「リングラスト」を払拭するのは──
世間の注目を集めるカリスマ同士の一戦。勝者には“ピープルズチャンピオン”的なベルトも用意される案も浮上している。
そんな大一番に向け、朝倉は平本を「やっぱりMMAの選手としてはまだまだだなと思いましたね。組みとかスクランブルとか。打撃は上手いけど別にあの、威力もないじゃないですか? 1回もKO勝ちもしてないし。まず普通にやって俺が勝つなという感じですね」と、トータルファイターとして自身が上回っているいう。
対する平本は「(朝倉が)ケラモフに負けてイジケて、YA-MANに伸ばされて、あのすごいイジケてるんで、僕が最後のトドメを刺そうと思います。ボコボコにします。YA-MAN以上の失神させますよ」と、BreakingDown級の1分間KOをすると宣言した。
この試合に向け、未来は、タイ合宿を示唆。さらに、海が海外から呼び寄せたエリー&ビリーコーチを含む、新たなJTTチームもバックアップするだろう。そこでは、最大の武器である打撃と、萩原戦、斎藤戦でも見せた自ら組んで倒す動きの融合が図られるはずだ。
一方、空手と組みをミックスさせてテイクダウンディフェンスを向上し、遠近両間合いで戦える平本は、MMA初KOを朝倉相手にマークするという。
会見後のXでは、「実はみなさんに隠してたことがあります…この試合のためにあえて初KO勝利を温存しておきました。朝倉未来を相手に初めてKOの快感を味わいたかったからです。遂にこの試合でKO解禁します。負けた方が引退。いやいや俺が負けるわけないでしょ。これはただの朝倉君の引退試合です」と、MMAではKOを「温存」していたと嘯いた。
これまでプロMMAの公式戦でKO負けが無い朝倉だが、本職以外の試合でマットにダウンしている。フロイド・メイウェザー戦とYA-MAN戦。やらなくてもよかった他流試合で受けたダメージは抜けても、身体がそれを記憶している。KO負け後の身体は、その後の打撃で、前回より早くダウンを脳がうながすようになるとも言われている。そして、1年ぶりとなるリングラスト(RING RUST・錆)は取れるか。
この試合で相手を見誤っているのは、平本蓮か、朝倉未来か。答えは、7月28日、スタジアムバージョンのさいたまスーパーアリーナのリング上で明らかになる。