撮影/安村発
Krush.158
2024年2月24日(土)東京・後楽園ホール
▼ダブルメインイベント第2試合(第8試合)Krushライト級タイトルマッチ 3分3R延長1R
×里見柚己(team NOVA/王者)
KO 1R 0分38秒 ※右ストレート
○伊藤健人(K-1ジム蒲田チームアスラ/挑戦者)
※伊藤が新王座に就く。里見は初防衛に失敗。
里見は2019年8月にベテランの山本真弘から得意の左ストレートでKO勝ちして名を上げた。スーパー・フェザー級からライト級に階級を上げて2021年7月・9月の「第6代Krushライト級王座決定トーナメント」では川崎真一朗にKO勝ち、弘輝に判定勝ちで決勝へ進出するも瓦田脩二に敗れて戴冠ならず。2022年8月には元スーパー・フェザー級王者の西京佑馬に判定勝ち。2023年6月、1月に無効試合となった大沢文也との再戦で勝利し、第8代Krushライト級王者となった。戦績は19勝(8KO)11敗1分1無効試合。
2014年11月の新生K-1旗揚げ戦のプレリミナリーファイト第1試合を務めた伊藤は3連敗を喫した後、2022年6月に階級をライト級に上げて初戦で南雲大輝に2RKO勝ち。9月は弘輝に判定で敗れるも12月は鈴木翔也に判定勝ち。2023年2月には堀井翼から得意の右フックでダウンを奪って判定勝ちした。7月にはK-1でティントーンからも判定勝ち。戦績は14勝(4KO)12敗4分。
両者は2023年9月のK-1横浜大会で対戦し、伊藤が2R2分18秒、左右フックの連打で里見をKOする番狂わせを演じた。今回はそのダイレクトリマッチとなる。同席した宮田充Krushプロデューサーは「8-2くらいで里見選手の試合だと思っていた。今年見た中では一番インパクトのあるアップセットだった」と評した。
1R、里見はジャブから右ローを蹴る。里見の左インローに伊藤が右ストレートを合わせ、これが真正面から直撃。真後ろにバッタリと倒れた里見は後頭部をマットに打ち付けて身体を起こすことが出来ず、伊藤の秒殺KO勝ちとなった。
伊藤はマイクを持つと「自分は絶対にチャンピオンになると言い続けて10年経ちました。でもずっと応援してくれる皆様がいて(号泣)本当に皆様の応援があって毎日過ごせて選手として活きてこれたのは本当に応援のおかげです。伝えたいことがあって10年かかったんですけれど太田先生に感謝しています。ひとつ形として先生に感謝を伝えたいと思います。本当に勝ったり負けたりで悔しい道が続いていたんですが、皆さんのおかげでこうしてベルトを巻くことが出来ました。ベルトを巻くって言って10年かかったんですけれど、本当にありがとうございます」と号泣しながら何度も同じことを言い続け、宮田プロデューサーに「その辺で」と促され、最後は「ありがとうございました」で締めくくった。
試合後のコメントで伊藤は最後の右ストレートについて「やることは意識しないでも出る。それしかん出ないようになっているので、やってることがそのまま出ただけです」と練習で身体に染み込んだものが出たとし、その右ストレートはなぜそんなに強いのかと聞かれると「みんなの想いが詰まっているからです。心が入っているからです」と答えた。そして「僕が王者になって僕が出るKrushは毎回超満員にしたい。そういう王者になりたい」と語った。