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【ONE】悪夢の無効試合──“石の拳”との再戦に臨むアンドラージ「この試合は長くても2Rで終了する。間違いなく、僕がジョン・リネカーをもう一度KOする」=2月25日(土)ルンピニー

2023/02/23 18:02
【ONE】悪夢の無効試合──“石の拳”との再戦に臨むアンドラージ「この試合は長くても2Rで終了する。間違いなく、僕がジョン・リネカーをもう一度KOする」=2月25日(土)ルンピニー

(C)ONE Championship

 2023年2月25日(土)にタイのルンピニースタジアムで開催される『ONE Fight Night 7』のメインイベント「ONE世界バンタム級王座決定戦」で、ジョン・リネカー(ブラジル)と対戦するファブリシオ・アンドラージ(ブラジル)。

 両者は2022年10月の『ONE FIGHT NIGHT 3』にて対戦。当時王者だったリネカーが計量失敗により王座剥奪の上で、アンドラージが勝った場合のみ戴冠の試合で、アンドラージ優勢のなか、3R途中にアンドラージのヒザ蹴りがリネカーの下腹部に当たり試合続行不可能に。偶発性の下腹部攻撃によるノーコンテストとなっていた。

 アンドラージは中国のクンルンファイトや武林風でキックやムエタイを戦ったストライカー。2020年7月にONE参戦から5連勝し、2021年2月には佐藤将光に判定勝利し、実力を証明した。MMA8勝2敗1無効試合。

 対するリネカーはUFCで12勝3敗の戦績を築くと2019年10月にONEに参戦。2022年3月に王者ビビアーノ・フェルナンデスのタイトルに挑戦し、KO勝利で王座に就いたが、10月のアンドラージ戦で計量失敗、王座を剥奪されている。MMA戦績は35勝9敗1無効試合。

 王座奪還を目指すリネカーを相手に、前戦であと1歩のところでベルトを逃したアンドラージは、タイ・プーケットで合宿。今回はそのままバンコク入りし、大一番に向かう。ケージではなくリングで行われる今大会で、立ち技でもリングの経験の多いアンドラージはいかに戦うか。

彼がこの再戦を受け入れた事は正直、驚きだった。そんな勇気は持っていないと思っていたから

──2022年の総括を。

「プロアスリートとしても、個人としても、多くものを手にしたとても良い年だった。最後の試合の結果はともかく、多くのことを学び、アスリートとして、人としても成長することができた。

──2022年のONEで最も印象に残っていることは?

「一番印象に残っているのは、(6月に)ランキング2位の選手(クォン・ウォンイル)をKOして5万ドルのボーナスを獲得した時だ。あのおかげで経済的な面が大きく改善され、その結果、僕の人生すべてが良くなり始めた。とても重要な瞬間だった。アスリートとして、自分にもっと投資できるようになり、とても重要なステップを踏めた。今年も、それがもっと繰り返されることを望んでいるよ」

──2023年の目標は?

「2022年は多くの人に僕のことを知ってもらい、自分の強さを認めて貰った年だった。多くの扉が開かれ、経済的にも人生が変わった。感謝しかない。そして2023年も、きっと素晴らしい事がたくさん起こると信じている。2023年の最初の目標は、自分の階級で王者になること。そして、そのベルトを防衛すること。個人的には、ブラジルに家族のための家、タイに自分のための家を買いたいと思う」

──前戦は多くの物議を醸した試合となりました。あなたのヒザ蹴りでリネカーのファールカップが壊れたことに驚きもありましたか。

「これは非常にデリケートな問題だ。僕がヒザを出した側で、彼はヒザを受けた側。彼がその時どんな気持ちだったかを僕が言い当てるのは不可能だ。でも、こういうことはある。ルールがあり、それは尊重されなければいけない。起こるべきことが起こったと理解している」

──再戦に向けて、前戦であなたのパワーを体感したジョン・リネカーは、前回より良い準備をしてくることも予想されます。

「彼は僕の強さを知ったから、間違いなくもっと準備するだろう。しかし、僕はそんなことは関係ないと思う。3カ月間のトレーニングで、彼が別人のようになることはない。僕は彼の戦い方を知ったし、彼も僕の戦い方を知った。そしてそれは再戦でも同じだ。だから、もう1度、彼をKOできると確信している」

──この再戦ではどちらがアドバンテージを持っていると考えますか。

「僕がフィニッシュ寸前まで追い込んだこと、彼がひどい怪我をしたこと、さらにグラウンドの展開でも、彼のアタックをすべてディフェンスした事は、お互いの心理面に違いを及ぼすと思う。彼は僕が自分より上だと知って試合に臨むだろう。彼がこの試合に勝てる可能性は、何か特別なことが起きた時だけだ。しかし、僕が最高のアスリートであること、今回も僕にチャンスがあること、そして、最終的に僕が王者になることは自明の理だ」

──あなたは彼のことをジョン・“チキン”(臆病者)・リネカーと呼んでいたが、再戦が組まれたいま、彼はまだ“チキン”でしょうか。

「彼がこの再戦を受け入れた事は正直、驚きだった。そんな勇気は持っていないと思っていたから。尊敬の念を込めて言うと、彼は“チキン "から “ルースター”(雄鶏)に進化したんだろうね(笑)」

──計量失敗、ベルト剥奪、ファールカップを破損して終了。悪夢の前戦を終えたジョン・リネカーは感情的な怒りモードで次戦に臨んでくると思いますか。

「彼は間違いなく体重により気を遣うはずだ。体重を作れず、プロ失格の姿は誰も見せたくはない。だから、同じ過ちを繰り返さぬ様に、彼は体重に気を配るようになるはずだ。でも、それで何か支障が出るとは思わない。僕には関係のない事だ。もし、彼がまた体重を落とせなかったらただ戦い、彼をKOする。それだけだ」

──試合展開の予想は?

「この試合は長くても2Rで終了する。そして間違いなく、僕がジョン・リネカーをもう一度KOすることで終わるだろう」

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