(C)RIZIN FF/ゴング格闘技/Wakahara Mizuaki
2023年7月30日、さいたまスーパーアリーナで開催された『超RIZIN.2』のメインイベントにて、ヴガール・ケラモフ(アゼルバイジャン)が、朝倉未来(トライフォース赤坂)を1R 2分41秒、リアネイキドチョークで極めてタップを奪い、RIZINフェザー級のベルトを巻いた。
161秒の一本勝ちはどのように起きたのか。
外足の取り合いから、サウスポー構えの朝倉の前足へアプローチ
スタンドでの立ち合いは慎重だった。サウスポー構えの朝倉に対し、オーソドックス構えのケラモフの喧嘩四つの形。
ケラモフは右の蹴りをロー、ミドルと3発。さらに左のサイドキックでけん制。蹴りを出すことで距離感を確認し、それが後のテイクダウンへのフェイントにもなった。
朝倉も前手を触りながら、得意の左テンカオ・ヒザ蹴りのカウンターを狙っていたが、互いに蹴りが当たる距離で、先手を取ったのはケラモフ。テイクダウンを警戒する朝倉は、後手に回る出だしだった。
ケラモフは左前足を内側に向けていたが、互いに「外足」の取り合いのなか、朝倉が右ジャブのフェイントでステップインした瞬間、ケラモフの左前足と当たるくらいの距離に。
その右ジャブを伸ばしたところに、ケラモフは左足を朝倉の右足の外に踏み込み、右前足にシングルレッグ(片足タックル)テイクダウンに入った。
いつものオーソドックス構え同士の前足は、左足になり、ケラモフは利き手をすぐに伸ばすことが出来る。今回の喧嘩四つで、ケラモフはこの位置取りとタイミングで、サウスポー構えの朝倉の右前足を掴んでいる。
片足立ちになる朝倉に、掴んだ右足を両手で胸元まで持ち上げ、左足で朝倉の左足を刈ろうとするケラモフ。得意の軸足刈りを試みるが、朝倉は巧みなバランスで刈られず。ならばとすぐにケラモフは右足を掴んだまま押し込んで朝倉の体勢を崩すと、左手で足を掴んだまま、右フック!
前戦で堀江圭功が一瞬気を飛ばされた「際」の強打を2発打ち込むと、半身のままの朝倉の腰を左腕を回して抱き、右手とクラッチしてボディロック。左足を大きく踏み込んで軸足をバックステップさせないように固定して後方に投げた。
この瞬間、ひとつのアクシデントもあった。