、ONE Championshipでも敗れるも、以降は連勝。2021年のコンテンダーシリーズでは、クリスチャン・キニョネスに判定負けも、そのキネニョスがUFCでカリッド・タハに1R KO勝ちしており、シャオ・ロンもUFCクラスにいる実力者といえる。
キニョス戦でシャオ・ロンは、マウスピースを飛ばされる強烈な右アッパーを被弾し、続く右ストレートでダウンするも、すぐに立ち上がりシングルレッグを仕掛けるなどタフな姿を見せており、9つの一本勝ち、そして一本負けが一度も無いことも難敵であることをうかがわせる。
1R、サウスポー構えの野瀬はいきなり低いテイクダウン狙いから前に。切るシャオ・ロンになおもダブルレッグへ。さばくシャオ・ロンの立ち際にギロチンチョークを狙う。首を外したシャオ・ロンが上に。下から野瀬は腕十字狙いからヒザ十字、外ヒール、さらに逆足に外ヒール、ヒザ十字!
しかしシャオ・ロンはパウンド。足を抜くもしっかり立てているか。スタンドで野瀬は左を当てて前に。前に出る野瀬に右を当てるシャオロン! 組む野瀬は組んで下になるも足を抱えてホーン。
2R、ワンツーで前に出る野瀬。シャオ・ロンは右ミドル。詰める野瀬に互いに前蹴り。クリンチアッパー。インローのシャオロン。野瀬はダブルレッグに入るが、差し上げるシャオ・ロンが体を入れ替える。さらにヒザ蹴り。右から左に、野瀬は足首を取りに行く姿勢。
上体を上げて右ヒジを打つが、押し込むのはシャオ・ロン。金網背に右ヒジを打つ野瀬。回りながら右フックにシャオ・ロンが鼻血。野瀬はダブルレッグに入るがその際でバックに回ろうとするシャオ・ロンが強い気持ちで前に。
野瀬も左、出血が多くなるシャオロンも左を振るが、その組みに野瀬はバックへ。シャオ・ロンが上のまま、こつこつパウンドでホーン。
3R、跳びヒザを狙い、足を手繰ろうとする野瀬。そこにがぶりから起き上がった野瀬にダブルレッグテイクダウンはシャオ・ロン! 右で差して細かいパウンドのシャオ・ロンに下から潜り足関節狙いの野瀬を切るシャオ・ロン。
四つに組んで押し込むのはシャオ・ロン。金網背に野瀬は右ヒジもクリーンヒットはせず。離れて左と右の打ち合い。押し込むのはシャオ・ロン、その左を被弾した野瀬は金網背にギロチンチョークでクローズドガードに入れる!
スタンドのまま頭を抜いて抑え込んだシャオ・ロンが上に。インバーテッドの形となる野瀬に細かいパウンドするシャオ・ロン。
スタッツでは、テイクダウンを切ったコントロールタイムはシャオ・ロンが6分多く、打撃数も野瀬を上回っている。しかし、野瀬は打撃を効かせ、ニアフィニッシュのサブミッショングラップリングがあった。判定は2-1(29-28×2, 28-29)に割れ、シャオ・ロンが接戦を制し、準決勝に進出。野瀬は1回戦敗退となった。
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ほかバンタム級はザウパースーとイ・チャンホが準決勝進出
▼バンタム級 5分3R〇ダーエミィスウ・ザウパースー(中国)135lbs/61.24kg[1R 0分58秒 リアネイキドチョーク]×エペライム・ギンティン(インドネシア)134.5lbs/61.01kg
▼バンタム級 5分3R〇イ・チャンホ(韓国)135lbs/61.24kg[1R 3分52秒 TKO]×ラナルドラ・プラタプ・シン(インド)135.5lbs/61.46kg
▼非トーナメント戦ウェルター級 5分3R〇クリス・ホフマン(フィリピン)170.5lbs/77.34kg[3R 3分10秒TKO] ※首相撲→右ヒザ×ユ・サンフン(韓国)171lbs/77.56kg