撮影/安村発(セミ、メイン)
NO KICK NO LIFE
2023年2月11日(土)東京・大田区総合体育館
※U-NEXTにてLIV配信中
▼メインイベント 緑川創引退試合 70kg契約 3分5R
×緑川 創(RIKIX/元WKBA世界スーパーウェルター王者、元新日本ウェルター級王者)
TKO 3R 0分57秒 ※レフェリーストップ
○海人(TEAM F.O.D/S-cup2018世界王者)
緑川は2005年デビューのベテランで、新日本キックボクシング協会でミドル級王座とWKBA世界スーパーウェルター級王座を獲得し、K-1 WORLD MAX世界王者アンディ・サワーにも勝利した実績を持ち、国内ミドル級最強の一角として長く君臨。2020年7月よりRISEに参戦し、ミドル級を盛り立てた。RISEミドル級王者イ・ソンヒョンとはドロー、2022年12月のRISEラストマッチではリカルド・ブラボともドローで勝ち切れてはいないが、互角の実力であることを証明した。
シュートボクシング(以下SB)の絶対的エースの海人は2014年2月にデビュー。2017年11月にトーナメントを制してSB日本スーパーライト級王座を獲得し、2018年11月にはS-cup2018 -65kg世界トーナメント優勝。その活躍はSB内だけに留まらず、2016年以降はRISE、RIZIN、KNOCK OUTでも全勝。2022年6月の『THE MATCH 2022』ではK-1 WORLD GPウェルター級王者・野杁正明を延長R判定3-0(10-9×3)で破り国内頂上決戦を制すると、8月のRISEではvs.日本人無敗を誇ったサモ・ペティにも延長戦の末に勝利。9月のSBではケンダル・カラクァートにも判定勝ち、12月にはGLORY世界ライト級1位ストーヤン・コプリヴレンスキーに判定2-1ながら辛勝して現在15連勝中。戦績は49勝(21KO)6敗1無効試合。
1R、互いに左インローを蹴り、緑川はジャブから右ボディストレート。さらに前蹴りとボディを攻める。海人もジャブを突き、緑川のパンチにヒザを合わせに行く。緑川のねじ込むようなワンツー、そしてワンツー・左ボディ。緑川はジャブからボディ、そしてフックと上手くつないでいく。海人はヒザを突き刺すと左右ヒジの乱れ打ち。緑川がワンツーを打つところへ海人は右の縦ヒジをアゴへクリーンヒットさせ、緑川はダウン。詰める海人はヒジ、右ストレートを同時に放つ。
2R、両者ともジャブを突き、緑川はパンチをまとめるが海人のブロックは堅い。ミドル川の左ボディには海人が右フックを合わせる。海人は右カーフと左ロー、緑川は左右の連打からヒジにいき、右をヒットさせる。ワンツーに右を返す海人はヒザを突き刺し、さらに縦ヒジ。追い打ちの左ワンツーと右ミドルでダウンを奪う。これで緑川は額をカットして流血。ドクターチェックを受ける。海人の右ストレート、左フックに緑川も打ち合いに行き、勢い余って前のめりに転倒した。
3R、海人の右フックからの左ストレートにグラつく緑川。海人はヒザと左右ボディの連打でラッシュをかけて左ミドルでダウンを追加。さらにヒザ、右ストレート、左ボディ、左右フックでラッシュをかける海人。緑川も打ち合うが、スピードで優る海人に防戦一方となり、最後は左フックでダウン。レフェリーがストップすると同時に緑川のセコンドからはタオルが投入された。
海人は「70kgで日本を背負ってトップで戦い続けた緑川選手の最後の試合に選んでいただいて本当に嬉しかったです。僕はこれから世界に行くので、緑川さんの強さと覚悟を背負って世界と戦っていきたいと思います。皆さんも伝説を残した緑川さんのことを忘れないでください。緑川さん、お疲れさまでした」とマイクで言うと、緑川と握手。
続けて行われた緑川の引退セレモニーでは、大会プロデューサーの小野寺力、一緒に練習していたという内山高志、MMAファイターの高谷博之、野球部時代の先輩でもあるT-98、HIROYA、松倉信太郎らから花束を受け取った緑川。
「僕のキック人生は支えられてこうしてトップとして思い切りやらせてもらっていたと思います。僕一人の力では何もできなかったと思います。そして小野寺代表、僕を最後まで面倒見ていただきありがとうございました。海人君にここまで完膚なきまでやられてスッキリです。海人君には本当に世界一になってもらって自慢できる対戦相手として応援していきたいと思います。本日はありがとうございました」と涙ながらに語り、惜別の10カウントゴングを聞いた。