MMA
インタビュー

【RIZIN】“ダークホース”瀧澤謙太の過信か確信か「朝倉選手はモロい。普通に勝って最後にリングから降りるだけ」=大晦日バンタム級GP

2021/12/14 11:12
 2021年12月31日にさいたまスーパーアリーナで開催される『Yogibo presents RIZIN.33』にて「RIZINバンタム級JAPANグランプリ準決勝&決勝」に臨む瀧澤謙太(フリー)が13日、公開練習を行った。  6月の1回戦で今成正和の足関節を凌ぎ、判定勝利した瀧澤は、2回戦で元谷友貴にカウンターの左フックを効かせてのラッシュでTKO勝利。大晦日の準決勝で、元同級王者の朝倉海(トライフォース赤坂)と対戦する。もう片方のブロックでは、扇久保博正(パラエストラ松戸)と井上直樹(セラ・ロンゴ・ファイトチーム)が準決勝を争う。  公開練習で、オーソドックス構えからボクシングのみのミット打ちを見せた瀧澤は、右目下にアザのある顔で質疑応答に臨んだ。  練習で重視している点は「人を殴る感覚を養うこと」で、現在は「追い込み練習でバチバチやっています。(目の下の傷は)スパーリングでついたもので全然問題ないです」という。  リバーサルジム東京スタンドアウトでの練習のほかに、フィジカルトレーニングにも取り組んでおり、「パーソナルトレーニングを年明けからメニューを変えて週3回『乳酸製作所』でやっています。『足強化の日』や『上半身強化の日』などと決めて、ウエイトや自重トレーニングで鍛えています。体つきや組み合った時の力やバランスが結構違ってきて、フィジカルトレーニングの成果がかなり出ていると感じています」と、手応えを得ている。 「格闘技頭」が進化した  16選手が参加したこのトーナメントを通して、最も成長したファイターとの評価も高い。その秘訣を瀧澤は「格闘技頭」が進化した、という。 「戦略を練るようになりました。格闘技に対しての頭の回転や柔軟性が上がった気がします。格闘技に携わる時間が増えました。暇な時間、空いた時間でも格闘技のことを考えるようになりましたし、特にこのトーナメント期間に、自分の武器を、得意な部分を伸ばすような練習をしてきたので、そうすることで練習も面白いし、格闘技が楽しいと思えるようになりました。それ自体ポジティブで、いろいろ発想が思い浮かぶようになりました」と、敗戦のなかで、自身の不得意な部分の強化をせざるを得なかった期間を経て、いまは長所を活かす練習にシフト出来たことが、進化に大きく影響していると語る。 【写真】GP1回戦の今成との戦いで弱点の寝技強化に取り組んできたことがいまに活きている。(C)RIZIN FF  GPベスト4のなかで、唯一ヘッドコーチ的な存在を感じさせない異色の存在だ。  キックの宮川峻トレーナー、MMAファイターの関原翔、グラップラーの岩本健汰らがいるチームで、作戦は瀧澤自身が考え、それを各コーチに相談しているという。 「トータルで見てもらっているというより、ポイント・ポイントで見てもらっています。MMAの試合では、軸となる作戦を自分で立てて、宮川さんと関原さんのセコンドの2人に共有して、良いのか悪いのか、追加や削ることなどを判断してもらい、技術的な部分は岩本さんやその他、出稽古などで教えてもらっています」  自身で戦略を練って戦うのは新極真会の空手時代から。その理由は「自分で作戦を立てないと悔いが残ったりするので、責任は自分にある。自分で組み立てて悔いのない戦いをしたい」と、自身の作戦を軸にすることで納得できる戦いをしたいとした。 [nextpage] 朝倉海がテイクダウンを仕掛けてくることは「全然ありえる」「ニータップで取られたことはない」  その分、対戦相手の研究も怠らない。  今回の対戦相手の朝倉については、「打撃が強い選手で、腰も重くて寝技も出来る選手。特に光っているのが打撃なだけで、それだけじゃなく、ストライカーと戦う時はテイクダウンも織り交ぜて、全体的に出来る」と評する。  その読みで行けば、ストライカーに分類される瀧澤との試合でも、朝倉がテイクダウンゲームを仕掛けてくる可能性は高い。 「全然ありえると思います。それにテイクダウンのフェイントからの打撃もして来るんじゃないかと。そこは想定して作戦も組んでいるので、最悪の状態は避けられる。どんなことをやってきても対応できる作戦や練習をしています」と、想定済みだという。  テイクダウンデフェンスには定評がある朝倉だが、朝倉自身がテイクダウンを仕掛けることについて、瀧澤はどうとらえているか。 「全然上手いとは思いますよ。出来ると思っています。でも僕は(テイクダウンを)取られるイメージはわかないです」と、高校時代にレスリング部に所属していた“空手王子”は語る。 「テイクダウンされてもバックを譲らず立ち上がることが出来る?」と問われると、「いや、テイクダウンは取られないと思います」ときっぱりという。  朝倉海の兄の未来が、萩原京平戦で「立ち方がキックボクサー寄りでバックステップが得意じゃない」と見抜き、秘策として軸に据えた「ニータップ」はどうか。堀口恭司もセルジオ・ペティス戦で多用したこのテイクダウンについても、瀧澤は「取られない」と言い切る。 「ニータップも取られないです。これまで取られたことはないですね。自分の構えとか、感覚的に適応しているので取られない」  それは、レスリング経験からなのか、瀧澤が持つ、空手特有の横に回るステップの恩恵なのか。 「自然と身体がいい感じで動くんです。練習でもいろんな選手がニータップをやって来るけど、取られたことはないですね。シングルレッグ・ダブルレッグ、四つ組みも得意なので自信はある。逆に僕からテイクダウンも狙えたら狙おうかと思います」 [nextpage] 朝倉選手とは打撃技で似てるから分かる。持ち札は僕の方が多いし、モロいイメージがある  朝倉は右アッパー、右ストレートと右のパンチが強く。さらに左ボディ、左三日月蹴りと左ハイキックと蹴りも駆使する。そこに組みも混ざったとき、ステップインして打つ打撃はより効果的になる。  瀧澤がそのテイクダウンを切り、フェイントも見切ることが出来れば、「倒されずに、立って戦う」朝倉海と似たスタイルでの勝負になる。 「朝倉選手とは技が似てる部分はあるので、相手のしてくる打撃、倒すメカニズムを僕が把握している。この角度でこの技が出てくるだろうな、この角度でこれが危ないな、というのはだいたい分かっているので、大きなミスをしなければ貰うことはない。そのときの数は僕の方が多い。新技は3つ、4つくらいある。相手が予想だにしない攻撃もしたいなと思います」と、空手の蹴りも含め、距離感の違いがあり、スタンドのバリエーションでは自身の方が持ち札が多いとした。  ハンドスピードがあり、何よりパワフルな朝倉海の打撃だが、打たれ弱さを感じるという。 「モロいイメージはあります。堀口恭司選手との試合に限らず、全体的に試合を見て、モロい印象があります」と、これまでスタンドでのKO負けが無い瀧澤は、動きが見えている分、自分には当たらず効かないが、自身の攻撃には反応が遅れるだろうとした。  優勝するためには、1日2試合を勝ち抜く必要があるが、「あまり次のことは考えないようにして、最初の1戦に向けて全力を尽くす。その1戦でボロボロになろうと、2戦目は特攻で行こうかな」と、初戦を勝ち抜けば、その勢いのまま決勝は戦えるという。  ワンデートーナメントは空手時代に経験済みで、「空手のトーナメントでもそんな大した怪我はしたことはないですが、集中力が切れることはないのかなと」と自信をのぞかせた。  決勝戦で反対ブロックから勝ち上がるのは、「どちらでもいい。どっちも上がってくる可能性はあって、五分五分だと思う。井上(直樹)選手が上がってくる可能性も、扇久保(博正)選手が上がってくる可能性もあると思います。全然どっちでもいい」と意に介さない。 「扇久保選手とやる場合はリベンジになるし、井上直樹選手は優勝候補を食うことになるし、朝倉海選手はもちろん美味しい相手なので、今回のGP、僕にとっては誰とやっても美味しいです」  ダークホースであることが、優勝へのモチベーションにもなっている。 「このトーナメント出たからには1番を目指すのは当たり前。それと同時に、僕がエントリーした時から優勝候補と言われているわけではないので、(優勝すると)思ってない人たちを驚かせるような試合をしたい。『勝って当たり前』と言われるより『負けるだろう』と言われている方が、勝った時の感動が大きいので、楽しみです。(頂点に立つことを夢として)そこまで意識はしていない。ほんとうにちゃんと準備をして、作戦を遂行して普通に勝って、リングから降りるだけですね」と、周囲にとってはアップセットを、瀧澤謙太は、当たり前のように成し遂げるつもりだ。
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