▼セミファイナル(第4試合)52.5kg契約 3分5R
×石井一成(ウォーワンチャイプロモーション/WPMF&IBFムエタイ世界フライ級王者)
判定0-3 ※47-49、47-50×2
〇花岡 竜(橋本道場/KNOCK OUT-BLACKスーパーフライ級王者)
石井はジュニアキック出身で、アマチュアでは14冠王を達成。タイを主戦場に6連続KO勝利を飾り、2017年2月にはTrue4Uフライ級タイトルを高校生で獲得。2017年6月からは『KNOCK OUT』に参戦し、2018年12月、トーナメントを制してKING OF KNOCK OUT初代フライ級王座に就いた。WPMF世界フライ級王座、IBFムエタイ世界フライ級王座、BOMスーパーフライ級王座も保持し、那須川天心に対して“西の神童”と呼ばれている。
2021年2月の『NO KICK NO LIFE』では麗也を判定3-0で破り、4月の『BOM』ではサンチャイを三日月蹴りでKO。そのキャリアのほとんどをムエタイルールで戦ってきたが、7月に『RISE』参戦。「DEAD or ALIVE 2021 -53kgトーナメント」に出場したが、1回戦で大崎一貴に敗れた。11月のBOMでは小嶋・Nor Nakusinを判定に破り、再起を果たしている。戦績は34勝(17KO)11敗2分。
対する花岡はアマチュアで28冠王を達成し、122勝20敗15分という驚異的な戦績を引っ提げて2019年春に中学卒業後すぐにプロデビュー。2020年8月の『INNOVATION』でフライ級王座認定戦を行い、勝利して無敗のまま王座に就いた。2021年2月の『NO KICK NO LIFE』で吉成士門に惜敗してプロ初黒星を喫したが、5月のKNOCK OUTでは四冠王の松崎公則に2RでTKO勝ち、7月の同大会では那須川天心や鈴木真彦らと対戦したウィサンレックからも勝利を収め、9月のトーナメントで空龍と濱田巧を破り初代KNOCK OUT-BLACKスーパーフライ級王座に就いた。KNOCK OUTの11月大会では元REBELS-REDスーパーフライ級王者の老沼隆斗を初回KO。“平成最後の怪物”と呼ばれている。戦績は11勝(4KO)1敗1分。
共にジュニア時代から磨き上げたテクニックに加えて倒す技を持っており、新春早々見逃せないビッグファイトの実現となった。
1R、圧を懸けて前に出て左右ローを蹴っていくのは石井。花岡はジャブを突きながら同じく左右ロー。花岡は左右の前蹴りを多用して石井を押し戻し、右ローを蹴って右フック。石井は右の強いローを蹴る。石井の蹴り足をキャッチして転倒させる花岡。
2Rも前蹴りを駆使する花岡になかなかパンチの距離に入れない石井。逆に花岡は蹴りから右ストレート、左フックを当てていく。パンチのヒットを奪う花岡の左フックに石井が大きくグラつく。そこへパンチのラッシュを仕掛ける花岡。左フックをフェイントしての左ボディ、アッパー&フックと石井をピンチに追い込んだ。最後には意表を突く右カーフも。
3R、花岡は右カーフを蹴りつつ、左右のボディから右ストレート。石井もすかさず連打をまとめて応戦。お互いにボディを打ち、前へ出る石井は右ヒジをヒットさせる。圧を懸けてパンチで攻勢に出る石井だったが、花岡がスピードのある手数とボディ、顔面、足と攻撃を散らしていくといつの間にか石井がロープを背負っている。
4R、左右そして上中下と攻撃を散らしてスピードも手数もある花岡。右カーフもしっかり蹴る。石井はサウスポーに構えを変える。ロープを背負う石井は左ストレート、左フックのカウンター。花岡は前蹴りを混ぜながら多彩な攻撃。石井にロープを背負わせて顔面、ボディへパンチを当ててコカしも入れる。
5R、石井が近付いてくると前蹴り、右カーフ、ジャブで突き放す花岡。至近距離から意表を突く後ろ蹴りやハイキックも繰り出す。何とかパンチを当てたい石井だが花岡は頭を振りながらのスウェー&バックステップで石井に連打を許さない。花岡は飛び込んでの左右ボディから右ストレート、さらに右フック。スピードと手数、技の多彩で石井を圧倒する内容で花岡が注目の一番を制した。
花岡は勝利者インタビューで「練習でやってきたことが1Rから出せて。KOは出来なかったんですが圧勝で勝ててよかったです。もう最高です。去年負けから始まって今日も怖くて。逃げたくなるくらい怖かったんですが、師範がずっとミット持ってくれて結果で恩返し出来てよかったです。これから倒せる選手になっていくのでよろしくお願いします」と、涙仲がらに語った。