負けは多くのことを教えてくれる。場合によってはRIZINのこれまでのすべての勝利よりも──
その敗因のひとつが慎重になりすぎたことだという。それは試合後にBellator次鋒戦を戦ったフアン・アーチュレッタがRIZIN勢に指摘していたことだった。
「やる気はあったのだから、もっと自分から仕掛けて、喧嘩ファイトをすべきだった。そうすれば場合によっては勝つことができた。でも、その前に相手が誰なのかを知る必要がある。彼らはそこらへんにいるファイターではなく世界のトップ選手で危険な拳を持っている。もしその拳が当たれば意識を断たれる。だから自分は慎重になった。もっとぶつかれば、私が倒れるか、私が相手を倒すか、どちらかになったでしょう」と、自身のペースに強引に持ち込む必要があったとしながらも、博打勝負をせずに、あと1歩踏み込めなかった理由も語っている。
「敗戦は非常に困難でとても苦い」というクレベルは、「負けは私を傷つける。(心に)痛みを感じ、もうすぐにでも練習に戻りたい気持ちになっている」と吐露しながらも、「同時に自分の身体と心を休ませることが必要」と、1カ月間、練習のペースを落とすという。
RIZINでカイル・アグォン、摩嶋一整、朝倉未来、佐々木憂流迦、萩原京平、牛久絢太郎の全員をフィニッシュしてきたクレベルは、2022年の4試合に向かうために、ファイトキャンプを繰り返してきた。心身ともに休息が必要だが、「選手として集中する必要がある。だから、おそらくはしばらくは海外に行きます。そしてもっと練習します」と、しばしの休息明けに、再び海外修行に出ることを予告する。
それは、Bellator王者を相手にすることでしか計れなかった自身の課題。武器の寝技に持ち込むためのテイクダウンにつながる動きの強化だ。
「ピットブルとは誰もが戦いたくない。しかし私は戦った。皆、私が1RでKO負けするだろうと言っていた。でもピットブルが『サプライズがあった』と言ったように、皆が思っていたのと違うことを見せられたと思う。
もちろん負けは悔しい。長い間、負けていなかったのでとても痛みを感じています。でも負けは同時に、私に多くのことを教えてくれることを知っています。場合によってはRIZINのこれまでのすべての勝利よりも。敗戦の味は苦い、でもそれと同じく与えられるものもある。立ち上がって、さらに強くなって戻って来れると知っています。それを私は皆に見せられると信じている」と、苦い敗戦を糧にすると誓う。