MMA
インタビュー

【RIZIN】いかに金原正徳はクレベル・コイケに勝利したのか「相手を選んで勝ちたい試合をするわけじゃない」=一問一答・全文

2023/09/25 14:09

一番警戒していたのは、クレベルの不器用な打撃と勢いのある投げ・レスリングだった

──いろいろな人に、クレベル攻略の秘訣やポイントを聞かれると思いますが。

「僕の肌感覚なので誰にも分からない。組みが強いなとかサブミッション強そうだと思ったらやらないと思いますし、でも対応できると思ったからやったし。今回クレベルが思ったより1Rに疲れてくれていて、今だから終わったから言えるけれど一番警戒していたのは、(クレベルの)打撃とレスリングだったのですよね。不器用な打撃と勢いのある投げ、1回(首投げで)投げられていますけど、そこに一番警戒していて、三角絞めやバックチョークより一番警戒していたのはそこだったので、そこで自分が削られてしまうとクレベルのペースになっちゃうので、そこだけは(阻止する)。だから『打撃で主導権を握りたい』『先に自分から手を出す』というのはそういうことだったと思います」

──40代でトップ戦線に。同世代にどんな勇気、気持ちを伝えたいですか。

「なかなか偉そうなこと言えるほど社会人やってないので、会社員やサラリーマンの気持ち全く分からないですけど、そういう人からメッセージで『勇気もらっています』と言われると実際嬉しいし。まあ分からないですけど、“生きていればいいことあるよ”という、それくらいですかね。長くやっているといいこともあれば嫌なこともあるけど、1ついいことがあれば、嫌なことが帳消しにできる。特に格闘技はそうで、辛い時代たくさんあったけれど、今日メインイベントやらせもらって勝てたことで、今まで辛かったことは報われるし、タイでやったことも報われるけれど、負けてしまったらそれは悲しいことになってしまうけど、次、頑張ればいいやとポジティブに生きています」

──以前、試合前に「試合は不安だ」と仰っていました。試合始まってみたら楽しかったですか?苦しかったですか?

「今回の試合に限ってはいつもとちょっと気分が違ったというか。負けられない試合と……言い方がよく分かりませんが、今までは若い子たちとやって負けられない試合が続いたけれど、今回は挑戦者だと思ったので、気負う感じがなかったので。楽しくはなかったですけれども、3Rでテイクダウンした時は心の中でカウントダウンしていました。“あと3分、あと3分……”って。(押さえ込んで)みんなには申し訳ないですけど、本当にどうしても勝ちたかった。こんなこと言っていいのか分からないけれど、本当に勝ちたかったので、最後3R目の心のカウントダウンはありました」

──それで実際に勝ててホッとしましたか?

「素直に嬉しいですね。まだ祝勝会やっていないので、お祝いされてから、この1、2週間くらいは余韻に浸りたいと思っています」

──1回現役を辞めて戻ったという経緯がありますが、あらためて格闘技に戻ってきてよかったなという思いはありますか?

「今だから言いますけど、こんな状況で“戻らなきゃ良かったな”とはさすがに言えないと思いますけど、やっぱり良かったと思います。人生充実しているし、格闘技やってると、こんなことばかりやっているから辞められなくなるし、他に楽しいこと見つけられなくなっちゃうからね。良くないですけどね。今回も格闘技しかやってなくて、自分の仕事だったり家族を全く疎かにしてしまったので、これを40歳でやってるのどうかなって、ダメ人間だと思ったのですが、勝ったので周りは許してくれると思います。所さんにも勝ってもらって祝勝会をやる予定なので、あの人に勝ってもらって。まだ僕のRIZINは終わっていないです。来週も含めてRIZINなので。『RIZIN秋のツアー』みたいな。本当にあの人に勝ってもらって、一緒に酒を飲みたいですね」

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