▼セミファイナル(第10試合)GLORY世界ライトヘビー級タイトルマッチ 3分5R
〇ドネギ・アベナ(スリナム/正規王者)
判定5-0 ※50-45×5
×モハメド・トゥチャッシー(モロッコ/挑戦者)
GLORY世界ライトヘビー級王座統一戦は暫定王者タリク・カバベ(モロッコ)の欠場により、正規王者アベナがトゥチャッシーの挑戦を受けての初防衛戦に変更された。
アベナは2015年9月にプロデビューし、2017年のA1WCCチャンピオンズリーグトーナメントで決勝まで勝ち上がった。GLORYには2018年12月から参戦し、2019年6月にはGLORY世界ライトヘビー級王座に挑戦したがタイトル奪取ならず。ここからGLORYで4連敗を喫するも2022年10月に当時ライトヘビー級3位のフェリペ・ミケレッティに判定勝ち、2023年2月にセルゲイ・マスロボイエフにTKO勝ちで王座を奪取した。しかし、6月のカバべとの初防衛戦を前に食中毒となり急遽欠場。戦績は26勝(7KO)9敗。
トゥチャッシーは15勝(12KO)無敗の戦績を誇る新鋭で、2022年6月にロビン・シリックとの王座決定戦を制し、初代Enfusion世界ウェルター級王座に就いた。GLORYには2023年10月に初参戦し、ミドル級でエドゥアルド・アレクサニャンから3度のダウンを奪ってTKO勝ち。今回はなんとわずか4日前のオファーを受けてミドル級から階級を上げての挑戦。
アベナはリミットちょうどの95kgで計量パス、トゥチャッシーは90.7kgとかなりのアンダーで計量をパスしている。
1R、体格差がある両者。アベナは右ローでバランスを崩しておいての左右ボディ、右ストレート、ヒザとアグレッシブに攻めていく。トゥチャッシーも左右ボディ、左右フックを思い切り叩きつける。右を顔面とボディへ1発打ってはすぐに離れるトゥチャッシー。アベナの左右フックをガードするトゥチャッシーだが、身体が左右に揺れる。
2R、トゥチャッシーはジャブをブロックさせて右ボディストレートを打つ。明らかにパンチのパワー差を感じさせるアベナの左右フック、ワンツーにガードを固めるトゥチャッシー。手数は出すトゥチャッシーだが、アベナの攻撃力が目立つ。
3R、トゥチャッシーの前蹴りに左ボディから右フックを打つアベナ。左右ボディ、右フックをもらうトゥチャッシーは左ボディを打ち返し、思い切り右ストレートを打つ。アベナの攻撃に下がるトゥチャッシーだが、前へ出てくるアベナに手数は出す。
4Rも右フックとヒザ蹴りで前へ出るアベナにトゥチャッシーは思い切り右フックを叩きつける。アベナの左右フックをもらって身体が揺れるトゥチャッシーだが、それでもジャブを返す。粘るトゥチャッシーにアベナに攻め疲れが見える。左右ボディから飛びヒザ蹴りを放つアベナ。
5R、トゥチャッシーは前蹴りを顔面とボディへ。アベナは左右フックからヒザを突き上げる。下がりながらもパンチを繰り出すトゥチャッシーにアベナはじりじりと詰め寄ってヒザ、左右ボディ、左右フックを打つが序盤ほどのパワーは感じられない。
体格差がありながら堂々と戦ったトゥチャッシーだったが、階級の壁はいかんともしがたく判定5-0でアベナが初防衛に成功した。「トゥチャッシーが前へ出てくるのは分かっていたからこの結果に驚きはない。判定はドミネートしたと思っている。ちょっとした怪我もあるから少しバケーションをとりたいね」とアベナは語った。