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【ONE】アンドラージが4R終了時リネカーにTKO勝ちで涙の戴冠! タワンチャイがローキックで秒殺防衛、グラップリング戦で三浦彩佳がケリーを苦しめるも判定負け

2023/02/25 09:02
【ONE】アンドラージが4R終了時リネカーにTKO勝ちで涙の戴冠! タワンチャイがローキックで秒殺防衛、グラップリング戦で三浦彩佳がケリーを苦しめるも判定負け

(C)ONE Championship

ONE Fight Night7

2023年2月25日(土)、タイのルンピニースタジアムのリングで『ONE Fight Night 7』が開催された。日本からはグラップリングで三浦彩佳が参戦した

▼ONE世界バンタム級王座決定戦 5分5R
×ジョン・リネカー(ブラジル)144.00 lbs, 1.0176
[4R終了時 TKO] ※リネカーがカットしドクターストップ

〇ファブリシオ・アンドラージ(ブラジル)144.75 lbs, 1.0036
※アンドラージが新王者に

 2023年2月25日(土)にタイのルンピニースタジアムで開催される『ONE Fight Night 7』のメインイベント「ONE世界バンタム級王座決定戦」で、ジョン・リネカー(ブラジル)とファブリシオ・アンドラージ(ブラジル)が対戦する。

 両者は2022年10月の『ONE FIGHT NIGHT 3』にて対戦。当時王者だったリネカーが計量失敗により王座剥奪の上で、アンドラージが勝った場合のみ戴冠の試合で、アンドラージ優勢のなか、3R途中にアンドラージのヒザ蹴りがリネカーの下腹部に当たり試合続行不可能に。偶発性の下腹部攻撃によるノーコンテストとなっていた。

 1位のアンドラージは中国のクンルンファイトや武林風でキックやムエタイを戦ったストライカー。2020年7月のONE参戦から5連勝し、2021年2月には佐藤将光に判定勝利し、実力を証明した。MMA8勝2敗1無効試合。

 対する2位のリネカーはUFCで12勝3敗の戦績を築くと2019年10月にONEに参戦。2022年3月に王者ビビアーノ・フェルナンデスのタイトルに挑戦し、KO勝利で王座に就いたが、10月のアンドラージ戦で計量失敗、王座を剥奪されている。MMA戦績は35勝9敗1無効試合。

 事前インタビューでは、前戦を「試合は5Rあった訳だから、何があってもおかしくない状況だった」「今回は鉄製のファールカップに変えた」といい、再戦に向け「この戦いで唯一やらないことは、後ろに下がること」と長身ストライカーのアンドラージに対し、圧力をかけていくことを宣言する。

 王座奪還を目指すリネカーを相手に、前戦であと1歩のところでベルトを逃したアンドラージは、タイ・プーケットで合宿。今回はそのままバンコク入りし、大一番に向かう。

 ケージではなくリングで行われる今大会で、立ち技でもリングの経験の多いアンドラージは「この試合は長くても2Rで終了する。間違いなく、僕がジョン・リネカーを“もう一度KO”する」と、絶対的な自信を持って臨む。対する元王者リネカーは、超新星アンドラージとの「5R・リング」の再戦をいかに戦うか。

 1R、今回はハイドレーションテストも減量も順調にパスした元王者リネカーが先に詰める。オーソ構えのアンドラージはリネカーの右にヒザを合わせに行く。

 さらに右ヒザにダブルレッグテイクダウンはリネカー! すぐに立ち上がるアンドラージを投げるリネカー。コーナーで立つアンドラージに左右をまとめる。

 ガードを固めるアンドラージは右カーフ。そこに右ストレートを狙うリネカー。左ミドルハイイはアンドラージ。リネカーは右オーバーハンドからダブルレッグテイクダウン。ここもすぐに立つアンドラージは小手巻き。序盤から力を使うリネカーに、アンドラージにはワンツー! 右フックで前に出るリネカーに左ヒザはアンドラージ!

 効かされたリネカーだが右を返す。さらに右テンカオのアンドラージ。リネカーの右フックが顔面をかすめる。リネカーは右カーフ! さらに右ボディ。リネカーも右カーフを当てると、右ストレート! さらに左でリネカーがグラつくもクリンチ。そこにヒザを突くアンドラージだがゴング。

 2R、詰めて右ボディはリネカー。さらに右カーフにアンドラージが尻餅。しかし、すぐに立つアンドラージは左、リネカーのダブルレッグを切る。

 ジャブを当てるアンドラージに、リネカーは右カーフの打ち合いから左右を振って組んでボディロック。右で小手に巻くアンドラージにバックに回して崩してサイドバックでパウンド連打。立つアンドラージは、右カーフ。そこに右オーバーハンド、左を突くリネカー。しかしアンドラージは左ヒザ! リネカーは左右ローを前足に突く。

 しかし、アンドラージは左ジャブを連打。リネカーは右カーフを連打。さらにダブルレッグも切るアンドラージはまだオーソのまま。右カーフを2発突くリネカー。

 アンドラージは左ジャブ、右テンカオ。さらにワンツーにリネカーは右ロー。ジャブの連打で前に出るアンドラージに右フックを狙うリネカー。アンドラージの左ジャブに右ボディストレートはリネカー。

 3R、圧力をかけて右を肩口に振るリネカー。さらにボディ。アンドラージは右に回りながら左ジャブ。リネカーは詰めて左右ボディを突く。アンドラージの右カーフに右フックを狙うリネカーは走り込んでのダブルレッグへ。ここも切るアンドラージが前に。

 右前蹴りのアンドラージ。左ジャブを刺して、リネカーの返しはかわす。右カーフを当てるリネカー。アンドラージは左ジャブでリネカーのアゴを上げさせる。ともにジャブの刺し合いから、右フックを当てたのはリネカー。

 しかし右ローは空振り。右から左の2発目を当てようとするリネカー。回ってかわすアンドラージは左ジャブ。ワンツー。しかしこの打ち終わりに右はリネカー。遠間からのダブルレッグをスプロールしたアンドラージが上に。ゴングにアンドラージは手を持ってリネカーを引き起こす。

 4R、チャンピオンシップラウンドに。左ジャブを先に刺すアンドラージ。さらにワンツー。右をテンプルに当てて左に繋ぐリネカー。若干足を泳がせたアンドラージだが、立て直すと右ロー、左ジャブ。サウスポー構えになったアンドラージは右ジャブ、左テンカオを狙う。

 ワンツーの左はアンドラージ! もらっても前に出るのはリネカー。さばくアンドラージの左ヒザが前戦同様に下部気味のボディで、リネカーはローブローの仕草。しばしの中断後再開。やはりサウスポー構えのアンドラージは左ヒザ。

 スピードが落ちたリネカーに左ミドルはアンドラージ。さらに左ミドルをヒット! 下がりながら遠間からのダブルレッグも切るアンドラージはワンツー! さらに左ストレート。右ジャブ、左ストレートにリネカーはコーナーに詰まる。ジャブを刺すアンドラージにリネカーはコーナーから出てゴング。

 5R、開始前に右目周辺をカットしたリネカーはドクターストップか戦えず。アンドラージはコーナーに登って咆哮。そのアンドラージを降ろしたリネカーはブラジル人同士、ポルトガル語で互いに健闘を讃えた。

 試合は4R終了時にアンドラージがTKO勝ち。コールに号泣するアンドラージはベルトを肩にかけられ立っていられず。マットに大の字になってから座り込んで涙を流した。

 25歳の新王者は、リング上で「なんて長い旅路だったか。長く世界チャンピオンになるのが目標で、ベルトを獲れば人生が変わると思っていた。それを家族も信じてくれた。この経験をどう言ったらいいのか分からない。(次は?)マーク・ステファン・ロマンがやるならやる。前進してきたリネカーは世界でもトップタフファイターの一人。しんどかったけどすべてをかけて戦い、いまここで僕がベルトを持っている。みんなに感謝を。人生で最高の瞬間、とても幸せだ」と語った。

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