MMA
インタビュー

【UFC】殿堂入りしたフランキー・エドガーが語っていたこと「ビッグガイである必要はない、ビッグハートを持っていれば」

2024/07/04 16:07

BJ・ペン、メイナード、ベンヘンとの死闘──「ただ立ち去るつもりだったけど」

 エルメス・フランカやショーン・シャークといった強敵を破り、2010年にBJ・ペンが持つ、UFC世界ライト級王座に挑戦するチャンスを得た。連続防衛を続けるペンに対し、エドガーは+620という圧倒的なアンダードッグとしてオクタゴンに向かった。

「緊張と不安と興奮でいっぱいだった。当時のBJにはオーラがあった。文字通り、誰も彼に戦いを挑もうとはしなかった。だから、トレーニングキャンプでは、“彼に勝てる”と自分を納得させなければならなかった。そして、試合の夜には“彼を倒せる”と信じていた。あのタイトルを獲得したことは、私のキャリアのピークのひとつになった。ベルトを腰に巻くことは特別なことだ」

 妊娠8カ月の身重の妻も同行したアブダビでの5Rに及ぶスリリングな戦いの末、彼は驚異的な番狂わせを繰り広げ、判定3-0で勝利した。

ペンとの再戦でタイトルを防衛後、エドガーは2011年1月1日にラスベガスでもう一人の盟友、グレイ・メイナードと対戦した。その試合では、1Rにダウンを奪われ、KO負け寸前まで追い詰められるも驚異的なリカバリーを見せ、テイクダウンを奪い返して、ドロー。9カ月後のラバーマッチでも序盤にダウンを奪われたエドガーだが、4Rに右フックでダウンを奪い返しKO勝ち。3度目の王座防衛に成功している。

「私とグレイ・メイナードとの間のヒストリー、ノックアウト──本当に歴史に残る3部作のあのような力強いフィニッシュは、私のキャリアの中でも上位に入ると思う」

そして、2012年2月、さいたまスーパーアリーナでのベンソン・ヘンダーソン戦の死闘と再戦。ジョゼ・アルドとのフェザー級タイトル争い、マックス・ホロウェイとのチャンピオンシップ、2020年のバンタム級転向など、3階級の強豪たちと戦ってきたが、マルチディビジョン王者には届かなかった。

「私のチームの多くは、私がそこに座って『ウルフ・オブ・ウォールストリート』のように『私は去らない、と言うだろう』と言うんだ。でも、私は『引退する』なんて言う男にはなりたくなかった。私はただ立ち去るつもりだった。でも、そうなる前に『引退する』と宣言することで、自分に責任を持たせることができるし、人生の次の章に進まなきゃいけないと思うんだ」

 2022年11月12日、引退試合となった『UFC 281』でクリス・グティエレスと対戦し、左ヒザ蹴りで1R KO負け。オープンフィンガーグローブを置いた。

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