ハイキックを見舞うヴァーホーベン。膝の手術からの復帰で本調子ではなかったがオサロを寄せ付けなかった(C)GLORY
GLORY COLLISION 6
2023年11月5日(日)オランダ・ヘルレドーム
※U-NEXTで見逃し配信
▼メインイベント(第11試合)GLORY世界ヘビー級王座統一戦 3分5R
〇リコ・ヴァーホーベン(オランダ/正規王者)
判定5-0 ※50-45×3、50-46、49-47
×ケヴィン・タリク・オサロ(ナイジェリア/暫定王者)
※ヴァーホーベンが11度目の防衛に成功。
ヴァーホーベンは、2021年の『GLORY COLLISION 3』でのジャマール・ベン・サディック戦以来、GLORYのリングから遠ざかっていた。ヒザの負傷により、2023年初めの復帰戦はお預けとなったが、ついに待望のGLORYカムバックとなる。
バダ・ハリ、グーカン・サキ、ベンジャミン・アデグビュイ、ピーター・アーツ、エロール・ジマーマンなど数々のレジェンドに勝利し、キックボクシング界の頂点に上り詰めた34歳は、GLORY史上最多の王座防衛記録(10回)を持ち、現在16戦無敗という驚異的な記録を10年近くも続けている。
しかし、彼が不在の間に新チャンピオンが登場した。この1年、タリク・“クッキー”・オサロが、GLORYデビューイヤーにKOに次ぐKOという驚異的なパフォーマンスを6度披露し、新たなプロモーション・スターとなった。
ヘビー級4人トーナメントでオサロは、準決勝でムラト・アイグンをKO。6月の『GLORY COLLISION 5』のメインイベントでは、大本命のアントニオ・プラジバットを破壊的なKOで破り、暫定ヘビー級王座を獲得している。
得意の身体ごと打ち込むアッパーを主武器に強豪たちをなぎ倒してきたオサロは、勝利後、スタンドで観戦していたヴァーホーベンに「できるだけ準備をしろ、タイトルを獲りに行くぞ!」と宣戦布告していた。ヴァーホーベンがGLORY無敗記録を更新するか、それともナイジェリアの巨漢が、新たな時代の扉を開くか。
1R、まずはヴァーホーベンが右ロー、オサロも左ローを返す。ヴァーホーベンがジャブから前蹴り、サウスポーになると前に来るオサロに左ミドルを蹴る。オーソドックスに戻すと右ローを蹴るヴァーホーベンにオサロはワンツーを合わせに行く。慎重な出足の両者に、場内から煽るような歓声が上がる。またもヴァーホーベンの右ローに右ストレートを合わせるオサロ。圧を強めるヴァーホーベンはヒザを見舞う。オープンスコアは10-9×3(10-10×2)でヴァーホーベン。
2R、ジャブと前蹴りで前へ出るヴァーホーベンにオサロは左ローを蹴っていくが、ヴァーホーベンが右ストレートをヒットさせる。ヴァーホーベンはさらに前足を上げてから右ストレートを打ち抜く。ロープやコーナーを背にするオサロへヴァーホーベンは左ローで誘いをかけていった。OPスコアは10-9×5でヴァーホーベン。
3R、サウスポーのヴァーホーベンは左ミドルを蹴り、オーソドックスに戻るとジャブと右インロー。そしてまたサウスポーになると左ミドル。オサロはカウンターを狙って打つが、なかなかヒットを奪えない。右を当てては組み付いてヒザを蹴るヴァーホーベン。このラウンドもOPスコアは10-9×5でヴァーホーベンがとった。
4R、前に出るのはオサロ。左フックをクリーンヒットさせる。ヴァーホーベンは左右に構えを変え、前蹴り、左ミドル、左ローと蹴っていく。ヴァーホーベンの鋭い前蹴りが何度もオサロのボディを捉える。さらに右ストレートもヴァーホーベンはボディへ打つ。左ミドルを蹴られるとサウスポーになるオサロ。ヴァーホーベンがまた前蹴りを入れるとオサロはクリンチに。前蹴りをフェイントにしてハイキック、右ストレートをを打つヴァーホーベン。
5R、ジャブを突くヴァーホーベンにオサロはクリンチ。レフェリーから注意を受ける。ヴァーホーベンは左前蹴り、左ミドル。前に出るオサロはワンツーを打つが、ヴァーホーベンは右ストレートを返す。オサロが右アッパーを打つと、ヴァーホーベンは右ローを蹴る。これにオサロはバランスを崩す。前に出るオサロをハイキックとクリンチ、そしてフットワークでいなすヴァーホーベン。そのまま試合終了となり、ブーイングも起こった。
判定は5-0でヴァーホーベンが勝利。11度目の防衛に成功した。ヴァーホーベンは「10カ月くらい前に膝の手術をして、復帰できるか分からなかった。今日は勝ててよかった。次の試合までに準備することがある。GP出場は分からない。本当に復帰できるとは思わなかった。オサロとはまた戦うことになると思う」と語った。