(C)RIZIN FF
2021年12月31日にさいたまスーパーアリーナで開催される『Yogibo presents RIZIN.33』にて「RIZINバンタム級JAPANグランプリ準決勝&決勝」に臨む瀧澤謙太(フリー)が13日、公開練習を行った。
6月の1回戦で今成正和の足関節を凌ぎ、判定勝利した瀧澤は、2回戦で元谷友貴にカウンターの左フックを効かせてのラッシュでTKO勝利。大晦日の準決勝で、元同級王者の朝倉海(トライフォース赤坂)と対戦する。もう片方のブロックでは、扇久保博正(パラエストラ松戸)と井上直樹(セラ・ロンゴ・ファイトチーム)が準決勝を争う。
公開練習で、オーソドックス構えからボクシングのみのミット打ちを見せた瀧澤は、右目下にアザのある顔で質疑応答に臨んだ。
練習で重視している点は「人を殴る感覚を養うこと」で、現在は「追い込み練習でバチバチやっています。(目の下の傷は)スパーリングでついたもので全然問題ないです」という。
リバーサルジム東京スタンドアウトでの練習のほかに、フィジカルトレーニングにも取り組んでおり、「パーソナルトレーニングを年明けからメニューを変えて週3回『乳酸製作所』でやっています。『足強化の日』や『上半身強化の日』などと決めて、ウエイトや自重トレーニングで鍛えています。体つきや組み合った時の力やバランスが結構違ってきて、フィジカルトレーニングの成果がかなり出ていると感じています」と、手応えを得ている。
「格闘技頭」が進化した
16選手が参加したこのトーナメントを通して、最も成長したファイターとの評価も高い。その秘訣を瀧澤は「格闘技頭」が進化した、という。
「戦略を練るようになりました。格闘技に対しての頭の回転や柔軟性が上がった気がします。格闘技に携わる時間が増えました。暇な時間、空いた時間でも格闘技のことを考えるようになりましたし、特にこのトーナメント期間に、自分の武器を、得意な部分を伸ばすような練習をしてきたので、そうすることで練習も面白いし、格闘技が楽しいと思えるようになりました。それ自体ポジティブで、いろいろ発想が思い浮かぶようになりました」と、敗戦のなかで、自身の不得意な部分の強化をせざるを得なかった期間を経て、いまは長所を活かす練習にシフト出来たことが、進化に大きく影響していると語る。
【写真】GP1回戦の今成との戦いで弱点の寝技強化に取り組んできたことがいまに活きている。(C)RIZIN FF
GPベスト4のなかで、唯一ヘッドコーチ的な存在を感じさせない異色の存在だ。
キックの宮川峻トレーナー、MMAファイターの関原翔、グラップラーの岩本健汰らがいるチームで、作戦は瀧澤自身が考え、それを各コーチに相談しているという。
「トータルで見てもらっているというより、ポイント・ポイントで見てもらっています。MMAの試合では、軸となる作戦を自分で立てて、宮川さんと関原さんのセコンドの2人に共有して、良いのか悪いのか、追加や削ることなどを判断してもらい、技術的な部分は岩本さんやその他、出稽古などで教えてもらっています」
自身で戦略を練って戦うのは新極真会の空手時代から。その理由は「自分で作戦を立てないと悔いが残ったりするので、責任は自分にある。自分で組み立てて悔いのない戦いをしたい」と、自身の作戦を軸にすることで納得できる戦いをしたいとした。