MMA
レポート

【修斗】リオンがヘルフォートに完敗、ONEから凱旋・佐藤将光、高橋遼伍が勝利。黒部がイェジを失神チョーク葬。倉本が平川を35秒KO! 田丸は新階級で勝利、内藤が青井とのスクランブル戦を制す

2019/07/15 18:07

▼第8試合 48kg契約 5分3R
○黒部三奈(47.9kg/マスタージャパン)※元DEEPJEWELSアトム級王者
[2R 4分48秒 リアネイキドチョーク]
×イ・イェジ(47.9kg/韓国/TEAM J)

修斗の女子王座制定の機運が高まる中、「初代修斗女子王者」の称号を得るべく修斗に電撃参戦する元DEEPJEWELSアトム級王者・黒部三奈。7月15日(月・祝)の18時から開催される修斗・後楽園ホール大会では、韓国のイ・イェジ(TEAM J)と対戦する。

国内外のトップ選手と凌ぎを削ってきた黒部だが、修斗は初参戦。所属するマスタージャパンの弘中邦佳、松本光史など修斗の歴代王者の戦いを目の当たりにしてきた黒部にとって、「修斗の世界王者」には特別な思いがあるのだろう。

対するイェジは柔道、キックボクシング、韓国の打撃あり柔術ゴンコンユスルをバックボーンに持ち、過去に渡辺久江、しなしさとこら日本の強豪と対戦。しなしとの再戦では勝利も収めている。黒部からDEEP JEWELSのベルトを奪った前澤智とも2017年に対戦しており、判定0-2で敗れたが打撃で圧倒する場面もあった。黒部にとっては勝つことはもちろん、勝ち方でも実力を測られる一戦になりそうだ。

1R、ともにオーソドックス構え。黒部の前進を右に回りさばくイェジは左ジャブ、右の関節蹴りも。詰めて首相撲ヒザは両者イーブン。左で差して詰める黒部。シングルレッグへ。

そこにノーアームギロチンチョークはイェジ! 首を外す黒部は再びシングルレッグへ。そこからダブルレッグへ移行して尻下でクラッチしてテイクダウン! 抑え込まれる前に立つイェジ。そこに首相撲ヒザは黒部。突き放してさばいて右ミドルがイェジ! しかし黒部はボディロックからバックに回りテイクダウン! 亀のイェジに背後から黒部はパウンド。

2R、頭を下げて左右で前に出る黒部はボディロックテイクダウン! ギロチンを狙うイェジの対角に回り首を抜くと、背後から腕を取り、コントロール。足を刈り、右手でパウンド。さらにサイドを奪いパウンド。腰を切り足を戻すイェジ。黒部は中腰からパウンド。シングルレッグから立とうとするイェジをがぶる黒部。

パウンドからバックを奪い、アゴ上からリアネイキドチョーク。パームトゥパームにクラッチを変え、イェジの足を伸ばし喉元に腕を入れるがイェジはタップせず。最後は組手を再び頭後ろに変えて絞めると、イェジは白目になり、失神した。

修斗とONEのパートナーシップ契約により、修斗王者がONE参戦権を獲得するなか、黒部はプロモーションを変えて王座を目指し、その先を見据える。

黒部「右腕がパンパンです。私の周りの人はいつも厳しくて褒めてくれないので、試合が終わったら褒めてください。初参戦でプレッシャーあって勝ててホッとしています。女子のベルトを作る噂がちらほら聞こえてくるので、そのベルトを狙います」

▼第7試合 バンタム級 5分3R
×平川智也(60.9kg/同級世界6位/マスタージャパン)
[1R 0分35秒 KO]
○倉本一真(61.0kg/修斗GYN東京)

1R、サウスポー構えの平川は遠い距離をバックステップで保つ。オーソドックス構えの倉本は近距離からさらに詰めると平川は右ストレート。

そこに倉本は頭を下げて左でヒザを触りながら右フック! まともに食らった平川は後方に倒れた。

倉本「たまたま自分のパンチが当たって。これからもこんなパンチやジャーマンだったり、誰よりも強い倉本一真でやっていくので、応援よろしくお願いします」

▼第6試合 バンタム級 5分3R
○田丸 匠(61.0kg/NASCER DO SOL)
[1R 3分39秒 腕十字]
×一條貴洋(61.1kg/ブレイブハート)

昨年11月17日後楽園ホール大会の計量前日に脱水症状で搬送され、試合を行うことが出来なかった田丸匠(NASCER DO SOL)が復活の時を迎える。前回は最悪の形でファン、関係者を落胆させる事となったが、今回はきちんと準備期間を設け、1階級上のバンタム級に対応できる身体を作ってきたか。

迎え撃つのは2016年に新人王に輝き、技能賞も獲得した東北の実力者・一條貴洋(ブレイブハート)。上位ランカーとの対戦では肉薄するも納得のいく結果は得られず、昨年3月から戦線離脱。約1年間の充電期間中に欠点を見直し、練習環境を整え今回の再起戦に挑むこととなった。



両者共にリスタートとなるが、状況は異なり、一條としては絶対に負けられない一戦であることは間違いない。今や修斗の黄金の階級となったバンタム級は佐藤将光を頂点に世界ランキングを見渡して見ても、実力もさることながら個性豊かなキャラクターの宝庫。そこに天才田丸匠が加わる事で更なるカオスを巻き起こすのか? それとも一條が田丸を止めるか?

1R、田丸の跳びヒザにシングルレッグは一條。そこにノーアームギロチンは田丸。外す一條をがぶる田丸だが差して押し込む一條。しかしその際で上を取るのは田丸! 左で差す田丸はハーフからパスガード、マウント! ハイマウントにシザースを狙う一條。しかし背中を見せる一條にバック。さらに正対した一條に腕十字! 身体を起こした一條に最後は田丸がうつ伏せで腕十字を極めてタップを奪った。

田丸「勝てたけど、前回オニボウズ戦前に水抜きで倒れ、ご迷惑をおかけしました。ここに戻ってきたのは総合がMMAが好きという気持ちです。今後はまだ何も考えていないです。いいカードがあれば戦いたいです」

▼第5試合 フェザー級 5分3R
○仲山貴志(65.7kg/同級世界6位/総合格闘技津田沼道場)
[判定3-0]※29-28×3
×稲葉 聡(65.7kg/同級環太平洋10位/秋本道場JungleJunction)

2017年インフィニティリーグ覇者の仲山貴志(総合格闘技津田沼道場)と復帰以来、上位陣と肉薄する戦いを見せる好調のベテラン・稲葉聡(秋本道場JungleJunction)が激突。

仲山は2019年1月、新世代の旗手と言われる青井人(BLOWS)を相手に1R2分16秒、電光石火のリアネイキドチョークを極めて一本勝ち。得意技できっちり仕留めて健在ぶりをアピールしている。

対する稲葉は2018年7月に工藤諒司に判定0-0ドロー、2019年3月にも高橋孝徳に判定1-0ドローと実力者たちと競り合っている。極めパターンに入れば必ず一本を取る仲山相手に稲葉はバックを取られずに打撃戦に持ち込めるか?

稲葉の下克上か、仲山が今回もきっちり首を狩るか? 勝負の鍵は組みの展開にあるか。

1R、ともにオーソドックス構え。右で差して押し込む稲葉。仲山は左で小手に巻いて体を入れ替える。右で差して回して外無双でテイクダウンは仲山! レッグドラッグから背中を見せた稲葉のバックに回る。立つ稲葉に左足をかける仲山。正対する稲葉に払い腰テイクダウンは仲山。クローズドガードの稲葉は足を解き蹴り上げから立つと、すぐに追う仲山は左で差して押し込みホーン。

2R、詰める稲葉にカウンターのダブルレッグから右で差してテイクダウンは仲山。稲葉は蹴り上げからスペースを作り立つと両脇を差して押し込むと低いダブルレッグテイクダウン! 右足を両足で挟む稲葉は腰を殺しにいくが足を抜き片ヒザまで立てる仲山は立つ。右を差して押し込む稲葉だがブレーク。仲山は右ロー、さらに右の跳びヒザから着地前に右のスーパーマンパンチ! 後方に倒れた稲葉は体を入れ替え上を取り返すがホーン。

3R、左右で前に出る稲葉。しかし右一本を差す仲山は押し込む。体を入れ替える稲葉はテイクダウン。互いにリストコントロールからギロチン狙いは仲山。スクランブルから立つとバックテイクからシングルバックへ。腰をずらし立つ稲葉は足を手繰りテイクダウン!ここも立つ仲山。稲葉はダブルレッグテイクダウン。蹴り上げの足をさばきパスする稲葉がヒジを落とすが仲山は下からオーバーフック、スペースが足りない。

判定は3-0でダウン気味の打撃を当て、組みでも負けなかった仲山が勝利した。

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