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修斗の女子王座制定の機運が高まる中、「初代修斗女子王者」の称号を得るべく修斗に電撃参戦する元DEEPJEWELSアトム級王者・黒部三奈。7月15日(月・祝)の18時から開催される修斗・後楽園ホール大会では、韓国のイ・イェジ(TEAM J)と対戦する。
国内外のトップ選手と凌ぎを削ってきた黒部だが、修斗は初参戦。所属するマスタージャパンの弘中邦佳、松本光史など修斗の歴代王者の戦いを目の当たりにしてきた黒部にとって、「修斗の世界王者」には特別な思いがあるのだろう。
対するイェジは柔道、キックボクシング、韓国の打撃あり柔術ゴンコンユスルをバックボーンに持ち、過去に渡辺久江、しなしさとこら日本の強豪と対戦。しなしとの再戦では勝利も収めている。黒部がDEEP JEWELSのベルトを献上した前澤智とも2017年に対戦しており、判定0-2で敗れたが打撃で圧倒する場面もあった。黒部にとっては勝つことはもちろん、勝ち方でも実力を測られる一戦になりそうだ。
試合前に黒部は、格闘技(家)にファッション性を加えることで魅力を増幅させるプロジェクト「MXF ーエムバイエフ」にもトライ。「VHTS」年間契約のサポートアスリートとして、「HairMake UR CASTLE」にて、プロとして注目度を高めるためのヘアメイクを行った。新たな髪型で修斗のケージに挑む、黒部に意気込みを聞いた。
──プロファイターとして、最後の仕上げも行いました。ヘアメイクした感想から教えてください。
「自分が疎い部分なのでとても助かります。イケメンにして頂いたので(笑)、試合もカッコよく勝ちたいです!」
──格闘技である以上、何より強さが求められますが、黒部選手が考えるプロとアマチュアの違いは?
「プロと言ってもファイトマネーだけで生活できてるわけではないですが……責任でしょうか、難しいですね」
──実は日大芸術学部卒業という黒部選手です。どんな学生時代を過ごしていましたか。
「美術学科の絵画コースで油絵を描いていました。……アトリエのストーブでジャガイモ蒸かして食べたり、平和でのんびりした学生時代を過ごしてましたよ」
──格闘技はマーシャルアーツとも言われます。アートの世界と格闘技で似ていると感じる部分はありますか?
「アートとはなんぞや? というのは難しい問題ですけど……私の大好きな岡本太郎さんの有名な言葉に、『芸術は爆発だ!』というのがあります。芸術は生きることそのものだと思ってます。学生時代はそれなりに頑張って絵を描いてたつもりでしたけど、今思い返すと私自身の表現に対する向き合い方はぬるかったように思います。格闘技をしている今の方が真摯に向き合ってるし、アートですね。個展やイベントをして、画家として活動している同級生ともたまに会いますけど、なんとなく似てるし全然違う道に来てしまった感覚はないです」
──今回、修斗参戦を決めた理由は「『初代修斗女子王者』の称号を得るため」とリリースには書かれていました。マスタージャパン所属の黒部選手にとって、「修斗王者」とはどんな意味を持ちますか?
「マスタージャパンでは弘中(邦佳)代表、松本(光史)先輩が修斗世界王者になっています。2人の活躍を近くで見ていて、でも手の届かないところにいると思ってましたが、彼らが手にしたタイトルに、もしかしたら追いつけるかもと思うと感慨深いものがあります。ぜひ挑戦して修斗の歴史に一緒に名を連ねたいです」
──対戦相手の韓国のイ・イェジ選手は、オーソックスから左ジャブ、右ロー、ミドル、前蹴りとアグレッシブに前に出て、倒されてもスクランブルから脇を差して立つことに長けています。そしてバックテイクも。しかし、直近の試合を見ると、よりアグレッシブになりながら、荒い動きもあり後半に失速しています。そんな相手に黒部選手としては、どんな戦いをしたいでしょうか。
「対戦相手の事をそんなに研究して頂いて有難うございます(笑)。打ち合い覚悟で自分も下がらず前に出て、寝技も負けられないのでスクランブルも制していきたいです!」
──格闘技を続けて勝つこと、そのモチベーションはどこにありますか。
「モチベーションというか、格闘技は私の生活そのものですし、他にやることもないので今のところ格闘技を頑張る以外の選択肢がないです。 私の周りの人たちは厳しくて普段なかなか褒めてくれないのですけど、勝った直後は少し褒めてくれるので、それが嬉しいというのもあります」