YouTubeはどう伝わったのか
──この騒動のひとつの要因としてピットブル陣営が主張しているのは「YouTubeで悪口を言いながら、会うと普通に接してきていた。それでいざ試合でパトリシオが負けると喜んでいた。だから会場で先にパトリッキーが手を出したからといって被害者のような顔をするな」というものでした。
「まず、自分のYouTubeの内容についてピットブル兄弟は『俺たちがまるで娼婦のように(朝倉兄弟から)お金をもらって、日本に来ているかのように言っている』と、まるで自分がピットブル兄弟を揶揄したように捉えていること、そしてそれを聞いた日本人の皆さんは、あのYouTubeを確認せずにそれを鵜呑みにしています。自分はあの動画でピットブルの誹謗中傷はしていませんし、見ていただければそれは分かるはずです。
『(今回朝倉兄弟と練習していて、前回の来日の際にサポートしていた)萩原(京平)は大丈夫?』や『浮気』と言ったことなども、冗談で笑って言っているのは動画を見れば分かると思いますし、すぐに『ピットブルを応援している』と言っています。最後まであの動画を見て、日本人としては誹謗中傷しているとは思わないと思うので、どの部分が誹謗中傷と捉えられているのかが疑問な状態です。ピットブル本人たちは日本語は分かりませんから、冗談のニュアンスを伝えずに翻訳されて伝えられていると思います」
──確かに、切り取られてしまうと文脈やニュアンスは伝わらず、さらにその言葉尻だけを悪意を持って伝えられたら齟齬や誤解が生じるでしょう。
「僕は20年以上日本に暮らしていて、一応日本語を喋りますが、そんなに流暢じゃない。100%の言葉を覚えていなくて。日本のYouTube文化をまず理解してほしい。試合の予想動画を上げたりするのってすごく一般的ですよね。どっちが勝つかな? 負けるかな? ということを一般的にやる。ピットブルをことさらに悪く言うためにYouTubeをやったわけでもなんでもなく、この時に自分は日本語を使っていて、インターネットのミーム的なものを引用しただけなんです。
それは『朝倉が(旅費等の)お金を出すから、早めに日本で練習して技術交換をしないかと誘い、そのことが、萩原と朝倉はライバルで、ピットブル兄弟と練習していた萩原を振った形になって、乗り換えた? 大丈夫』というものでした。そこで、“XXX”なんて言葉は出していません。萩原が変わらず彼らと仲良くしてることも知ったうえで、自分はインターネットのネタでジョークを言っただけでした」