MMA
インタビュー

【UFC】殿堂入りしたフランキー・エドガーが語っていたこと「ビッグガイである必要はない、ビッグハートを持っていれば」

2024/07/04 16:07

オールアメリカンになれず配管工に。TUF1でライバル校にいたコスチェックを見た

 12歳からレスリングを始めたエドガーにとってのMMAの原体験は、『UFC1』だったが、それはまだ自身と結びつくものではなかったという。

「確か中学1年生のときに、仲間の家で『UFC1』か『UFC2』を見たことを覚えている。レスラーを応援し、ホイス・グレイシーという小柄な男が、これだけの大男を倒しているという事実に畏敬の念を抱いたものだ。でもその後、UFCは一時休眠状態になり、少しタブー視されるようになって、非合法化しようとする政治家もいた」

 トムズリバーイースト高校でレスリングで州チャンピオンになり、2000年に卒業したエドガーはペンシルバニア州クラリオン大学で政治学の学位を取得。しかし、大学でのレスリング選手としての経歴は、輝かしいものではなかった。

「大学4年でレスリングを終えた時、オールアメリカンになれなかったし、“ブラッドラウンド”(※勝てばオールアメリカンの試合)で負けてしまった。私はかなりショックを受けていしたし、まだそこから抜け出すための苦悩も残っていた。それでも成功したかったんだと思う」

 レスリングで目標を達成できなかったエドガーだが、その同じ年に運命が介入した。2005年、格闘技リアリティ番組『The Ultimate Fighter』(TUF)が放送され、UFCは一気に人気を獲得していく。

 エドガーは最初のシーズンの展開を見守る中で、見覚えのある顔に気づいた。ライバル校でレスリングをしていた選手が『TUF1』に出場していた。

「レスリングの後、いつも何か特別なことをしたいと思っていた。『ジ・アルティメット・ファイター』の最初のシーズンがスパイクTVで放送されたのは大学4年のときで、仲間たちと座って見ていたのを覚えている。そこにジョシュ・コスチェックがいた。コスチェックはエディンボロ大学でレスリングをしていてオールアメリカンになっていて、私は(同じペンシルベニア州の)クラリオン大学にいたから、年に何回か彼らとレスリングをしていて、個人的に彼のことを知っていたんだ」

 大学を卒業したエドガーは、翌週の月曜日から配管工として働き始めた。その翌日にはレスリング場に戻ってトレーニングしていた。そして地元には、MMAを取り組むのに必要なパートナーが身近にいた。柔術ではヒカルド・アルメイダ、そして絶対的に必要なボクシング。エドガーはあるコーチに自身のミットを持ってもらうように頼み込んでいる。

「MMAを始めるまで、その類のトレーニングはしたことがなかった。ただ、知っている通り、優秀なボクシング・コーチのマーク・ヘンリーがいた。彼は私のボクシング・コーチとなり、最終的にはヘッド・トレーナーになって、私のキャリアにとても大きな影響を与えた。彼と私の好きなファイトスタイルのせいで、打撃に少し傾倒することになったんだ」

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