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コラム

【超RIZIN】朝倉未来はなぜ平本蓮と戦うのか──「負けたら引退」のマネーファイト実現の真相とは?

2024/03/17 08:03

大晦日まで溜められるカードでもない──スタジアムバージョン復活のキーに

 斎藤裕に接戦で敗れた平本は、ランク的には、王者・鈴木千裕、ヴガール・ケラモフ、金原正徳、クレベル・コイケらの下に位置する。クレベル、ケラモフに敗れたものの、萩原京平、斎藤裕、牛久絢太郎を3タテした朝倉とは、戦績だけを見れば、若干の不釣り合いなカードだ。

 1年前の段階では、平本との戦いに「メリットがない」と言っていた朝倉が、この試合を受ける気持ちに傾いていったのは、敗戦からの復活の相手として、打って付けだったからだろう。

 会見で朝倉は、その理由を「直近の試合で負けたりとかもあって、まあこう、RIZINで俺、たぶん……」と言いかけたところで、平本を口を挟み、「簡単に言えば“YA-MANにぶっ飛ばされたからこの試合が決まりました”。そんなのいちいち聞かなくても分かるじゃないですか(笑)」と、潮目が変わったと断言。ムッとした朝倉だが、「いやまあ、だから、何でしたっけ、質問?“楽な相手”だからですよ。でも俺が狙っているのは今年の大晦日にトップに絡んでる奴と戦って復活するってことです」と、その先を見据えての試合だとした。

 見据えるのは、「鈴木千裕とか金原さんとかクレベル、ケラモフ、そのへんと試合したいなというふうに思っています」と、平本の首を手土産に、大晦日に上位戦線に挑戦していくことが目標だという。

 人気者同士の初対決実現に、榊原CEOは、「『夏にビッグマッチをやろう』ということは、未来もすんなり(腑に)落ちたし、蓮も“待ってました”ということで、そんなにすごいハードネゴシエーションではなかった」という。

 そして、平本が手繰り寄せたとも言えるこのカードをシーズンピークの大晦日を待たずに投入したことについて、「そこまで“溜められる”カードでもないと僕は思っているので。実力的に、戦績的にどうなんだ? と。直近に誰を倒しているの? とか、いろいろなことを紐解き出すとどうなの? っていう。

 平本蓮のMMAファイターとしての器量とか力量というか、そこはこの前のYA-MAN戦だけではちょっと判断し切れないところがありますけど、間違いなく進化はしてると思います。でも、言っても朝倉未来は、この直近はケラモフに負けたあと、YA-MANに不覚はとっているけど、YA-MANとの試合は当然キックの試合ではあるし、MMAというスポーツの中でいうと、“ちょっとレベル的には違うのかな”と思いつつも、平本蓮がどこまで上積みできてるのか、期待ができるところまでは来てると思います」と、格差カードの要素は認めつつも、それを覆す可能性も平本にあると語る。

「やっぱり強さだけじゃなくて、漢と漢、それぞれ“この2人が戦ったらどっちが勝つんだ? 見たい”というものっていうのは、強さを競うだけじゃない、それぞれの存在意義とか、生き様とかを賭けた戦いになるので、ほかの選手には負けてもいいけど、“コイツだけには負けたくない”っていう戦いになると思う。だから2人は競技者としてアスリートとしてというよりは、それぞれ『引退をする』というのは、“コイツに負けたらもう引退するしかないんじゃないの?”これだけボロクソに言っておいて、ソイツに負けちゃうっていうことは──その意味で存在意義や生き様を賭けた珠玉のカードになるんだと思います。戦績うんぬんよりも、いまの瞬間のマッチメークとして、この2人が戦うに値する状況だろうと判断した感じです」と、単なるランキング戦とは異なる意味合いを持つとした。

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