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【超RIZIN】ケラモフが朝倉未来に一本勝ちでフェザー級王者に! アーチュレッタがバンタム級王者に、伊澤星花が一本勝ち防衛、緊急参戦の鈴木千裕がパトリシオをKO、ムサエフがアキラをKO、イゴールが1R 一本勝ち! 伊藤がヒロヤにスプリット判定勝ち

2023/07/30 16:07
『超RIZIN.2』速報 2023年7月30日(日)さいたまスーパーアリーナ(※選手名からインタビュー)U-NEXT配信→昼の部の「Bellator」パート速報 ▼メインイベント 第8試合 RIZINフェザー級(66.0kg)タイトルマッチ 5分3R×朝倉未来(トライフォース赤坂)=66.00kg[1R 2分41秒 リアネイキドチョーク]〇ヴガール・ケラモフ(アゼルバイジャン/ORION FIGHT CLUB)=65.80kg※ケラモフがフェザー級王者に  無冠の“路上の伝説”朝倉未来は、フルコンタクト空手・相撲がベース。『THE OUTSIDER』を経て、DEEP、ROAD FC等で活躍し、2018年8月にRIZIN初参戦。7連勝をマークするも、2020年11月のRIZIN初代フェザー級王座決定戦で斎藤裕に判定負けで戴冠ならず。  2020年大晦日の弥益ドミネーター聡志戦で1R TKO勝ちで復活するも、2021年6月にクレベル・コイケに一本負け。2021年10月に萩原京平に、12月に斎藤裕にいずれも判定勝ちで2連勝。  2022年9月にフロイド・メイウェザー・ジュニアとボクシングルールで戦い、2R TKO負け。2023年4月、1年5カ月ぶりのMMA復帰戦で牛久絢太郎に判定勝ち。戦績を18勝3敗とした。  ケラモフは2020年2月にカイル・アグォンを破りRIZINデビュー。2021年6月に斎藤裕に判定2-1で敗れるも、2022年4月に中島太一にマウントからの三角絞めで一本勝ちし、7月に山本空良に判定勝ち。2023年4月には堀江圭功をリアネイキドチョークで仕留め現在3連勝中。  クレベル・コイケの前戦・鈴木千裕戦での400gの体重超過による王座剥奪(※試合は腕十字でクレベルが鈴木を極める)から、急遽、フェザー級王座決定戦となった今回のメインイベント。  朝倉未来のセコンドには海、ケラモフのセコンドにはムサエフがつく。日本、アゼルバイジャンの国歌斉唱後、タイトルマッチ宣言。アゼルバイジャンにもこの試合は生中継されているという。  1R、サウスポー構えの朝倉、オーソドックス構えのケラモフ。グローブタッチ。中央を取る朝倉。先に右ミドルハイはケラモフも空振り。かわした朝倉は徐々に圧力をかける。喧嘩四つの構えで外足の取り合いで、お互いに慎重ななか、シングルレッグを右前足に入ったケラモフ!  片足立ちの朝倉に軸足を払おうとするが、倒れず、ロープを背にする朝倉。しかしケラモフは右のパンチからボディロック、後方にテイクダウン!  半身に倒れた朝倉に、レッグドラッグ気味の形からしっかりヒザを後方に押し下げてパスガード、マウントを奪うケラモフ! 右のパウンドを落とすとブリッジに半身になろうそするが、そこにケラモフは右ヒジ3連打! 被弾しながら腰を引き、立とうとする朝倉だが、片手を着いて立とうとする際で、右手を首下に巻いているケラモフ。  右足をかけ、右手で肩を抱き、腰がロープ外に出そうになる朝倉の首にリアネイキドチョークを堀江戦同様に横からセット! 右腕が徐々に喉下にねじ込まれるなか、朝倉はタップ! ケラモフが一本勝ちでフェザー級のベルトを巻いた。  試合後、ベルトを巻かれ、マットにひざまずいたケラモフは、「皆さん、本当にありがとう。私の横にいるのは私を格闘技に導いてくれた一番大事なトレーナーのルスランです。彼に感謝しています。まずアゼルバイジャンの国民の皆さん、私のこの活動を支えてくださった皆さん、そして全世界の皆さんに心から感謝しています。最初にムサエフがベルトを獲りました。次が私です。自分の国に誇りをもってベルトを持って帰ります。パパ、ママ、そして私の子供たち。私は本当に嬉しいです。このベルトを見てください。でもこれは私だけのものじゃなくトレーナーと一緒に獲ったものです。またRIZINの試合でお会いしたいと思います。これからも私を応援してください」と歓喜の表情で語った。 検証『なぜ朝倉未来はケラモフに敗れたのか?』 [nextpage] ▼第7試合 RIZINバンタム級(61.0kg)タイトルマッチ 5分3R〇フアン・アーチュレッタ(米国)=60.40kg[判定3-0]×扇久保博正(パラエストラ柏)=60.85kg※アーチュレッタがバンタム級王者に。  アーチュレッタは、元Bellatorバンタム級王者。『King of the Cage』で四階級制覇すると、2018年にBellator参戦。2020年9月のバンタム級王座決定戦で、日本の元谷友貴、後に堀口恭司も下すパトリック・ミックスに判定勝ちで王座を獲得した。2021年9月にセルジオ・ペティスに判定負けで王座陥落し、2022年に開幕したバンタム級トーナメント1回戦でもラフェオン・ストッツに3R KO負けと連敗したが、10月に元UFCのエンリケ・バルソラに判定勝ちし再起を遂げている。  2022年大晦日の「RIZIN vs.Bellator対抗戦」で初来日し、キム・スーチョルと大激闘の末に判定2-1で勝利。2023年5月には井上直樹を判定3-0に破り、今回の王座決定戦へコマを進めた。  当初は朝倉海がアーチュレッタと王座決定戦を争う予定だったが、左膝内側側副靭帯損傷のため欠場。代わって扇久保が王座決定戦を争うこととなった。扇久保は、RIZINバンタム級JAPAN GRAND-PRIX 2021で、春日井“寒天”たけし、大塚隆史、井上直樹、朝倉海を下して優勝。GP前の瀧澤謙太戦から5連勝をマークも、2022年9月にROAD FC王者のキム・スーチョルに判定負け。2022年大晦日には堀口恭司との3度目の対決に臨んだが、判定3-0で敗れた。  1R、ともにオーソドックス構え。左右の細かい打撃はアーチュレッタ。扇久保は左ロー。左右を振り、シングルレッグのアーチュレッタにギロチンチョークを狙う扇久保だが、足を払いつつテイクダウンはアーチュレッタ。  先にテイクダウンを奪ったアーチュレッタにフックガードで足を戻す扇久保。フルガードする扇久保を、コーナーまで運ぶ。扇久保の蹴り上げからの立ち上がりにバックを狙うアーチュレッタ。しかし正対する扇久保は離れる!  立ち上がりに大きな拍手がわくさいたまスーパーアリーナ。扇久保の左の蹴りをかわすアーチュレッタ。扇久保の詰めにワンツーのでまたもテイクダウンを奪う。フルガードから足を腰に当てる扇久保。アーチュレッタは無理にパスを狙わず上から削る。  2R、先に中央を取る扇久保。アーチュレッタは右前蹴り。扇久保の右ローは空振り。左の蹴りはかすめる。左ハイは空振りも組んだ扇久保が両差し。しかしコーナーでかんぬきから体を入れ替えたアーチュレッタは内無双狙い。しかしボディロックから頭をアゴ下につける扇久保は引き出そうとするが、クラッチを切るアーチュレッタが大内刈!  崩れるもすぐに立つ扇久保。右で差して押し込み。またも体を入れ替えようとするアーチュレッタだが、クラッチを組む扇久保。しかし切るアーチュレッタは離れる。  左ミドルのアーチュレッタに、ワンツースリーと歩きながら前に出るアーチュレッタ。しかしさばいた扇久保がシングルレッグ! 差し上げて左小手に巻くアーチュレッタは手首を掴み、突き放す。扇久保は左の蹴りで前に出るもそこに右ローのアーチュレッタにスリップ。パウンドを狙うアーチュレッタに扇久保は足を利かせる。  3R、ハグをかわす両者。アーチュレッタの前進に、右から左の返しを当てる扇久保! さらに左ローもその蹴り足を掴みに行くアーチュレッタ。四つに持ち込み押し込む扇久保の離れ際に逆に詰める。  左ヒザの扇久保に、右アッパーを狙うアーチュレッタ。右ハイと蹴りを織り交ぜて左足にシングルレッグの扇久保も、アーチュレッタの左足がロープにひっかかりストップドントムーブ。  足を抜いて再開も両足をスプロールしたアーチュレッタはバックへ! ボディロックから右手首をコントロールするアーチュレッタに横回転しながらエスケープを狙う扇久保。バックコントロールするアーチュレッタは、ボディロックから再三崩して、立ち上がった扇久保持ち上げ、再び亀にしてゴング。最後に扇久保が立ち上がるもバックを取られたままゴング。  判定は3-0でアーチュレッタが勝利。RIZINバンタム級新王者は、試合後のリング上で、朝倉海の名前を出して、「カイ、お前がそんなことをしているなら、俺はBellatorのベルトを獲りに行くぞ」と厳しい言葉を投げかけた。  試合後、リング上で妻とキスをかわしたアーチュレッタは、フェンスを越えて、来場した両親のもとに歩み、ベルトを披露し、ハグをかわした。 [nextpage] ▼第6試合 RIZIN女子スーパーアトム級タイトルマッチ 5分3R〇伊澤星花(フリー/王者)=48.60kg[1R 1分04秒 ニンジャチョーク]×クレア・ロペス(フランス/挑戦者)=48.90kg  伊澤は、MMA10勝無敗の現RIZINスーパーアトム級王者&現DEEP JEWELSストロー級王者。2022年12月の「RIZIN.40」大晦日大会での女子スーパーアトム級ワールドGP決勝戦では、パク・シウと約1年2ヵ月ぶりに再戦すると判定2-1で勝利。GPを制した。2023年5月の前戦では「DEEP JEWELS 41」でアム・ザ・ロケットを1R 三角絞めで極めている。  ロペスは元UFCのブラッド・ピケット門下生。RIZIN初参戦となった2023年4月の「RIZIN LANDMARK 5」でRENAと対戦し、3R終了間際にヒザ十字でタップを奪い勝利している。2連勝中でMMA8勝4敗。  1R、先に右ローの伊澤。組んで来た伊澤にロペスはアームロックから回すが、崩れて伊澤が上に。ハーフから首を抱えるが、そこで立ち上がるロペス。伊澤は首を抱えたままスタンドで二の腕に組んでニンジャチョーク! 片ヒザ立ちのロペスは伊澤の腿にタップした。  試合後、伊澤は「DEEP JEWELSストロー級王者、RIZINスーパーアトム級王者の伊澤星花です。どうですか、自分、強かったですよね? 女子格闘技もしっかり一本で勝てればスカッとしますよね。もっともっと女子格闘技を見てもらえたらと思います。これからも世界の強い相手を倒していきます。皆さんぜひいっぱい見てください。あと、7月に自分とCOROさんとジムをオープンしました。勝ったので今月は入会金無料で始められます」とPRも混ぜて、女子格闘技をマイクアピールした。 [nextpage] ▼第5試合 RIZIN ライト級(※70kg)5分3R×パトリシオ・ピットブル・フレイレ(ブラジル/ピットブル・ブラザーズ/Bellatorフェザー級王者)=68.55kg[1R 2分32秒 KO] ※右フック〇鈴木千裕(クロスポイント吉祥寺)=70.0kg  パトリシオは、2014年9月にパット・カランを破り、フェザー級王座を獲得。一度は手放したものの2017年4月にダニエル・ストラウスに一本勝ちで王座奪還。2019年5月にマイケル・チャンドラーに1R TKO勝ちでライト王座も獲得し、二階級同時王者となっている。  2021年7月のAJ・マッキーとの初戦でフェザー級王座陥落も、2022年4月の再戦で王座奪還。2022年10月にアダム・ボリッチを判定で下し、フェザー級王座を防衛。大晦日の前戦ではRIZIN同級王者のクレベル・コイケにも判定勝ちしている。しかし2023年6月、さらに減量してBellator世界バンタム級正規王者セルジオ・ペティスに挑むも判定負けで三階級制覇を逃した。  鈴木は、初代KNOCK OUT-BLACKスーパーライト級王者。ペルー人の父と日本人の母を持つハーフで、3歳から伝統派空手を始め、中学生でMMAに挑戦。2018年のPANCRASEネオブラッド・トーナメントフライ級で優勝を果たした。  キックとMMAの二刀流で戦い、MMA戦績10勝3敗1無効試合。2021年9月にRIZINに初参戦し、昇侍に敗れたものの、山本空良、平本蓮、萩原京平、2022年11月の前戦では今成正和も判定で下し、大晦日には中原由貴を初回TKOに仕留めた。5連勝の勢いで2023年6月、クレベル・コイケに挑むも腕十字で敗れた(※公式結果はクレベルが体重超過したため無効試合)。  コールに刀を鞘から抜いてけさ斬りの姿を見せたパトリシオ。鈴木のリングサイドには五味隆典の姿。  1R、中央を取る鈴木は右から左をかすめる。さらに右のロングフック。ここは距離で外すパトリシオは右カーフを当てる。鈴木は左ハイも。ブロックするパトリシオ。  鈴木は左フック、パトリシオのガード上ながらテンプルに当たり、パトリシオが足を泳がせ後退! 右ストレートを避けて組むも切られ、コーナーを出て、判定コーナーへパトリシオはエスケープ。   追う鈴木は、パトリシオを反対コーナーに詰めて、パトリシオの下がりながらの左を被弾しながらも、前進して右ストレート! 左を振っていたパトリシオはカウンターで浴びて前のめりにダウン! 緊急参戦の鈴木が、緊急参戦のパトリシオを70kgで下した。  鈴木は、「言ったよな、俺が『超RIZIN』で稲妻落としてやったぜ! おっしゃー。前回、(クレベル戦)滅茶苦茶悔しかったんで、やり返しましたよ!」と絶叫。  試合後、リングに上がった榊原信行CEOは、「負ける勇気を持って勝ちに行った千裕をほめてやってください」と賞賛した。  また、9月24日に鈴木と同じフェザー級で牛久絢太郎vs.萩原京平のカードを行うことを発表した。 [nextpage] ▼第4試合 ライト級(71.0kg)5分3R〇トフィック・ムサエフ(アゼルバイジャン/ORION FIGHT CLUB)=70.55kg[2R 1分11秒 TKO] ※左フック×アキラ(日本/武蔵村山さいとうクリニック/&MOSH)=70.80kg  ムサエフは、MMA20勝5敗。2019年の「RIZINライト級GP」でダミアン・ブラウン、ジョニー・ケース、パトリッキー・フレイレを下して優勝。コロナ禍を経て、2021年6月の「RIZIN.28」のライト級王座戦でホベルト・サトシ・ソウザに一本負けで戴冠ならず。  2022年7月の「Bellator 283」でシドニー・アウトローを27秒KOする衝撃Bellatorデビューを飾ったものの、2023年3月のBellatorライト級ワールドGP1回戦ではアレクサンドル・シャブリーのボディへの前蹴りを受けて3R TKO負け。今回が再起戦となる。RIZINアゼルバイジャン大会も熱望するムサエフは、「僕の(国際的な)キャリアはRIZINで始まったので、キャリア最後の戦いもRIZINで終わりたい」とRIZIN公式YouTubeで語っており、集大成の戦いとなるか。 アキラは2021年にRIZINに初参戦。阿部大治、鈴木琢仁を相手に2連勝を飾るも、2022年3月に大原樹理に判定負けを喫して以降は、PANCRASEに参戦。2022年9月に松本光史を3R、スーパーマンパンチでKOに下してPANCRASE暫定王者となると、2023年4月にはPANCRASE正規王者・久米鷹介に判定勝利し、王座統一。第8代ライト級キング・オブ・パンクラシストについた。2022年3月の『RIZIN.34』での大原樹理戦でのスプリット判定負け以来、約1年4カ月ぶりのRIZIN参戦となる。  1R、サウスポー構えのアキラに、オーソドックス構えのムサエフ。右ミドル、左ローのムサエフ! その入りに右前手のフックを狙うアキラ。  ムサエフは右前蹴りを腹に。2発目はかわすアキラ。左を振って組みに行くが、突き放すムサエフ。アキラは右を突いての飛び込み。ムサエフの左の蹴りに合わせて右フックを突く。  シングルレッグを狙うアキラに足を引き、切って、右フックを当ててダウンを奪うムサエフ! さらに右ミドルも、頭を振りながら左を狙うアキラは、ロープの反動を利して打ち返し、このピンチをしのぐ。  右前蹴りのムサエフ。さらに右フックのムサエフは右前蹴り、ハイキック! それでも 倒れないアキラは右をカウンターで狙う。  2R、アキラの左ストレートに右ミドルを合わせるムサエフ。アキラは左右で果敢に前に出るが、体を入れ替えたムサエフは、左を当てると、打ち返してきたアキラの右をかわして左フック! アキラが前のめりに崩れ落ちた。  試合後、ムサエフは「日本、愛してます。また日本に戻って来て勝ててうれしいです。世界の皆さん、アゼルバイジャンの皆さん、応援に感謝します。アゼルバイジャン!」とマイクで語った。 [nextpage] ▼第3試合 バンタム級(61.0kg)5分3R×瀧澤謙太(Fired Up Gym)=60.90kg[1R 4分34秒 TKO] ※場外逃避した瀧澤に左フック〇太田 忍(パラエストラ柏)=61.00kg  バンタム級の瀧澤は、MMA13勝9敗。2021年大晦日のバンタム級GP準決勝で朝倉海に判定負け。2022年12月の前戦では井上直樹にも一本負けを喫し、復帰戦を勝利で飾れず、2連敗からの再起戦となる。 太田は、2016年リオ五輪グレコ59kg級銀メダリスト。2019年世界選手権では63kg級で金メダル獲得。MMA3勝2敗で2022年7月に元谷友貴に判定負けも、2023年4月の前戦でレスリング時代のライバル・倉本一真に1R、右フックでKO勝ち。バンタム級上位戦線を目指す。  1R、ともにオーソドックス構え。左右にステップし、前足に関節蹴りの瀧澤。太田の遠間からのワンツーでコーナーに詰めての組みは切る瀧澤。オーソから左の上段蹴りを突く。  太田の右ローに、ジャンピングスピンキックを当てる瀧澤! しかしその蹴り足を掴む太田は立ち上がり。さらに右の後ろ廻し蹴りを見せる瀧澤。  左ジャブを当てるが、そこに詰めた太田はボディロックで後方に投げてクラッチは外さず。コーナーに歩く瀧澤だが、剥がして回す太田。  立ち上がる瀧澤は片ヒザ立ち。腰をクラッチして回す太田にすぐに立ち上がる瀧澤だが、太田の組みにロープ外に頭を出してしまう。  ドントムーブで頭を中に戻して、再開。コーナーに歩く瀧澤は後方から太田の左フック、さらに左ヒザを被弾! たまらずみたびロープ外に頭を出して場外逃避のままパンチを浴び、ガードはしていたものの、リングに身体を戻せず。レフェリーがストップした。  TKO勝ちした太田は、「また一本取れなかった。ストライカーみたいな試合をしてしまいました。そんなことないかな(笑)。榊原さん、9月でもいいので出してください。次は一本、取ります。瀧澤選手、バンタム級のベスト4ということで、もう少し上の選手とやる権利があるんじゃないでしょうか。朝倉海選手の復帰戦の相手でもいいですし、今日の試合で(同門の)扇久保選手に勝ってもらって、(フライ級に戻って)返上してもらって僕がチャンピオンになります」とアピールした。 [nextpage] ▼第2試合 ミドル級(84kg)5分3R×阿部大治(フリー)=83.80kg[1R 4分34秒 ヒールフック]〇イゴール・タナベ(セラヴィー)=83.65kg  DEEPとPANCRASEでウェルター級のベルトを巻いた阿部は、MMA12勝6敗。UFC、ONEにも参戦経験を持ち、RIZIN同級ではストラッサー起一、マルコス・ヨシオ・ソウザ、田村ヒビキ相手に3連勝。2023年2月のDEEPで鈴木槙吾に一本負けで再戴冠を逃している。  イゴールは、競技柔術で“日本最強の黒帯”。2021年9月4日のJBJJF全日本ノーギ選手権でスーパーヘビー級、無差別の全試合を腕十字で勝利しダブルゴールドを獲得。MMAではこれまでミドル級からライトヘビー級で戦い、2021年10月のHEAT48でMMAデビューし、清水洸志を1R 三角絞めで極めて勝利。2022年12月の『巌流島』ではメルヴィン・マヌーフをヒールフックに極めて、MMA2勝目を挙げている。練習経験もある阿部とミドル級で戦う。  1R、ともにオーソドックス構えから。スイッチを見せる阿部の踏み込んでのワンツーの右ストレートに尻もちを着いたイゴールだが、すぐに立ち上がり。阿部も深追いはせず。左ハイを見せるイゴール。  ワンツーの右の阿部をかわしてダブルレッグテイクダウン! しかし阿部は立ち上がりにサードロープの上から上半身を出してしまう。中に入っての再開から突き放す阿部。  ワンツーの右の阿部! イゴールは前足にシングルレッグ。頭を押して切る阿部。スタンド、右ローのイゴールに右を当てる阿部。左ハイはイゴールがかわす。  左ジャブを見せたイゴールは、右を振って組んで阿部の右足に草刈狙いから外がけ、阿部がその外掛けを外さず内側に右足を移したところで右脇にかかとを挟み、サドルの形で内ヒールフック! 阿部からタップを奪った。  試合後、イゴールは、「初めてでほんとうにキツい、ほんとうに楽しかったです。無茶苦茶楽しかったです。いろんな人が支えてくれましたが、一番、支えてくれたのは僕の奥さんで、この勝利も、ここにいるのも全部、奥さんのおかげです。たぶん、10月試合、全然、出来るんで試合を組んでください」と日本語で語り、その後に、ポルトガル語で、最後に英語で周囲に感謝の言葉を語った。 [nextpage] ▼第1試合 58kg契約 5分3R〇伊藤裕樹(ネックス)=57.85kg[判定2-1]×ヒロヤ(トライフォース赤坂)=57.70kg  伊藤は、RIZINで中村優作、宮城友一にいずれもTKO勝ちするなど、2022年5月から4連勝。DEEPフライ級GPでは準決勝で本田良介に判定負けで決勝進出ならず。2023年5月の前戦では復帰した山本アーセンに判定負けで2連敗となっている。  ヒロヤは、バンタム級からフライ級に転向し、プロMMA戦績は8勝10敗1分。BreakingDownではMMAルールで2勝、キックルールで1敗。DEEPフライ級近辺では、2022年2月に伊澤星花の弟の風我に判定負けも、その後、ひろとと新垣健司に一本勝ちで2連勝。2023年5月の前戦では58kg契約で安谷屋智弘に判定負けしている。  ヒロヤのセコンドには、RIZINで鈴木博昭に敗れた西谷大成。  1R、サウスポー構えの伊藤。オーソドックス構えのヒロヤ。伊藤のジャブに遠間に立つヒロヤ。伊藤の左にシングルレッグに入るが、差し上げる伊藤がヒロヤのバック狙いを潰して上に。ヒロヤの立ち上がりにヒザを突く。  左のパンチのフェイントから左ヒザの伊藤。右を振り詰めるヒロヤはスタンドバックに。しかしクラッチさせない伊藤にコーナー際でヒロヤはシングルレッグ。頭をマットにつけた伊藤はキムラクラッチから正対。  なおも組みくるヒロヤにがぶりから首相撲ヒザ。離れるヒロヤに左ボディストレート。伊藤のハイキックにシングルレッグを合わせるヒロヤ。そこを潰した伊藤に、スクランブルで立ち上がるヒロヤ。前蹴りを当てる伊藤にコーナーに詰めてシングルレッグはヒロヤ。回してテイクダウンし、伊藤の立ち際にヒザを突く。  2R、右ジャブ、左インロー、左ハイの伊藤。ブロックするヒロヤは伊藤の左ストレートに合わせてシングルレッグ。コーナー背に凌ぐ伊藤は左足を外に出すが、脇を潜りスタンドバックに。  正対した伊藤にダブルレッグから投げの打ち合いで上になるヒロヤ。アームロックから亀になり、巻き込み前転で上になる伊藤。立ち上がったヒロヤに、右アッパー、左右で前に出る伊藤は、左ヒザ! さらに左ボディ! 左縦拳。伊藤は詰めて小内刈テイクダウンを狙うが、そこにニンジャチョーク狙いのヒロヤ。サイドに出る伊藤はハーフで上からヒジをこすりゴング。  3R、右カーフを突く伊藤は、ヒロヤの組みを切って、体を入れ替え左右ラッシュ! さらに崩して上に。バックに回りシングルバックでチョーク狙い。4の字ロック。しかし正対し立つヒロヤはボディロックから後方にジャーマンスープレックス! しかし横回転の伊藤は、立ち上がり。  そのスタンドバックにつくヒロヤは後方に崩して肩固め狙い。さらに立つ伊藤に後方への反り投げ。しかし投げ切れず上に乗った伊藤が左右からヒザ蹴り。その蹴りを掴み、ギロチンチョークは伊藤。サイドに出たヒロヤが首を抜いたところでゴング。  打撃で攻勢の伊藤に、コントロールのヒロヤ。判定は2-1に割れて、伊藤が勝利。場内はヒロヤの奮闘に大きく沸いた。伊藤は笑顔なく勝者コールを受けた。  試合後、伊藤は「ちょっと試合前に言うこと考えてたんですけど、ヒロヤ選手がすごく強かったんで、飛んじゃいました。RIZINはそんな甘い舞台じゃないんで、強くなったらまたやろうぜ。でも、ヒロヤ選手の気持ちがすごく伝わった試合なので、もう一度、ヒロヤ選手に拍手を送ってください」と健闘を称えるも、「最後に一言、ヒロヤ選手に僕から。『引退、お疲れ様でした』」と、試合前のヒロヤの「負けたら終わり」の言葉を受けての引退を労ったが……。
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