▼GLADIATORフライ級トーナメント準々決勝 5分3R
〇オトコンバートル・ボルドバートル(Shandas MMA Fitness Center/モンゴル)
[2R 3分12秒 ギロチンチョーク]
×久保健太(GSB多治見)
先の『CHALLENGER SERIES』で和田教良を2R KOで破ったチェ・ドンフン(チームMADポハン/韓国)が待つフライ級王座決定トーナメント。
オトコンバヤルに続き、2人目のモンゴル人ファイターのオトコンバートル・ボルドバートルは、2024年1月にプロMMAデビュー戦を勝利したばかりのルーキー。しかし、師匠のジャダンバ・ナラントンガラグの「既にモンゴルでは相手がいない」という推薦を受けての抜擢となった。
そんなモンゴルの超新星と戦う久保は、2023年12月大会でチェ・ドンフンに壮絶なKO負けを喫したものの、3Rに見せた反撃は見る者に感動を与えた。体調不良にもかかわらず「DOUBLE GFC」フライ級王者を相手に真っ向勝負を挑んだ戦いは、まさに久保の生き様が伝わってくる魂のファイトだった。韓国に続き、モンゴルとの新鋭を相手にどのような戦いを久保が魅せるか。
◆久保「万全でリングに上がれば、前回の試合とは比べられない程の強さと最高の試合に」
「まずGLADIATORフライ級王座決定トーナメントの出場権を頂けた事を心から嬉しく思います。前回の『GLADIATOR 024』大会で不甲斐なくもチェ・ドンフン選手に負けてしまい、トーナメントの道は閉ざされてしまったと思いました。ドンフン選手との試合では、戦う前から体調を崩してしまい、試合前日はもちろん当日も熱を抱えての試合となり、とても苦しい中での戦いとなりました。そんな状況の中でも試合をやり切った自分に胸を張りたい所ではありますが、それ以上に万全の身体で戦い、勝ち取りたい試合でした。
言い訳のように聞こえてしまいますが、前回の試合では不調な中で自分のできる事は気持ちの面も含め出し切っていたと思います。ただ、万全だったらもっと最高の試合が絶対にできました。そのなかで戦う姿勢を評価され、フライ級トーナメント出場権を与えて下さったのだと自分は思っています。今回のトーナメントは僕にとって最大のチャンスです。トーナメントを出場させて頂くにあたり、次の対戦相手がモンゴル国の強豪選手であることを知りました。レスリングベースでかなりの強い選手だと思います。レスリングだけでなくアマMMAの各大会でも優勝、準優勝を飾る程の実績あるサラブレッドを感じさせるような強い選手だと思います。まずは対戦するオトゴンバートル選手に勝利し、勝ち上がることだけを考えて2回戦を目指します。
その為にまずは自分自身のコンディション、万全な身体でリングに上がる事が勝利と最高の試合をすることだと思っています。最後にこれだけ言わせて下さい。自身が万全でリングに上がる時は、前回の試合とは比べられない程の強さと最高の試合、GLADIATORを盛り上げられる自分、そこに自分の実力の立ち位置と結果がついてくると思います。試合当日、万全な姿で僕が試合をできることを楽しみにしていて下さい」
◆ボルドバートル「互いに持っているものを出し合って良い試合を」
「今回、GLADIATORフライ級トーナメントに出場できることになり、とても嬉しいです。これまでアマチュアの舞台で試合をしてきましたが、プロに転向して間もないにも関わらず、GLADIATORという大きな舞台で試合が出来ることに感激しています。相手の久保選手は経験豊富なベテランですが、お互いに持っているものを出し合って良い試合をしましょう」
1R、ともにオーソドックス構え。一気に間合いを詰めて右の後ろ廻し蹴り! ガードする久保に左インロー、右ハイ、バックスピンキックも突くボルドバートル。サークリングする久保に後ろ蹴りも。左の蹴りを上下に突く。
左ジャブを突く久保。すぐにボルドバートルはワンツーで前に。そこに久保は右を返すと左前蹴りを腹に突く。イッチして歩きながら詰めるボルドバートル。パンチから回って後ろ廻し蹴り。右から左フック、跳びヒザと多彩な攻撃に、さばく久保は右カーフ。
2R、オーソから左の蹴りを突く久保。ボルドバートルは左の蹴り。さらに一気に詰めての左右と、ガード固める久保にまとめる。左インローを突くボルドバートル。久保はジャブ。ボルドバートルは右ロー、さらに右から左の二段蹴り! 後方に倒れた久保の起き上がりにがぶりからダースチョークのクラッチ、金網に押し込み、組み直し捻るように絞めてタップを奪った。
組みの強さを軸に、多彩な打撃から最後はギロチンチョークを極めたボルドバートル。底知れない強さを見せたモンゴルのナラントンガラグ(※写真下・左)の愛弟子は、「GLADIATORで勝てて嬉しいです。関係者の皆さん本当にありがとうございました」と語った。