ビッグガイである必要はない。ビッグハートであるために
エドガーは「カムバックは考えていない」という。
「引退はしたくなかったけど、その選択をした。“今がその時だ”と思ったんだ。他のことで忙しかったからね。もちろん、まだ自分の中に闘志はある。決して消えることはない。70歳になっても、あのクソみたいな気持ちは消えないよ」
MMA36戦24勝11敗1分。UFCでの「ファイト・オブ・ザ・ナイト獲得2位」、「チャンピオンシップのトータルファイトタイム6位」という記録以上に、自身に訪れた多くのチャンスに感謝している。
「子どもの頃は、自分がこれまで訪れたすべての場所に行くチャンスがあるとは思ってもいなかった。ブラジルに何度も行き、フィリピン、韓国、日本、アブダビ、ロシアでも戦った」
記者会見や計量で押し合いへし合いすることも叫ぶこともなく、エドガーは常に拳に語らせることに満足していた。歴戦のなかで身体に刻まれた傷は少なくない。鼻を折った回数は数え切れない。鼠径部と背中の手術を受け、股関節置換手術も数回受けた。これらはすべて日常の仕事の一部だった。
「ファンが私の戦いを楽しんでくれたことが嬉しい。私が全力で戦うのを見て、ファンも楽しんでくれると思って戦っていた。私の試合のどれを選んでも、私がどんなタイプのファイターか分かると思う。UFCでの最初の試合は、私のタイプ、戦い方、ハートがよく表れている。そしてグレイ・メイナードとの試合はダメージを負いながらも、3戦目で彼をノックアウトして勝つ方法を見つけた。あれは間違いなくいい試合だった。私は一方的に戦うだけでなく、全力を尽くすんだ」
Welcome to the UFC Hall of Fame, Frankie Edgar 🙌 #UFCHOF pic.twitter.com/K3AxjRQK08
— UFC FIGHT PASS (@UFCFightPass) June 28, 2024
いつも自身より大きな男と戦ってきた。そのキャリアに後悔はないという。
「私のキャリアを振り返って、本当に後悔はない。もちろん、何人かのジャッジのスコアが私の方に来れば良かったとも思うけどね。もしかしたら3度、4度、5度と王座を防衛する選手になれたかもしれないけど──そういうものなんだ。敗戦や苦難があったからこそ、今の自分がある。それに感謝しなければならない。それが旅の一部なんだ。立ち上がる限り、何度倒されてもいい。“最も大きな男”である必要はないんだ。“最も大きなハートを持ったいい男”であるために」