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2023年7月2日(日)東京・後楽園ホールで『skyticket Presents DEEP 114 IMPACT』が開催され、メインの「DEEPメガトン王座戦」で王者の酒井リョウ(レンジャージム)が、挑戦者の水野竜也(フリー)を1R 44秒、左右フックを効かせてのパウンドによるTKOで下し、初防衛に成功した。
両者は2019年10月に対戦したが、酒井がグラウンド状態の頭部へのヒザ蹴りで反則負け。約3年8カ月ぶりの因縁の再戦だった。
酒井は、2022年11月の「DEEPメガトン級暫定王者決定戦」で赤沢幸典を1R、33秒でTKOして同級王座についており、今回の防衛で4連勝。
試合後、酒井はリング上で「2つだけ言いたいことがあります。僕もう残り少ないんで、DEEPに出るのはあと2回。さっきベルトを持ってチャンピオンが並びましたけど、韓国(BLACKCOMBAT)との対抗戦のメガトン級は俺でいいですよね? あと最後は一番強いヤツとやりたいので、佐伯さん、ジョシュ・バーネットを呼んでください」と語った。
その真意はどこにあるのか。バックステージでの囲み取材で酒井は、これまでに心残りだった試合や、やり残したことについて語った。
RIZINはキックボクシングしか出てないから、MMAでDEEPチャンピオンとして戦いたい
──試合を振り返っての率直な感想は?
「前に出られたのが良かった。下がるとタックルに入られるのでプレッシャーを与えられたのが勝因じゃないですか」
──前戦からの因縁もありました。
「勝った方が全部持っていく。負けたらいろいろ言われるだろうし、そんななかでKOで勝てたのは嬉しいです」
──試合後には、DEEPではあと2試合と?
「36歳でDEEPではあと2戦で区切りをつけたいと思います。韓国(BLACKCOMBAT)との対抗戦と、あと1人、最後強いヤツとやって自分のベストパフォーマンスを見せられたら。もちろん格闘技は続けます。柔術とかこれまで自分が出来なかったことに挑戦するのはやりたかったことなので」
──最後がどんな試合になったとしても強豪と戦いたいと?
「そうですね。最後、自分がもし負けたとしてもそれが格闘技なんでしょうがない」
──キャリアが傷つかずに辞めるのではなく?
「そんな甘くないです。僕も格闘技が好きでやってるから、強いやつと戦うのが格闘技だし、それが勇気を与えることになる。楽な相手とやってもしょうがない。強いヤツとやって結果がどうなろうとチャレンジしていきます」
──では、まずは9月18日の『BLACKCOMBAT』との対抗戦ですね。
「韓国ではUFCファイターのジョン・ダウンに負けてる(2017年7月のTFC)んで、次は日本で韓国人選手と戦えるのは、絶対に日韓戦は盛り上がるんで、そこは負けられない。あとはモンゴルで(MGL-1 vs. DEEP)対抗戦で見込み一本みたいな形で肩固めでやられてるんで、そういうのも含めて、次は日本で応援してくれている人の前で、必ず勝ちたいと思います。練習では(同じ対抗戦に出る)鈴木慎吾選手ともやっているんで、一緒に対抗戦に出るのはひとつの目標でもありました」
──ラストマッチは?
「DEEPではあと2戦と言いましたが、できれば上の舞台で、みんな僕より実力あるか分かりませんけど、スダリオ剛選手とか、この間(関根“シュレック”秀樹に)勝った上田幹雄選手とか、そういう選手とやってみたいですね。ベルトを持っているんで発言権はあると思うんで。刃牙も好きですが、僕は何のバックボーンも無いですけど、相手が相撲や空手、そういうやつに僕みたいな何もないやつが戦うのもいいなって。
戦ってみたいですね。2人とも若いし。自分が、年上(42歳)の水野選手に立ち向かったように、若手が僕に繋ぐパスじゃないですけど戦ってみて。全部奪われるかもしれないですけど、それが格闘技だと思うんで、チャレンジしたい。
RIZINの舞台は僕、キックボクシングしか出てなくて(※20年2月に)実方(宏介)選手に負けちゃったんですけど、そこにMMAで戦うことを待ち望んでいるファンもいるんで」