左右フックをフル回転させて攻撃を続けた鈴木(右)が初回KO勝ち
KNOCK OUT 2022 vol.1
2022年1月22日(土)東京・後楽園ホール
▼メインイベント(第11試合)スーパーファイト KNOCK OUT-BLACK -65.5kg契約 3分3R延長1R
〇鈴木千裕(クロスポイント吉祥寺/KNOCK OUT-BLACKスーパーライト級王者)
KO 1R 2分17秒 ※右フック
×タップロン・ハーデスワークアウト(タイ/ハーデスワークアウトジム/元WMAF世界スーパーライト級王者&元WMC世界フェザー級王者)
鈴木はMMAファイターとしてパンクラス・ネオブラッド・トーナメント2018フライ級(56.7kg)で優勝。5勝2敗の戦績を残して体重超過がきっかけでMMAを離れ、2019年8月の『REBELS』でキックボクシングデビューすると、圧倒的な破壊力を誇るパンチで3連続KO。2020年2月のトーナメント準決勝で西岡蓮太に初黒星を喫したが、その後も怒涛の4連続KOを果たしている。7月のKNOCK OUTで宮越慶二郎を1Rわずか43秒でマットに沈め、5連続KOを飾ると共に初代KNOCK OUT-BLACK スーパーライト級王座決定トーナメントを制して王者となった。戦績は10勝(8KO)1敗。
2021年9月には『RIZIN』でMMA復帰戦を行うが、昇侍に1Rわずか20秒でKO負けという屈辱を味わう。11月には『RIZIN TRIGGER 1st』で山本空良に判定勝利し、MMA復帰後初の勝利をあげている。
対するタップロンは日本で活躍するムエタイ選手。炸裂音が会場中に響く強烈な右ミドルキックとKO狙いの豪快なパンチを武器とする。シュートボクシングを主戦場として鈴木博昭に連勝、RISEでは“ブラックパンサー”ベイノアを初回KOして初黒星を付け、2019年の「岡山ZAIMAX MUAYTHAI 65kg賞金トーナメント」では水落洋祐、マサ佐藤、小川翔と国内トップクラスの選手を撃破して優勝。7月の「大和ジム50周年記念大会』では、メインイベントで大和哲也とヒジありルールで対戦し、1R2分32秒、ヒジ打ちのカットによるTKO勝ちを収めている。9月にはRISEで原口健飛からヒザ蹴りでダウンを奪うも逆転KO負けを喫した。KNOCK OUTには2020年2月の鈴木真治戦以来、3度めの参戦となる。
1Rが始まると鈴木はじりじりと近寄っていき、タップロンがロープを背負うとさっそく打ち合いを開始。フルスイングの左右フックを回転させ、タップロンも打ち合いに応じる。タップロンの左フックをもらってグラついた鈴木だが、クリンチで体勢を立て直すと再びフル回転の打ち合いを開始。
タップロンは打ち合いながらハイキックも繰り出していくが、鈴木はお構いなしに殴り続ける。激しい打ち合いが繰り広げられ、鈴木の右フックでついにタップロンがダウン。
立ち上がったタップロンへさらに左右フックを回転させる鈴木。左ボディ、三日月蹴りもしっかりと入れ、左右フックを回転させると右フックでタップロンが2度目のダウン。
タップロンは精魂尽き果てたという表情で、座り込んだまま10カウントを聞いた。
本領発揮の打ち合いで初回KO勝ちを飾った鈴木は「新年あけましておめでとうございます。一発目のメインはやっぱりKNOCK OUTはKOじゃなきゃね! 去年、自分はRIZINでMMAに挑戦して1回負けて勝って帰って来たんですが、判定で勝ったんですよ僕。プロとしては勝負に徹したしよかったんですが、てっぺんに行ける選手はメインでKOしないと上にはいけない。だから僕は今年も倒して倒して倒して倒しまくっててっぺんに行きます。みんなを連れていくからこれからも応援してください」と絶叫するようにマイクアピールした。
リングを降りると、リングサイドで観戦していた五味隆典が笑顔で鈴木を祝福。手を上げて勝利を称えた。五味は鈴木にMMAを指導している。