MMA
インタビュー

【超RIZIN】ピットブル兄弟と乱闘騒ぎのクレベル・コイケ「不意打ちも逃げてもいない。突き飛ばされて、自分がやり返したことは正しくなかったけど、一人の人間として──」

2023/08/03 12:08

観客の前で突き飛ばされた。これは間違ってる、と思いました

──それは観客がいる前で、ということですね。

「そうです、みんなの前です。このときに彼が言ったのは、『お前は裏切り者だ。相手の応援をした』と。『パトリシオの試合の前に廊下で会ったときには“グッドラック”と言ったのに、弟が倒れて喜んでいるじゃないか』と。続けざまに『お前はYouTubeで俺たちの悪口を言っていて、そういうことが好きなんだな』と言い放って、いきなり自分を突き飛ばしてきました。

 そしてピットブル陣営たちがパトリッキーを引き連れて帰っていきました。動画を見てもらえれば分かりますが、彼の押す力が強過ぎて、もし柵がなければ天井を見上げることになっていました。その時に『いや、俺はね』って説明しようとしたのに、もうまったく一言も喋る暇も与えず、そのままドーンっと突き飛ばされて去っていって、何の反論もできなかった。

 それから、自分の席にRIZINのスタッフが来て、何があったのか聞かれました。『自分は何もしていない、ただそこに呼ばれて座っていただけなのに、彼から急に、“相手を祝していた”と言ってきて、突き飛ばされた』」と。『日本だと先に手を出した方が悪いだろう?』と。その時にRIZIN側は『分かった、あとでBellator側と話をするよ』と言って、『えっ、何の抗議もしないの?』と。何というか、流されたように感じました。向こうが先に手を出してきたのに、自分を守ってくれないのか? という気持ちになりました。パトリッキーに突き飛ばされたとき、近いところにBellatorの人たちもいたのですが、彼らはただ横で笑っていただけでした。“こんなことショウでは普通だよ”という感じで映像を撮って」

──その時のクレベル選手の気持ちとしては、ファンの前でそんなことをされたのが屈辱的だった、ということですか。

「“これは間違ってる”と思いました。RIZINパートでしたから、RIZINは自分のホームです。その中で、外から来た人間が自分を突き飛ばして暴言を吐いたのに、それが罷り通っていいのか? と。ファイターとしてではなく自分の男としての尊厳を傷つけられた気持ちでもありましたし、さらにそこからRIZINに相談しても『分かった、あとでね』とすぐに対処してもらえず流されてしまったことで、自分は傷つけられたのに“誰も守ってくれないんだ”と。そこで怒りの感情が込み上げて、スイッチが入ってしまった感じです。いま思えば、彼らも大会中で大変だっただろうし、何らかの形で動いてくれていたのかもしれませんが……」

──その状態でクレベル選手はメインの試合まで観戦したのですか。

「見ていません」

アド(マネージャー) 5分から10分くらいでしょうか、RIZINと話した後で、クレベルが1人で控室のほうへ走って行ってしまったんです。その頃にはマルキーニョス、鈴木博昭、ヒロ(・ヤマニハ)、エベルトンたちが『クレベルが揉めているぞ』となって近くに来ていたので、みんなで『クレベルを止めないと!』となって後を追いかけました。

──つまりその勢いでピットブル陣営の控室に向かった、ということですね。

「そうです。1人で控室に行って、バン! って勢いで入ったから、向こうはみんな立ち上がってこちらを見ていました。そしてパトリッキーに面と向かって、『さっき会場で自分を突き飛ばしたよね? その件について解決しよう、今から』と言ったんです。ここは彼らの言い分と食い違ってくるのですが、彼らが話しているような感じじゃなかった。言ってみれば、自分が勢いよく乗り込んだことで、向こうはみんなすぐに臨戦体制になっていたんです。そして面と向かっていて、蹴った」

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