▼第9試合 GLORY世界ミドル級タイトルマッチ 3分5R
〇ドノバン・ウィッセ(スリナム/王者)
判定5-0 ※50-44×2、49-45、48-46
×マイケル・ボアペア(ガーナ/同級1位)
ウィッセは2016年11月にプロデビューすると連戦連勝で2018年9月からGLORYに参戦。しかし、12月の2戦目でプロ初黒星を喫した(12戦目)。その後は再び連勝の波に乗り、2021年9月にユスリ・ベルガロイをTKOに破って王座を獲得。2022年8月には初防衛に成功した。2023年2月にはシーザー・アルメイダと防衛戦を行うはずだったが、アルメイダが体重超過のためノンタイトル戦に変更となり判定勝ち。6月に最強の挑戦者と目されていたセルカン・オズカグライヤンの挑戦を退けて2度目の防衛に成功した。戦績は19勝(10KO)1敗。
ボアペアはRINGS Holland Fighting Networkが主催する『Rings Gala』を主戦場とし、2022年3月には『Rings Fighting Network 2022』にてRINGSミドル級タイトルマッチを経験(ケビン・ヴァン・ヘッケレンに判定負け)。2022年8月からGLORYに参戦するも、2戦目でセルゲイ・ブラウンに判定負け。2023年3月には当時ミドル級3位のエルトゥールル・バイラックを判定で破り、6月にはウルリック・ボケメにTKO勝ち、8月にセルゲイ・ブラウンに3連勝。戦績は16勝(7KO)3敗1分。普段は棺桶作りの職人。
現在8連勝で2度の防衛に成功している安定感のあるウィッセか、3連勝の勢いに乗って挑むボアペアか。
1R、いきなり前に出るボアペアが右ストレートを叩きつけてヒザ蹴り、ウィッセをロープ際まで追い詰める。ウィッセはジャブで押し返し、右ストレートと左ボディも打つ。右カーフを蹴り合う両者。ガードを高く上げて前へ出るボアペアはウィッセのガードの上からでもお構いなくパンチを叩きつける。両者とも顔面一辺倒にならず、ボディやローキックも放って攻撃を振り分ける。両者ともかなり多くの手数を繰り出すが、より多いのはボアペア。しかし、ウィッセは的確に強いインパクトのあるパンチを打つ。終盤、ボアペアの飛びヒザ蹴りを右フックで撃墜したウィッセ、日本ならダウンを取られてもおかしくないタイミングだったが、フラッシュダウンで認められず。
2R、両者とも両腕閉じブロックが固い中、左右や下からガードの隙間を狙う。このラウンドもボアペアが前に出てウィッセにロープやコーナーを背負わせ、掴みからのヒザ蹴り連打、左右ローを蹴る。ウィッセも右カーフを蹴り返し、ボアペアが頭を下げる所にヒザを突き上げる。頭を左右に振りながら前に出たボアペアが左フックから右フックを返すと、ウィッセが仰け反る。さらに詰めていくボアペアだがウィッセは冷静に攻撃をブロック。ジャブを突き、右クロスを打ち、ボアペアのヒザには右ストレートを合わせる。
3Rも前に出て手数を出すボアペアにウィッセはジャブと右フックを返していく。ボアペアは接近するとボディへのヒザを上手く入れる。ボアペアのパンチやヒザをしっかりブロックし、左ボディを返すウィッセ。ボアペアは疲労からか攻撃の後に組みに行くのが目立つ。右ストレートをしっかり打ち抜き、右フックを打ち込み、ローを返していった。
4Rもボアペアは前へ出るも手数はかなり減って来た。そこへウィッセが左ボディ、右ボディストレートを叩く。あまり手が出ないボアペアへウィッセがワンツーからヒザ。前へ出るのはボアペアだが、ウィッセは下がりながらもしっかりと攻撃を当てていき手数も多い。派手さはないがしっかりと攻撃を当てて相手の攻撃はもらわないウィッセ。
5R、かなり疲労の色が濃いボアペアは鼻血を出し、ウィッセのパンチをもらうとマウスピースを落としてしまう。ウィッセの右ボディストレート、左ボディをもらいながらも前に出て来たボアペアにウィッセのワンツーがヒット。ボアペアは大きくグラついてロープにもたれかかる。そこへワンツー、左右フック、右ハイ、左ボディで畳みかけるウィッセ。ボアペアが大きくバランスを崩してロープにもたれかかったところでレフェリーがスタンディングダウンを宣告。その後もウィッセがワンツーを中心に攻めるがボアペアもパンチを振り回して必死の抵抗。
堅実かつ安定した冷静な戦いぶりで試合を終えたウィッセが判定5-0でボアペアを破り、3度目の防衛に成功した。ウィッセは「7週間でのショートノーティスでのタイトルマッチだったけれど、次は10週間くらいのノーティスで準備をしたい。プレッシャーを1Rからちゃんとかけられた。相手はタフだけれどKO出来ると思っていたが5Rまでいった。とりあえず1回休んで次に備えたい」と語った。