「K-1 WORLD GP 2020 JAPAN ~K'FESTA.3~」2020年3月22日(日)さいたまスーパーアリーナ▼第20試合 K-1 WORLD GP第3代スーパー・ウェルター級王座決定トーナメント・決勝戦 3分3R・延長1R○木村“フィリップ”ミノル(ブラジル/K-1ジム五反田チームキングス/Krushウェルター級王者)[1R 1分10秒 TKO]※セコンドからのタオル投入×和島大海(月心会チーム侍)※木村がトーナメント優勝。
木村は、1回戦で海斗を右ストレート、さらに左右ラッシュで1R 2分10秒でKO。準決勝ではポルトガルのエダー・ロープスを右ストレート1発で1R 1分02秒でKOするなど、計3分12秒で決勝に駒を進めた。
対する和島は1回戦でタイのアワターン・トー.モースィーを左ローで3R 0分40秒 KO。準決勝では城戸康裕の左ローに苦しめられながらも3R判定勝ち。計6Rを戦っており、右前足のダメージはいかほどか。
1R、オーソドックス構えの木村にサウスポー構えの和島。右をガード上に当てる木村。ここはガードする和島だが、右で入った和島に再び木村は左フック! グローブの上からもらった和島がダウン。そのまま立ち上がれず。タオルが投入され、木村のスーパー・ウェルター級王座決定トーナメント優勝が決定した。
木村はリング上で、「まだこのベルトを巻いているのが信じられないぐらい、子供の頃から夢でした。この階級で獲れたのが意味があって、誇り高い気持ちでいっぱいです。優勝してほんとうに嬉しくて。まだまだ解説席にいるレジェンドには届かないですけど、僕は必ず魔裟斗選手を越えるようなスーパースターになるので応援してください。よろしくお願いします。今日は最高でした。ありがとうございます」と宣言し、メインを締めた。
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▼第19試合【株式会社フュディアルクリエーション Presents】スーパーファイト K-1スーパー・フェザー級 3分3R・延長1R○武尊(K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST/K-1 WORLD GPスーパー・フェザー級王者)[2R 0分49秒 KO]×ペッダム・ペットギャットペット(タイ/ペットギャットペットジム/元BBTVスタジアム認定フェザー級王者)※アダム・ブアフフ(モロッコ)は来日不可能で欠場。
当初、武尊はISKAオリエンタルルール世界ライト級王者アダム・ブアフフ(モロッコ)とお互いのタイトルを懸けてのダブルタイトルマッチを行うことになっていたが、新型コロナウイルスの影響等で来日不可能となり、元BBTVスタジアム認定フェザー級王者のペッダムに白羽の矢が立った。
武尊は急遽の対戦相手変更について、「ペッダム選手はムエタイの世界の中でもひと握りのチャンピオンベルトを巻いた選手なので、その選手をKOして必ず勝ちます。ペッダム選手はヨーキッサダー選手よりアグレッシブ。試合を見ても退かないスタイルだと感じたので僕とかみ合うと思う。相手が変わったので対策も全部変わる。どういう選手にも対応してそれを乗り越える自信を付けたいと思っていたので、自分への試練だと思って今回の試合を乗り越えて自信に変えたい」と語り、今回の試合を「試練」と評した。
対する元BBTVスタジアム認定フェザー級王者ペッダムは、激しい試合が好まれるテレビマッチを主戦場としている。24歳で戦績は92勝(15KO)46敗2分。ニックネームは“黒いダイヤモンド”。K-1ルールに関しても「中国ではヒジなしルールで戦ったことがある。自分はパンチと蹴りを多用する選手なのでそれに合わせてやっていく」と、ヒジなしルールを経験していることが大きいと語る。また、「ディフェンスもしつつ至近距離で今回も打ち合う」と、タイでの試合スタイルそのままに打ち合いをすると宣言。武尊とヨーキッサダー(昨年3月、武尊がKO勝ち)の試合も検証済みで、「ヨーキッサダーは自分より階級が下の選手で、自分の方が上なのでその点で勝てると思っている」と自信を見せている。
1R、ともにオーソドックス構え。先に右ミドルで牽制はペッダム。武尊も左インロー。さらに速い左フックから右ローの対角線攻撃で打つ。左インローの連打は武尊! ペッダムも左ミドル。しかし武尊もしっかりチェックし前足へのローでペッダムは後退。右ボディから左フックを突く。左インローをダブルで効かせる武尊! ロープに詰めて右をテンプルに当てるとペッダムがダウン! 落ち着いて武尊は詰めていく。
2R、詰めて来たペッダムは右ハイ。ブロックする武尊はコーナーを出るがペッダムは右ミドル! しかし武尊は右フックを当てるとペッダムは後退。果敢に右を打ち返しに行くが武尊は左右のラッシュ! ペッダムがガードを固めると、武尊は左右のボディを打ってから、最後は右フックを当て、返しの左でペッダムは頭から崩れ落ちてダウン。失神したまましばらく動けず。
さまざまなプレッシャーから解放された武尊は、コーナーで涙を流し、タオルで涙を拭うと、トロフィーを受け取り、マイクを握った。
リング上で武尊は、「応援ありがとうございました。ダブルタイトルマッチを楽しみにしていた皆さん、スーパーファイトになってしまって、でも、僕はタイトルマッチとか関係なく、試合で、試合内容で、見ている人たちや応援してくれる人にパワーを与えたいと思っていました。タイトルマッチが無くなったのは悔しいですけど、みなさんの応援のおかげで勝つことができたと思います。ありがとうございました」と語ると、言葉に詰まり、再び涙を流した。
涙を拭いながら武尊は、「いろんなことがやっぱり……大変なことはいっぱいあって……格闘技はほんとうに…ほんとうに人にパワーを与えられるスポーツで、いろいろ言われますけど、格闘技ってすごいスポーツだと思うので……格闘技でもっとたくさんの人にパワーを与えていきたです、僕は」と、振り絞るように語った。
続けて、「僕は、『今日は言うな』と言われてましたけど……やっぱり今こそ、こういうときだからこそ格闘技が、みんなにパワーを与えていけると思うんで、団体とか関係なく格闘技で日本中、世界中をもっと元気にしていきたいし、パワーを与えていきたいんで、でもたくさんの人の応援があってこそのことだと思うので、これからも格闘技全体を応援しもらって、必ずデカい大会をやりますんで、みなさん、そのときはもうK-1とか他団体とか関係なく、みんなで応援してもらって、みんなで白熱してパワーもらって帰ってください。それに向けて頑張ります。格闘技、最高!」と、団体の枠を超えたビッグマッチの実現を語った。
武尊の涙のマイクを受けた放送席の魔裟斗は、「選手のやりたいことをかなえさせてやるのも大人の役目だと思います」と武尊にエールを送った。
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▼第18試合 K-1 WORLD GPクルーザー級タイトルマッチ 3分3R・延長1R○シナ・カリミアン(イラン/POWER OF DREAM/王者)[判定3-0] ※28-27×3×愛鷹 亮(K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST/挑戦者)※カリミアンが2度目の防衛に成功。
K-1 WORLD GPクルーザー級タイトルマッチとして、王者シナ・カリミアン(イラン/パワー・オブ・ドリーム)と挑戦者・愛鷹亮(K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST)が対戦。
両者は8月24日にエディオンアリーナ大阪にて開催された『K-1 WORLD GP 2019 JAPAN~日本vs世界・5対5&スペシャル・スーパーファイト in 大阪~』で、ノンタイトル戦で激突。愛鷹が3R57秒、右フック一発でカリミアンをマットに沈めるジャイアントキリングを起こした。
その後、11月24日(日)神奈川・横浜アリーナ『K-1 WORLD GP 2019 JAPAN~よこはまつり』でのタイトルマッチでの再戦が発表されたが、試合前日にカリミアンの負傷欠場により試合中止。タイトルマッチは延期となっていた。今回が約7カ月ぶりの再戦となる。
1R、ともにオーソドックス構え。身長は20cm差。カリミアンは跳びヒザ。愛鷹は右ロー、詰めて右フック! ブロックするカリミアンだがスイングフックの脅威でジャブが打ちにくい。長い右ミドルはカリミアン。さらに左右のヒザを突く。頭を下げてのカリミアンの右ボディストレートの打ち終わりに右スイングフックを当てた愛鷹! 下がるカリミアンに愛鷹は右のフックをダブル。足をもつれさせたカリミアンを押し倒すように愛鷹は先にダウンを奪った。
2R、右のオーバーハンドを当てる愛鷹。しかしカリミアンは右のバックフィストでダウンを奪い返す! 立ち上がる愛鷹は、カリミアンのボディ打ち、ヒザ蹴りにロープに釘付けとなるが、ガードを固めて大きな右を振る! 下がるカリミアンだがガード。続く愛鷹の右は空振りに。
3R、ボディを着いて左ローはカリミアン。しっかりチェックする愛鷹。右ローを返す愛鷹。さらに右を振る愛鷹。ワンツーから左ミドルはカリミアン。さらに右跳びヒザも! ジャブの刺し合いはカリミアンも愛鷹も応戦。跳びヒザ、バックフィストに愛鷹は後退。ラスト、カリミアンは前蹴り、左右をコンパクトに当てゴング。
判定は3-0(28-27×3)でカリミアンが勝利。2度目の王座防衛に成功。試合後、勝者はリング上で、日本語で「ミナサン、コンバンハ。キョウ、アリガトウゴザイマシタ」と語ると、続けてペルシャ語ではなく英語で「まず自分に対して毎日、トレーニングし、諦めなかったことを褒めたいです。新しいチームであるPOWER OF DREAMのフルカワ会長、タケイら兄弟たちに感謝します。故郷のみんな、日本のみんな、キングは戻って来ました」と感謝の言葉と完全復活を宣言した。▼第17試合【喧嘩道 Presents】スーパーファイト K-1スーパー・バンタム級 3分3R・延長1R○武居由樹(POWER OF DREAM/K-1 WORLD GPスーパー・バンタム級王者)[判定3-0] ※30-29×3×デンサヤーム・アユタヤファイトジム(タイ/Ayothaya Fight Gym/True4U CPトーナメント優勝)
スーパー・バンタム級スーパーファイトでK-1 WORLD GPスーパー・バンタム級王者の武居由樹(POWER OF DREAM)が、True4U CPトーナメント優勝デンサヤーム・アユタヤファイトジム(タイ)を迎え撃つ。
武居は12月の名古屋大会でスリヤンレックと対戦し、合計3度のダウンを奪うもKO勝ちを逃した。今回は、武居と所属ジム側から「タイ人と戦いたい」との希望があり、12月に続いてタイ人強豪との試合が組まれた。
デンサヤームは2002年生まれの18歳ながら76勝(7KO)23敗3分と100戦を超えるキャリアを持ち、TVマッチ『True4U』CPトーナメントでは優勝。今回がK-1初参戦となる。長身から繰り出す蹴り技を得意とし、ジャオスアヤイと同じジムで、K-1用の練習も行っているという。
タイ人と2度対戦してKOがまだない武居は、「K-1の王者は特別なので、他の王者に負けない試合を見せて会場を沸かせたい」と、K-1王者の中でも自分が最もいい試合を見せたいと誓った。
1R、ともにサウスポー構え。細かいステップを踏む武居。長身のデンサヤームは左ローから。左ボディで入る武居にグローブを脇い挟みクリンチはデンサヤーム。離れ際の武居の右フックに後退するデンサヤーム! 武居は左右ラッシュも距離が空くと左ミドルを返す。左ボディから右ボディは武居。デンサヤームはクリンチが多くなる。左ミドルからワンツーはデンサヤーム。しかし左ボディ打ちから飛び込む武居。
2R、長い左ミドルから入るデンサヤーム。サウスポー構えの武居も左フックから右ボディ。デンサヤームはブロック。武居は左後ろ廻し蹴りで近づき、ロープに詰めて右を当てる。互いに左ミドルの打ち合い。距離が長い左ミドルを突くデンサヤームは左ストレートも。かわす武居は左ストレートから前へ。しかしクリンチのデンサヤームは遠間から左ミドルを当てる。
3R、懐が深いデンサヤームに回転してのバックフィストから近づく武居。さらに左ミドル、武居の左をかわして左ハイ! 武居は左ローを当てるとデンサヤームは嫌ったか。足を引きながら長い左ミドルを当てる。武居の左ローに左ミドルの蹴り返し。デンサヤームの左の蹴りに、武居はフック系のパンチは大きくなる。デンサヤームの左ミドルの打ち終わりに右を当てる武居だが、デンサヤームもクリーンヒットは許さない。
判定は3-0(30-29×3)でパンチを当てた武居が勝利。ミドルは武居のブロックの腕に当てたデンサヤームだが、ダメージを重視するK-1の判定基準のなかでは、武居以上のコントロールとK-1ルールでの有効打が必要だった。
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▼第16試合 スーパーファイト K-1女子フライ級 3分3R・延長1R○KANA(K-1ジム三軒茶屋シルバーウルフ/K-1 WORLD GP初代女子フライ級王者)[1R 2分42秒 KO] ※右フック×グロリア・ペリトーレ(イタリア/ISKA女子世界-53.5kg級王者)
K-1女子フライ級のスーパーファイトで、K-1 WORLD GP初代女子フライ級王者・KANA(K-1ジム三軒茶屋シルバーウルフ)が、ISKA女子世界-53.5kg級王者グロリア・ペリトーレ(イタリア)と対戦。
KANAはK-1&KRUSH女子部のエースとして活躍。2016年4月に紅絹との王座決定戦を制し、第2代Krush女子フライ級王者となった。同王座は2017年1月にメロニー・ヘウヘスに奪われるも、同年12月に奪回。2019年12月に行われた初代女子フライ級王座決定トーナメントで優勝し、初代K-1女子フライ級王座も手にした。
王者第一戦として今回対戦するグロリアは10年以上のハンドボール歴を持ち、21歳で格闘技に転向。ボクシングをベースにしたステップワークを駆使するスタイルで米国、欧州、中国と世界各国で活躍する選手。
KANAは「去年と違ってチャンピオンとして試合をするので、試合をしっかり見せたい。今年は全試合KOを目標に試合をしていきたいです。グロリアは経験豊富で、ベラトールでやっていたり、自分がトーナメント前に一緒に練習していたアニッサとも対戦している世界トップと試合をしている選手。世界最高の試合をして勝ちたい」と意気込みを語っている。
1R、ともにオーソドックス構え。ペリトーレの左ローにすぐに右の蹴り返しはKANA。詰めて左ローを効かすと左ボディも。コーナーに詰めるKANAは左右ボディも当てるが、左フックを返すペリトーレ! しかしKANAは右ローを当て、つかみに来たペリトーレに対し、頭を振り払いながら右フック! ペリトーレは後方に吹っ飛び失神! 1R 2分42秒、KANAが豪快なKO勝利を決めた。
試合後、KANAはリング上で「応援、ありがとうございました。対戦相手のグロリア選手、イタリアから参戦してきてくれてありがとうございました」と、コロナウイルスの感染が拡大しているイタリアから来日したペリトーレに感謝の言葉を述べると、「王者としての初戦でこうして勝てたのも皆さんのおかげです。このスタートに満足せず1戦、1戦勝って強くなっていきます。これからもK-1の応援を宜しくお願いします」と会場のファンに挨拶した。
▼第15試合 スーパーファイト K-1ライト級 3分3R・延長1R×林 健太(FLYSKY GYM/K-1 WORLD GPライト級王者)[判定0-3] ※26-30, 26-29 26-29○朝久泰央(日本/朝久道場)※キム・フォーク(スウェーデン)は来日不可能で欠場に。
当初、林はジュー・シュアイ(中国)との対戦が決まっていたが新型コロナウイルスの影響でキム・フォーク(スウェーデン)に対戦相手が変更。しかしフォークも新型コロナウイルスの影響等で来日不可能となり、3連勝中の朝久が緊急出場となった。
朝久は福岡在住で、兄・朝久裕貴と共に兄弟で活躍するファイター。2018年12月のK-1大阪大会では元Krush王者の安保璃紅に勝利し、現在3連勝中。本来一階級下のスーパー・フェザー級だが「いきなりで王者と戦えるのをとても嬉しく思います。60kgではハッキリ言って相手がいないと思っています」とK-1ライト級でも自信。無尽蔵のスタミナから繰り出す攻撃と変幻自在のファイトスタイルでK-1王者・林健太にどう挑むかが注目の一戦となる。
1R、ともにオーソドックス構え。左右にスイッチする朝久は左の前蹴り、かかと落とし。林の右ストレートに長い右前蹴りを合わせる。さらに左前足を上げてから前方に突き出すと顔面を後方に振られる林。朝久は前蹴りから右ストレートと空手のコンビネーションで繋げる。しかし林も徐々に距離を詰めていく。
2R、林の右ストレートに後手になる朝久。林は左ボディも当てるが、朝久は近い距離でも右から左ハイの二段蹴り! 後方にダウンし立ち上がった林。さらに朝久は左の蹴り! 右を振ってきた林にカウンターの右ストレートで2度目のダウンを奪う! 再び立ち上がる林に左ヒザ、ミドルを当てる朝久。しかし林も右ストレートを返す。朝久は左ハイ! 林の左右をダッキングでかわす朝久。
3R、距離を潰す林は打ち合いから左ボディ。前蹴りを打つ距離が足りない朝久は左下段蹴りを当てて行く。近距離で林は左フック! 右アッパー! 互いに額を突き合わせる距離での打ち合いも右ストレートは林が当たる。しかしスクランブル参戦の朝久も死力を振り絞り、打ち合いに。
判定は、3-0(30-26, 29-26, 29-26)で2度のダウンを奪った朝久泰央が、階級上のライト級王者を下した。林は1年半ぶりの黒星となった。
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▼第14試合【株式会社 武州鳶 Presents】K-1 WORLD GPスーパー・ライト級タイトルマッチ 3分3R・延長1R○安保瑠輝也(team ALL-WIN/王者)[判定3-0] ※30-27, 30-27, 29-28×不可思(クロスポイント吉祥寺/挑戦者)※瑠輝也が2度目の防衛に成功
K-1 WORLD GPスーパー・ライト級タイトルマッチとして、王者・安保瑠輝也(team ALL-WIN)がKING OF KNOCK OUT初代スーパーライト級王者・不可思(クロスポイント吉祥寺)の挑戦を受け、2度目の防衛戦に臨む。
安保は2019年6月、ゲーオ・ウィラサクレックを延長戦の末に判定で破り、第4代王座に就いた。12月28日にはゲーオを相手に初防衛戦を行い、またも延長戦の末に判定勝ち。わずか3カ月のスパンで防衛戦を行うことになった。挑戦者の不可思はKNOCK OUTやREBELSなど様々な団体で活躍し、これまで5本ものベルトを獲得。K-1 JAPAN GROUPに参戦して4戦目(2勝1敗)でK-1王座挑戦となった。
公開練習で安保は不可思の能力を5段階評価で分析。その中で「メンタルは星5つ超えてる」と精神面を高く評価したが、スピードに対しては2と酷評している。
しかし、前日計量では王者・瑠輝也が初回計量を65.15kgで150グラムオーバー。他の計量が全て終わったところで再計量に臨み、パスしている。減量苦からの体調不良のためその後の会見は欠席しており、当日に影響を残すか。SNSでは「明日は殺しの安保瑠輝也でいきます」と体調復活を報告している。
対する不可思は、ボクシングで内藤大助や比嘉大吾といった世界王者を育てた野木丈司トレーナーの指導も仰ぐようになった。「過去最高」と語る充実振りと進化したスタイルで安保を破り、「K-1に来た証としてベルトを手に」することが出来るか。
1R、ともにオーソドックス構え。先に右ローは不可思。瑠輝也も左ローを返し左ジャブ。左の二段蹴りを見せる。そこはかわす不可思。詰める不可思はボディ打ち。しかし瑠輝也の蹴りでファールカップのヒモが切れたか。いったん退場し、装着し直す。そのままリング上で待つ瑠輝也。不可思がリングに戻り再開。
瑠輝也の左ハイをブロックする不可思。瑠輝也のローにジャブを当てる不可思。跳びヒザからそのまま右フックに繋げる瑠輝也! さらに左から胴廻しにフラつく不可思。スイッチし右足前にする瑠輝也。右ストレートで不可思の足が泳ぐとさらに右ストレート! ロープにヒジをかけ片ヒザを着きダウンを取られた不可思だがゴングに救われる。
2R、跳びヒザに尻餅をつく不可思だが、右ストレート! 下がる瑠輝也に不可思はラッシュも凌ぐ瑠輝也。ヒジ打ち気味に入る瑠輝也の右。しかし不可思は右ボディ連打! 瑠輝也は減量苦か若干動きが落ち、ホールディングの注意。右のクロスは瑠輝也。かわす不可思は前蹴り! しかし瑠輝也もヒザ! それでも下がらない不可思。跳びヒザの瑠輝也に不可思はボディ打ちで応戦。さらに詰める。
3R、右ロー、左インローを前足に突く不可思。瑠輝也はヒザ蹴りも構わずボディを打つ不可思に右の相打ちも不可思は前に。クリンチが多くなる瑠輝也。左のサイドキックはアゴに! さらに距離が空くと左ハイ! ブロックする不可思は右ボディ。瑠輝也の左サイドキックを浴びながらも前へ。さらに右アッパー! 瑠輝也が胴廻し回転蹴りもかわす不可思。ゴング。
判定は3-0(30-27, 30-27, 29-28)で1Rにダウンを奪った瑠輝也が苦しみながらも勝利。スーパー・ライト級王座、2度目の防衛に成功した。
瑠輝也はリング上で、「KO勝ちから遠ざかってて、今日は倒し切るつもりが、不可思選手の気合いがすごくて、倒し切れなかったです。盛り上がったのは不可思選手のおかげです。不可思選手、ありがとうございました」と語った。
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▼第13試合 K-1 WORLD GP第3代スーパー・ウェルター級王座決定トーナメント準決勝(2) 3分3R・延長1R×城戸康裕(谷山ジム/第2代Krushスーパー・ウェルター級王者)[判定0-3] ※27-30, 28-29, 28-30○和島大海(月心会チーム侍)※和島が決勝へ進出。
1回戦でミラン・ペイルス2R 左ハイでKOに下した城戸。対するはタイのアワターン・トー.モースィーを左ローで3R KOに下した和島。
1R、ともにサウスポー構え。先に詰める和島に右回りは城戸。和島はジャブのダブルでコーナーに詰めると左のボディを突く。さらに左から右フックもブロックする城戸はバックフィスト。かわす和島は詰めてのヒザと城戸にリズムを作らせない。しかし城戸は左ハイ、バックフィストは和島も研究済み。城戸のサイドステップにすぐに追って距離を作らせない。城戸は下がりながらも左ローを突いて行く。
2R、城戸は左ミドル、ローもそこにカウンターで右ストレートを狙う和島。しかし距離が近くなると城戸は巧みにヒザ連打。詰める和島は右フックから左。ブロックする城戸はバックフィストもそこは想定している和島。しかし城戸は左ロー! 和島は右インロー。しかし徐々に入り辛くなる。それでもコーナーに詰めて右から左ボディは和島! 城戸は2R終了間際の左ローで足を痛めたか。
3R、詰める和島は右フックから左ボディ! 口から出血する城戸は右に回りながらも手数が減る。しかし城戸の左ローに和島の動きが鈍る! 下がるようになる和島。ここを逃さないベテランの城戸は左ロー。さらに詰めての左フックをなんと和島の右ももに連打する! 和島の左ハイを潰しにいくが、和島の左ストレート! 左右連打に城戸も動きが鈍る。しかし後退しながらも左ローを突く城戸!
死闘の判定は3-0(30-27, 29-28, 30-28)で和島が勝利! 世代交代を成し遂げた。しかし、試合後は足を引きずっており、決勝までにどこまで回復できるか……。
▼第12試合 K-1 WORLD GP第3代スーパー・ウェルター級王座決定トーナメント準決勝(1) 3分3R・延長1R○木村“フィリップ”ミノル(ブラジル/K-1ジム五反田チームキングス/Krushウェルター級王者)[1R 1分02秒 KO]×エダー・ロープス(ポルトガル/Jazzy Fight Club K.O Team/ISKA欧州スーパー・ウェルター級王者、WKA世界-72kg王者)※木村が決勝へ進出。トーナメントの準決勝第1試合は1回戦で、1R2分10秒でKO勝ちした木村と、2R49秒でKO勝ちしたロープスの対戦に。
1R、ともにオーソドックス構え。ロープスは左ミドル。さらに長い足で右の蹴りまで繋ぐ。圧力をかける木村は、ロープスが右を出したところにカウンターの右ストレート! ロープスは糸が切れたように後方に倒れ、失神。その首は最下段のロープからゆっくりマットに落ちた。
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▼第11試合 スーパーファイト K-1ウェルター級 3分3R・延長1R○野杁正明(K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST/第2代K-1 WORLD GPスーパー・ライト級王者)[判定3-0]※30-28×2, 30-29×ダビド・メヒア(ポルトガル/スペイン/Gimnasio Formas/ISKA世界ウェルター級王者)
第2代K-1 WORLD GPスーパー・ライト級王者の野杁正明(K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST)が、ダビド・メヒア(スペイン)と対戦。
野杁は春に海外遠征を予定していたがその遠征の調整が遅れ、試合の時期がずれてしまったため、急遽3月に参戦が決定した。
相手のメヒアはISKA世界ウェルター級王座を保持しており、近年は中国のクンルンファイトやWLF武林風でも活躍している。クンルンファイトでは、近代ムエタイのトップ選手であるタワンチャイ・P.Kセンチャイムエタイジムとフルラウンドの激闘を演じ、判定で敗れるもパンチ主体のスタイルで左フックからの右アッパー、顔面とボディに打ち分ける右ストレートでタワンチャイを苦しめている。戦績は56勝(25KO)9敗1分。
野杁は「(同日にウェルター級の)タイトルマッチが組まれているが、次の挑戦者は野杁だと言われるような試合内容、結果が求められると思うので明日はしっかりいい内容でいい勝ち方して次の挑戦者に選ばれたい」と、久保優太vsジョーダン・ピケオーの勝者に挑戦できる結果を残したいと語る。
1R、ともにオーソドックス構え。左の蹴りを上下に打ち分ける野杁。スイッチしての左ミドルを当てるメヒア。左ヲーにはすぐに野杁も右ローを打ち返す。近づいて左ボディを当てる野杁は右ヒザも。互いにガードを固めて近づき右のかかとで打つローはメヒア。野杁もメヒアの腿にヒザを突く。メヒアの右から左の蹴り、右ストレートのコンビネーションに対し、ワンツー&ローで返す野杁。
2R、左右ローから右ヒザを腿に着く野杁。メヒアもワンツーから右アッパー。ガード固める野杁に右の蹴り。野杁はより距離を近づけて左のフックを顔面・ボディに打ち分ける。メヒアもお返しの左ヒザを腿に打つ。野杁の右ローの連打に後退するメヒア。左奥足ローの野杁に、右ローを返すメヒア。
3R、互いに攻守を入れ替える両者。ガードを上げて押し込み左右から左ボディを突く野杁に、メヒアも蹴り返す。しかしコーナーに詰める野杁はボディ打ちから後退するメヒアにワンツー、左ボディ、さらに左ヒザを高い打点で顔面に突く。
判定は3-0(30-28×2, 30-29)で野杁が勝利。世界の強豪相手に2連勝をマークした。ウェルター級では、同日に久保優太がジョーダン・ピケオー相手に王座防衛に成功しており、今後、野杁はどんな対戦相手を望むか。
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▼第10試合 スーパーファイト K-1スーパー・フェザー級 3分3R・延長1R×村越優汰(湘南格闘クラブ/第2代K-1 WORLD GPフェザー級王者)[KO 3R 2分33秒]〇レオナ・ペタス(THE SPIRIT GYM TEAM TOP ZEROS/Krushスーパー・フェザー級王者)
スーパー・フェザー級で日本人対決の好カードが組まれた。2019年11月の横浜大会で武尊を苦しめた第2代K-1 WORLD GPフェザー級王者・村越優汰(湘南格闘クラブ)と、K-1スーパー・バンタム級世界最強決定トーナメント決勝戦で武尊と対戦した小宮山工介をKOしているKrushスーパー・フェザー級王者レオナ・ペタス(THE SPIRIT GYM TEAM TOP ZEROS)が激突。武尊戦を熱望している者同士のスーパー・フェザー級注目の日本人対決だ。
村越は、2011年4月にプロデビュー。RISEを主戦場に9連勝を飾り、2014年7月には第5代RISEバンタム級王座を獲得。同王座は2015年5月の初防衛戦で那須川天心に敗れて失い、2016年9月には王者と挑戦者の立場を入れ替えて再戦したが、判定2-0で惜敗した。
2017年12月からはK-1に主戦場を移し、2018年6月の「K-1 WORLD GP第2代フェザー級王座決定トーナメント」を制して王座に就くと、2019年3月には卜部弘嵩の挑戦を退けて初防衛に成功した。同王座は8月に返上し、打倒・武尊のために階級を上げて11月大会で対戦。判定負けを喫するも武尊を苦しめている。
村越はレオナについて、「同時にリードブローを出した時には相手の方がリーチがある。でもそこも自分はタイミングに自信がある。相手の攻撃をもらわず自分の攻撃を当て、テクニックで相手を上回りたい」とレオナを技術で攻略すると宣言。
対するレオナは“石の拳”と称される強打を武器に、大雅、山本真弘、朝久泰央らを撃破。2019年6月のK-1ではK-1 WORLD GP第4代スーパー・フェザー級王座決定トーナメント準優勝(優勝は武尊)の実績を持つ小宮山工介をもKOした。9月には西京佑馬を下して第9代Krushスーパー・フェザー級王座に就き、12月には山本直樹をKOして初防衛に成功している。戦績は26勝(11KO) 5敗1分。
村越について、「アウトボクサーですが、全然僕の方がアウトボクシングは上手い。リーチもあるし60kgで戦ってきた経験も僕の方が多いので全然余裕。あっちがアウトボクシングをやるなら、それ以上のアウトボクシングをやって何も出来ないようにしてやろうかなと。もし打ち合いに来てくれるんだったら、ガッツリと受けて立つ」と、村越がどんな距離で戦おうとも対応できると自信。さらに、「相手を見て一階級下の王者だったので小さいと思った」「結果を出して武尊選手に何も言えないようにさせる」と。村越に勝って打倒・武尊へ一歩進みたいとする。
1R、サウスポー構えの村越に、オーソドックス構えのレオナは右ローから。村越は蹴り合いをつかんで軸足を払ってこかす。右ミドルを当てるレオナ。村越は左前蹴り。廻し蹴りも見せる。半身気味に圧力かけ右ローはレオナ。村越の右ジャブにカウンターの右ストレート! さらに右を連打しダウンを奪う! さらに右ヒザはレオナ。
2R、右の奥足ローを当てるレオナ。圧力をかけてコーナーに村越を詰める。村越の左の攻撃に内側にステップし右の強打を当てるレオナ! 右ミドル。右のカウンターを狙う。村越もその打ち終わりに右ジャブを返す。
3R、村越のパンチに右の打ち下ろしのストレートを当てるレオナ。しかし村越も左ストレートで反撃。遠間から当てるレオナに村越は得意の三日月蹴りを打てない。入っている村越に、レオナは怒涛のラッシュから右ストレート! この試合2度目のダウンを奪うと、立ち上がってきた村越に嵐のような猛攻! 左右フックも交え連打で倒し、KO勝利!
驚異の8連勝(5KO)を決めたレオナは試合後、マイクを持つと「具合が悪くて家で見てる母ちゃんに『勝つことが出来たよ』と報告したいです。皆さん見て分かる通り、僕が一番強いと思うんですよ。武尊選手とやったら面白いと思いますので、今日、武尊選手も試合をやるんで見比べてもらって、年内にやれればと思います」とあらためて武尊に宣戦布告した。
▼第9試合 スーパーファイト K-1スーパー・バンタム級 3分3R・延長1R○玖村将史(K-1ジム五反田チームキングス/Krushスーパー・バンタム級王者)[判定2-0] ※30-29, 30-30, 30-28×金子晃大(K-1ジム三軒茶屋シルバーウルフ/第3代Krushバンタム級王者)
スーパー・バンタム級のスーパーファイトで、Krushスーパー・バンタム級王者の玖村将史(K-1ジム五反田チームキングス)と、第3代Krushバンタム級王者・金子晃大(K-1ジム三軒茶屋シルバーウルフ)が対戦。目が離せないスピードスター同士の戦い。
スーパー・バンタム級王者・武居由樹選手の首を狙う、ライバルになる可能性を持った両者で次の武居の日本人の相手が誰になるのか、注目の日本人対決となる。
当初、玖村は金子と11月のタイトル防衛戦で戦う計画もあったが、オファーされた金子がタイトル挑戦を辞退したため林勇汰と防衛戦を行った(玖村が判定勝ち)。
2019年の『K'FESTA.2』では金子が玖村将史の兄・修平と対戦し、倒し倒されの大激闘(バックブローでダウンを奪われた)を演じた。玖村将史は「兄が負けたことは気にしていないけど、同じ階級であれだけ盛り上がる試合をしていたのでそれ以上の試合をしたい。(金子が連勝中なのは)単純に自分より強い選手とやってないから」と意気込む。
金子は昨年8月に林勇汰を試合をして、デビュー以来の無敗記録を「9」に伸ばして以来の試合となる。年始にはタイの名門ジム・ペッティンディーアカデミーへの武者修行も敢行した。「きれいに勝ってKOして、次はタイトルマッチをやりたい」と、ビッグインパクトを残してスーパー・バンタム級王者・武居由樹の首を狙うと宣言。
1R、ともにオーソドックス構え。金子の右ミドルに右フックを合わせに行く玖村。互いに前蹴りからワンツーの右が伸びる玖村! さらに左フック。金子は右ミドルを当てるが、そこにワンツーを振る玖村。玖村のボディ打ちに金子も負けじとボディにミドルを当てる。玖村の左に右をかぶせに行く金子。玖村は左ボディから左フックを腹・顔面とダブルでヒット!
2R、右ロー、ミドルは金子! 玖村は蹴りにワンツーを狙う。さらに右ストレートが玖村の顔面をかすめる。玖村は左ジャブ! さらに左フックの刺し合い! 金子の右ミドルに玖村の脇が赤くなる。玖村もジャブのダブル、さらに右ストレート! 金子の左目下が腫れる。
3R、右ミドルは金子。しかし戻しの際ですぐに右を突く玖村。互いにスピーディーな展開のなか、左のジャブ・フックの玖村に金子はカウンターの左フック! 玖村も左を返すとジャブで金子のアゴを上げさせる。さらに左ボディ! 金子は右ミドル! 玖村は単発に終わらずパンチを散らしていく。一進一退の攻防は、判定2-0で玖村が接戦を勝利。兄の敵討ちに成功した。
▼第8試合 スーパーファイト K-1フェザー級 3分3R・延長1R×小澤海斗(K-1ジム三軒茶屋シルバーウルフ/第2代Krushフェザー級王者)[3R 0分0秒 TKO] ※唇裂傷によりレフェリーストップ○ジャオスアヤイ・ソー.デッチャパン(タイ/K-1 WORLD GP第3代フェザー級王座決定トーナメント準優勝)
フェザー級のスーパーファイトで、小澤海斗(K-1ジム三軒茶屋シルバーウルフ)とジャオスアヤイ・アユタヤファイトジム(タイ)が対戦。
小澤は空手とアマチュアボクシングをバックボーンに2014年6月のKrushでプロデビュー。11戦目で武尊の相手に抜擢され、乱闘騒ぎを起こすなど武尊に喧嘩を売って注目を浴びた。2016年8月には大岩龍矢を破り、第2代Krushフェザー級王座に就く。武尊には2016年11月の初代フェザー級王座決定トーナメント決勝戦で連敗を喫するもののライバルとして君臨。 しかし、西京春馬に連敗を喫して2戦目ではタイトルを奪われ、ジョージ・バレラ、芦澤竜誠にも敗れるなど大きく後退。覇家斗、鷹大に連勝して再び波に乗るかと思われたが、鷹大戦で左手拳を骨折し、今回が約9カ月ぶりの復帰戦となる。戦績は14勝(7KO)7敗2分。
対するジャオスアヤイはムエタイの二大殿堂のひとつ、ルンピニースタジアムで活躍する新星。二段式の飛びヒザ蹴りやハイキックといった大技でKOを量産し、2019年11月の第3代K-1フェザー級王座決定トーナメントでK-1初登場。一回戦では必殺の飛びヒザ蹴りを決めて安保璃紅をKOし、準決勝でも卜部弘嵩との延長戦に及ぶ激闘に勝利。決勝こそ江川優生の左ボディに沈んだものの、鮮烈なインパクトを残した。戦績は64勝(19KO)35敗2分。
1R、サウスポー構えで左ミドルから入る小澤。オーソドックス構えのジャオスアヤイは右ハイもバックステップでかわす小澤。右跳びヒザで入るジャオスアヤイに左ミドルを返す。ジャオスアヤイも小澤の左ミドルに左ストレート! さらにノーモーションの右ストレートで小澤からフラッシュダウンを奪う! 腰を落としながらすぐに立つ小澤は詰めて打ち合いに持ち込み、ジャオスアヤイの右アッパーに右フックでダウンを奪い返す! 立つジャオスアヤイにラッシュもコーナーで耐えるジャオスアヤイ。
2R、右ローを奥足に当てるジャオスアヤイ。小澤の左ローの蹴り返しはローブローに。中断後再開。左ボディストレートを当てる小澤。ジャオスアヤイは跳びヒザで強引に詰める。さらに小澤の右の打ち終わりに、シャープな左フックをアゴに入れてダウン奪取! 立つ小澤は跳びヒザから近づき、バックフィストを強振するが、その打ち終わりにジャオスアヤイは右ハイ! 小澤はこのラウンド2回目のダウン。唇をカットする。
3R、唇を大きく切っている小澤。ドクターチェックで試合続行不可能と判断されTKO負け。小澤は9カ月ぶりの試合で白星を飾ることは出来ず。フェザー級王座決定トーナメント準優勝のジャオスアヤイが勝利した。19歳のジャオスアヤイは江川優生へのリヴェンジを望んでいるが今後は?
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▼第7試合 K-1 WORLD GPウェルター級タイトルマッチ 3分3R・延長1R○久保優太(サラバニアファミリー/王者)[判定3-0] ※30-29×3×ジョーダン・ピケオー(オランダ/Mike's Gym/Krushスーパー・ウェルター級王者/挑戦者)※久保が3度目の防衛に成功。
K-1 WORLD GPウェルター級タイトルマッチとして、王者・久保優太(K-1ジム五反田チームキングス)と挑戦者ジョーダン・ピケオー(オランダ/Mike's Gym)が対戦。
久保は2019年3月の『K'FESTA.2』で城戸康裕を相手に防衛戦を行い、延長Rの末に判定2-1で2度目の防衛に成功。その試合で負った怪我の回復が長引き、1年ぶりの試合となる。挑戦者のピケオーはKrushスーパー・ウェルター級王者で、2015年5月に初来日して以来、日本人トップ選手をことごとく降し、日本人相手には無敗を誇る。「ピケオーは日本人無敗で来ていると思いますが、僕しか勝てる選手はいないと思うので日本人最後の砦として頑張ろうと思います」と意気込む。
対するピケオーは、2015年5月に初来日し、当時国内トップの実力者だった佐藤嘉洋をKOして注目を集めた。同年7月の『K-1 WORLD GP -70kg初代王座決定トーナメント』では決勝でマラット・グレゴリアンに敗れるも、1回戦と準決勝はKO勝ちして準優勝。その後は現在までチンギス・アラゾフに敗れたのみで、日菜太、木村“フィリップ”ミノル、野杁正明といった国内強豪たちを軒並み撃破し、日本人相手に無敗を誇る。2016年4月に奪取したKrushスーパー・ウェルター級王座は5度の防衛に成功。戦績は45勝(20KO)7敗1分。
久保の入場時にSARAが歌い、K-1から引退宣言した芦澤竜誠もラップで合流。SARAは「久保ちゃん、頑張ってー!」とマイクでエールを送るが、久保は集中した表情。
1R、サウスポー構えの久保、オーソドックス構えのピケオー。久保の左ミドルにすぐに右ローを打ち返すピケオー。久保は左ミドルをヒットさせる。しかし詰めるピケオーは連打からヒザ蹴りで牽制。久保は下がりながらも対応を見せる。左ミドルのダブルは久保! ピケオーの入りを巧みにそぐ。左フックから右、左ボディから右で入るのはピケオー。しかし久保もさばいてインロー。ピケオーの右ハイキックの強打は久保がブロック。
2R、左の奥足ローを狙う久保。ピケオーの右のミドルをかわして左ミドルを返す。前手をつきあい、右を上下に突くピケオーだが、久保は左ロー! さらに左ミドル。左右ボディ打ちを効かせ、離れ際に左の三日月蹴りを当てる! ピケオーの右のダブルをしっかりかわす久保だが、ピケオーの右ハイも力強い。ブロックする久保。終了間際のピケオーの右のハイを1度目はブロック。2度目はスウェイでかわす。
3R、圧力をかけるピケオー。左ミドルを当てる久保はカウンターも狙う。右ハイ&ロー、前蹴りのピケオー。さらにボディストレートから右を突くが、久保はその脇を潜る。右ボディで飛び込むピケオーにクリンチする久保。離れるピケオーは右ボディストレート。久保は圧力に下がりながらもクリンチ。右ストレートをかすめるとスウェイでかわし、クリンチ。右の蹴りを上下に突き、二段蹴りで詰めるピケオー。久保は決定打を許さないが、防戦一方に。ゴングに両者が手を挙げる。
判定は3者30-29でピケオーを完封した久保が見事、3度目の防衛に成功した。●ピケオーのコメント「とてもガッカリしています。自分のやりたいことが出来ずフラストレーションが溜まる試合でした。久保選手はいい選手だと思います。1Rは自分が勝っていたと思っていて、2Rに久保のいい蹴りが入ってペースが狂った。3Rは元通りになったけれど久保はクリンチが多く延長Rに行くと思っていたので、判定で負けたのが最低の結果でした。反省点はもっとプレッシャーを与えるべきでした。自分が前へ行くと久保はつかんでくるので、彼は距離の詰め方が上手でした。でも延長へ行けばもっといい試合が出来たと思います。結果、そうならなかったということです。自分としては今後もウェルターでもスーパー・ウェルターでもどちらでもやります。とにかく試合がしたい。もしチャンスがもらえるなら久保とのリマッチはぜひしたい。今回は久保の作戦勝ち。パンチで詰めると久保は距離を詰めて距離を殺してしまう試合運びだった。自分は今までの作戦と違う感じでいきましたが、もっとパンチを積極的に打って行く試合をすべきでした。ファンにベルトを巻く姿を見せたかったけれど、ぜひチャンスがあればまた素晴らしい試合をお届けしたいと思います」
▼第6試合 スーパーファイト K-1スーパー・ライト級 3分3R・延長1R○山崎秀晃(K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST/第4代Krushスーパー・ライト級王者、第3代Krushライト級王者)[2R 2分59秒 KO]×寺島 輝(TANG TANG FIGHT CLUB/team JOKER)
スーパー・ライト級のスーパーファイトで山崎秀晃(K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST)と寺島輝(TANG TANG FIGHT CLUB/team JOKER)が対戦。
山崎は伝統派空手からキックボクシングに転向し、2009年12月にKrushデビュー。強打と多彩な蹴り技で白星を重ね、Krushでライト級とスーパー・ライト級で2階級制覇を達成。その後はK-1で活躍していたが今年1月に古巣のKrushへ4年2カ月ぶりに参戦し、堀井翼をKO。現在3連勝、2連続KO勝ち中。
寺島は極真空手・伝統派空手出身で2019年4月のプロデビューから4勝3KO無敗のホープ。前回は11月のKrushでクォン・ギソプを破り、初の国際戦に勝利している。多彩な蹴り技と攻撃力を持ったスーパーライト級の新鋭だ。
意外にも山崎は『K'FESTA』には今回が初参戦。山崎と同じく伝統派空手をバックボーンに持つ寺島を相手に「自分としては伝統派をK-1スタイルに変えてやっている自負があるし、伝統派でも僕はかなり厳しい道場・学校でやって来た自負があるので、そこでは負けない自信はあります。向こうは極真で接近戦もやっていますが、僕も接近戦は好きなのでどうなるのか試合が楽しみです」と、伝統派空手からK-1に転向して成功した第一人者としての誇りを見せる。
1R、いつもと異なりサウスポー構えで入る寺島は左ミドル。山崎は右のインローを返す。サウスポー構えから右の跳び込みを見せる寺島。かわす山崎はコーナーに詰めて右跳びヒザで寺島の腰を落とさせるが、ノーダウンのコール。かけ蹴りも見せる山崎。左インローを当てる寺島に圧力をかけて右を振るが、コーナーに詰まる寺島は脇を潜る。右の三日月蹴りを狙う寺島。さらに左右フックもガード固める山崎は左フックをガード上に叩き込む。
2R、サウスポー構えの寺島は左ローも下がりながら。圧力をかける山崎の右のタイミングが合ってくる。さらに左フックから入る山崎。寺島はオーソドックス構えに変え凌ぐも後退。近距離で圧力をかける山崎に右ショートアッパーも山崎は左ボディ、さらにレバー打ちを効かせ、右ストレート! コーナーで背を向けて倒れた寺島の向き直りに山崎は右フック! 圧勝で3連続KO勝利を決めた。
試合後、山崎はリング上で「もうすぐにでも行ける気持ちはあるんで、この後タイトルマッチありますけど、それより山崎の試合が見たいと言われるよう頑張りますので、もう少し山崎秀晃を応援してください」と笑顔で王座戦線に向けてアピールした。●山崎のコメント「自分がやりたいことが出せて作戦通りの試合でした。伝統派空手を使いつつサウスポーで来ると思っていたので、読み通りで試合を運べましたね。カチ当たってみてもフィジカルの部分でも戦いやすかった。僕はKRESTとかで自分のフィジカルトレーニングを積んできたので自分のトレーニングには自信を持っています。彼のフィジカルについてどうこう言える立場ではないので、結果パワー勝ちしたということです。ここまで来るのに、対戦してくれた相手のみんなに、ここで負けたらその人たちに失礼。これまでの一戦一戦が自分のスキルでありでパワーになったと思っています。山崎秀晃を作ってくれました。ここでは負けていられないプライドがあります。(K-1タイトルへの挑戦は)今以外にない。僕はいつでも準備しています。体も最高潮に来ているので、関係者・ファン・プレスの皆さん、決めてください(笑)。K-1ファイターをやっている以上は頂点を目指してやっています。それに向けて全力で精進していきます。山崎の試合は面白いと言われる試合をこれからも見せていきます」
▼第5試合 スーパーファイト -61kg契約 3分3R・延長1R×SATORU成合(K-1ジム総本部チームペガサス)[判定0-3] ※25-30×2, 25-29○友尊(TEAM K/BLUE DOG GYM)
当初、SATORU成合は川原誠也(パンクラスイズム横浜)との対戦が決まっていたが、川原が練習中に負傷したため2月のKrushでKO勝ちした友尊(TEAM K/BLUE DOG GYM)と対戦することになった。
SATORUはまだキャリア5戦ながらも、戦績は3勝(3KO)2敗でK-1 JAPAN GROUPでの3勝はいずれもKO勝ち。前回12月は元Krush王者の島野浩太朗に敗れはしたものの、場内熱狂の打ち合いを展開。テレビ解説を務めていた武尊が思わず立ち上がったまま解説を続けていたという注目のファイターだ。
29歳で上京し、総本部所属としてデビューしたのは2018年11月のKHAOSだった。そこからK-1 JAPAN GROUPで4戦とプロキャリアは少ないが「地下格闘技みたいな、地元の喧嘩祭りな試合も入れるとアマチュアで20戦ぐらいはやってます。本当に色んな修羅場をくぐって来ました(笑)」とリング外?も含めて実戦経験は積んできたという。7月26日に地元・福岡でのK-1初開催も決定しているため、故郷に凱旋するためにも絶対に負けられない一戦になる。
友尊はキックボクシングで2011年7月にNJKFスーパーフェザー級王者になった後、プロボクシングに転向。7勝(4KO)6敗1分の戦績を残し、2017年8月のKrushでキックボクシング界に復帰した。Krushには2017年8月から参戦し、3連続KO負けを喫したが、その後は3勝(2KO)1敗。2019年5月には第6代Krushスーパー・フェザー級王者の郷州征宜を判定に破り、前戦は2月大会で久保一馬をKOしている。戦績は14勝(9KO)6敗。1カ月に満たない間隔での連戦になるが「この間の2週間しっかり休めたので問題ない」とコンディションも順調の様子。
2019年年末からイ人トレーナー=パヤックレックからも指導を受けている。パはヤックレック元ラジャダムナンスタジアム2階級王者で日本のリングでもムエタイ史上4人目の外国人王者となった武田幸三に勝利している名トレーナーだ。「やっぱり一番はメンタル。タイの人の言い方をすればチャイスー(闘う心、折れない心)を大事にして練習できた」という。
互いに30代で初のK-1スーパーファイト出場。今後のキャリアを考えても運命を左右しそうな決戦だ。
1R、廻し蹴り、2段蹴りで前に詰めるオーソドックス構えのSATORU。サウスポー構えの友尊はそれを凌ぎつつ右フックの飛び込み。SATORUはバックフィスト、出入りも、そこにカウンターの右フックは友尊! 左ストレートのダブルをバックステップでかわすSATORUだが、左足を上げて動きが止まったところに友尊はワンツーの左でダウン奪取! SATORUもすぐに立つ。
2R、バックフィストは友尊。SATORUも左の後ろ蹴り。さらに前に入るがそこに得意の右フックは友尊! ダウンから立ち上がるSATORUは前へ。蹴りを狙うがその足を上げ際に友尊は右フックをヒット! 圧力をかける回数が減って来たSATORU。蹴りで詰めにいくが、そこに右フックで再びダウンを奪う友尊。
3R、ワンツーで詰めるSATORU。その打ち終わりを狙う友尊。SATORUは右ローで前足を削りに行く。さらにバックフィストも見切る友尊。SATORUの右の蹴りに右フックを狙う。自ら左ハイも打つ友尊。SATORUのパンチにはロープを背にしながらも頭を振り避けてゴング。
判定は3-0(30-25×2, 29-25)大差をつけて友尊が勝利。2020年2月久保一馬戦のKO勝利に続く連勝をマークした。
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▼第4試合 K-1 WORLD GP第3代スーパー・ウェルター級王座決定トーナメント・一回戦(4)3分3R・延長1R○和島大海(月心会チーム侍)[3R 0分40秒 KO] ※左ローキック×アワターン・トー.モースィー(タイ/トー.モースィージム)※和島が準決勝へ進出。ニコラス・ラーセン(デンマーク)は来日不可能で欠場に。
和島は第1回K-1アマチュア全日本大会優勝など、アマチュア大会で数々の実績を残して2016年7月にKrush初参戦。サウスポーから繰り出す破壊力十分のパンチと蹴りでKO勝利の山を築き、戦績は10勝(9KO)3敗。2018年9月にはジョーダン・ピケオーの持つKrushスーパー・ウェルター級王座に挑戦した実績を持つ。
2019年は3月『K'FESTA.2』木村“フィリップ”ミノル戦のKO負け(前年18年のジョーダン・ピケオー戦を合わせると初の連敗)から始まり、11月、地元大阪で初開催となったKrushでの再起と、うねるような試練の1年となった。
今回初めてワンデイトーナメントの試合に臨む和島だが、「城戸(康裕)選手とずっとやりたいと思ってましたし、日本人のトップだと思ってるんですけど、そろそろ世代交代したいと思ってるので、城戸選手に勝ち上がってもらって僕が倒したいと思います」と城戸康裕への世代交代を宣言。続いて昨年3月にKO負けを喫した木村の名前を挙げ「木村選手にリベンジしたいと思っているので、木村選手に決勝まで勝ち上がってほしい」とリベンジを誓っている。
対するは、トーナメントに出場が決まっていたニコラス・ラーセン(デンマーク)が新型コロナウイルスの影響等で来日不可能となり、同大会の欠場が決定。変わってアワターンが緊急参戦することになった。
アワターンはムエタイの中量級トップファイターでWPMF世界スーパー・ウェルター級王座、WPMF世界ミドル級王座、TOP KING世界 -70kg王座と三つのタイトルを獲得。強靭な肉体を誇り、全身で相手に突っ込むような突貫ファイトを信条としている。
2019年には「TOP KINGのトーナメントで1日2回KOして優勝しました」と、ムエタイの国際戦イベントである『TOP KING』のトーナメントで連続KOして優勝したことを明かしている。
1R、攻撃型の“ムエマッド”というアワターンはオーソドックス構え。和島はサウスポー構え。和島の左ミドルから先に詰める。ロープ際を回りかわすアワターンも左ミドルで応戦。左手を前に出して防御もそこに和島は右アッパーで飛び込む。しかし連打には軸足払いのアワターン。和島の圧力に左右ミドルで距離を取り、右ロー。和島も左ローを効かせていく。アワターンはコーナーを背に詰まると右足を挙げてチェックするようになる。
2R、左の奥足ローを効かす和島! さらに左ロー。アワターンの右ストレートは単発で和島がかわすと、アワターンのローもしっかりチェック。圧力をかけて左ロー。右ジャブも当てるとアワターンは右ミドルを当て返す! しかしその右ミドルの打ち終わりに左を狙う和島。アワターンが前に出てきたところに狙いすました左ストレートでダウン奪取! 立ち上がりガードを固めるアワターンにロープに詰めて左右、アッパーもアワターンも凌ぐ。
3R、後が無いアワターンは前に詰めに。大きな右を振るが、体躯で勝る和島は左ロー! さらに奥足へ左ローを決め、アワターンはダウン。和島が3R 0分40秒、KO勝利で城戸康裕が待つ準決勝に駒を進めた。
▼第3試合 K-1 WORLD GP第3代スーパー・ウェルター級王座決定トーナメント1回戦(3) 3分3R・延長1R○城戸康裕(谷山ジム/第2代Krushスーパー・ウェルター級王者)[2R 1分54秒 KO] ※左ハイキック×ミラン・ペイルス(スロバキア/FKR-PROウェルター級王者)※城戸が準決勝へ進出。
今回が74戦目となる城戸は36歳の大ベテラン。2019年3月のK-1ウェルター級タイトルマッチでは敗れたが、元々の階級であるスーパー・ウェルター級に復帰し、8月大会でアントニオ・ゴメスをKO、11月大会で神保克哉をKOと連勝を飾っている。
2017年の第2代スーパー・ウェルター級王座決定トーナメント以来のトーナメント出場に向け、「ダメージを負わずに倒すのが理想。欧米人は無理と思ったらすぐ諦める傾向がある。気持ちを折る」「魔裟斗さん以来、70kg(スーパー・ウェルター級)でK-1王者になる」と偉大な先輩と同じ肩書を持つことへの大きなモチベーションを語っている。
城戸と1回戦で対戦するペイルスは身長180cm、27歳、戦績は45勝(22KO)7敗1分。東欧の格闘技イベント『W5』で頭角を現し、現在はオランダを中心に活動するヨーロッパの『Enfusion』が主戦場。パンチ主体のファイトスタイルで、突進力を活かした回転の速いパンチの連打を得意とする荒々しいスタイルのファイターだ。
1R、サウスポー構えの城戸に対し、オーソドックス構えからジャブを伸ばして右ストレートで圧力をかけていくペイルス。前手を置き前蹴りを突く城戸だが、構わず詰めるペイルスは城戸の左をかわして前へ。城戸のローキックがローブローとなり中断。
再開。右フックで詰めるペイルス。城戸は前足をヒザに当ててストップピング。さらに後ろ足の左で奥足ロー! しかしペイルスも左ストレートを返す。城戸はこつこつとローを突く。
2R、城戸の奥足に前足を入れ替えるペイルス。詰めて左ヒザを突くが、押し返す城戸はワンツーから4連打で前へ。さらに左ミドルも。ペイルスの右ハイをスウェイでかわすが、ペイルスは頭を下げて左右! 受けた城戸はローのフェイントから左ハイ! 効かされたペイルスはガードを固め、右を強振するが、城戸は押し込んで離れ際に左ハイ! ペイルスは足を泳がせてダウン。2R 1分54秒、城戸がKO勝利で準決勝進出を決めた。
▼第2試合 K-1 WORLD GP第3代スーパー・ウェルター級王座決定トーナメント1回戦(2) 3分3R・延長1R×神保克哉(K-1ジム目黒TEAM TIGER)[2R 0分49秒 KO]○エダー・ロープス(ポルトガル/Jazzy Fight Club K.O Team/ISKA欧州スーパー・ウェルター級王者、WKA世界-72kg王者)※ロープスが準決勝へ進出。
1回戦第2試合は神保克哉(K-1ジム目黒TEAM TIGER)とISKA欧州スーパー・ウェルター級王者&WKA世界-72kg王者エダー・ロープス(ポルトガル)が対戦。
神保はロープスについて「勢いはあるけれど自分の得意なタイプ。体重さえ落ちれば問題なく倒せる。サウスポーも問題ない。中国でやった試合の相手にも似ているのでそのイメージで行けば全然イケる」と、かなりの自信を見せる。
11月大会では城戸康裕にKO負けを喫して世代交代に失敗。戦績を8勝(4KO)5敗1分としたことについては「あの試合では単純に考えすぎてしまった。相手の作戦に乗っちゃった感じですかね。若気の至りを忘れているので、それを思い出してトーナメントにぶつけたい」と、逆襲のポイントは“若気の至り”だといい、「今まで格闘家とは思えないくらい生活習慣が悪すぎて、それを見直してきました」と夜遊びを封印したと語る。「前に負けている選手がいるのでリベンジも兼ねて精一杯やります。ここで汚名返上したい」と、過去に敗れている城戸と和島に借りを返したいとした。
神保と1回戦で対戦するロープスは身長178cm、22歳、戦績は18勝(2KO)5敗。北西アフリカに位置する島国カーボベルデ共和国出身の黒人ファイターで、身体能力の高さとバネがあり、伸びのあるパンチと蹴りが武器。過去に豪州のレジェンドファイターであるジョン・ウェイン・パーに勝利したことがある。ダブルダウンで相手を失神KOさせた試合動画が話題となっており、その爆発力も脅威だ。
1R、ともにオーソドックス構え。左インローから突く神保。ロープスは左ローからハイの蹴り返し。左ボディは空を斬る。ワンツーから右ハイと対角線を突くロープス。そのハイに右ストレートを狙う神保は右の跳びヒザも。左右のローを突くロープス。神保もジャブ&ロー。右ミドルから歩いてて左の蹴りまで繋ぐロープスは、左ボディ&右フックと欧州系のコンビネーション。そこに神保はワンツーを中央で突く。
2R、ロープスの入りに右ストレートを合わせる神保。しかし、右ミドルを効かせたロープスはそのまま詰めて左フック、右ストレートでダウン奪取! 立ち上がるもふらつく神保。ロープスはさらに打ち下ろし気味の右フック、左右の連打を的確に当ててKO勝利。木村ミノルが待つ準決勝に駒を進めた。●神保のコメント「アツくなっちゃったすね。自分の悪い癖が出た。思った以上に相手はパンチができていて自分が思ったより合わせられた。ムエタイ選手の感じだったが、思ったよりパンチができていて、そこは警戒していなかった部分でもらってしまいました。正直もうなんも言えないです」
▼第1試合 K-1 WORLD GP第3代スーパー・ウェルター級王座決定トーナメント1回戦(1) 3分3R・延長1R×海斗(ポゴナ・クラブジム)[1R 2分10秒 KO]○木村“フィリップ”ミノル(ブラジル/K-1ジム五反田チームキングス/Krushウェルター級王者)※木村が準決勝へ進出。
今大会では第2代王者チンギス・アラゾフが返上したK-1 WORLD GPスーパー・ウェルター級王座の第3代王座決定トーナメントが行われる。その出場選手とトーナメント組み合わせが発表された。過去の対戦経験(城戸は木村と神保、木村は和島との対戦経験がある)を踏まえ、日本人選手が勝ち上がった場合、準決勝では初顔合わせになる枠組みとなった。
1回戦第1試合は海斗(ポゴナ・クラブジム)vs Krushウェルター級王者・木村“フィリップ”ミノル(ブラジル/K-1ジム五反田チームキングス)。海斗は以前から木村との対戦を熱望しており、その希望が叶う形となった。
木村は「70kgに上げて初めての試合でトーナメント挑戦ですが、去年全大会でKOした一番調子がいい男なので、いいスタートを切りたい。相手の前回の試合を見てフィリップポーズ(KO勝ちした時に木村が両手を後ろで組むポーズ)しているのを見たし、モチベーションはマックスです。令和初のK-1王者になるのは光栄なのでそれを獲りにいきます」と意気込む。
海斗は「K-1のベルトはもちろん欲しいですが、僕の階級の(Krushの)ベルトをミノル選手が持っているので1回戦から決勝のつもりで死ぬ気で獲りに行きます」と、1回戦に全てを懸けるとした。
1R、オーソドックス構えの木村に、サウスポー構えの海斗は左ミドル。そこにキムラは右を狙う。左ボディで飛び込む木村。さらに右ストレートでロープに詰める。ロー、ボディと下を突き、海斗の左ミドルをキャッチし、右ストレートの連打でダウンを奪う木村! 海斗が立ち上がると、さらに一気に距離詰めてコーナー際で左フックを効かせ左右ラッシュ! 海斗をKOした。1R 2分10秒のKO勝利で準決勝進出を決めた。●海斗のコメント「情けない試合をしてすいませんとしか言えません。もっと蹴りで遠い距離で近づいてきたらヒザを打とうと思っていたがパンチをもらってしまいました。圧力はそんなになかったがパンチが速かった」
▼K-1 WORLD GP第3代スーパー・ウェルター級王座決定トーナメント・リザーブファイト 3分3R・延長1R○藤村大輔(K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST)[判定3-0] ※30-28, 30-29, 30-27×小鉄(K-1ジム琉球チーム琉神)
ともにオーソドックス構え。序盤から圧力をかけ徐々に得意の右フックをガードの隙間から突く藤村。2R、小鉄はワンツー&左右ローをこつこつと突いて行く。3R、手数は減るが右ストレート・右フックを当てる藤村。カウンターの右ストレートでは一瞬小鉄の動きが止まるが、沖縄にジムを開いた小鉄も応援を背に前進。判定3-0で藤村が勝利。トーナメント・リザーバーの権利を得た。
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▼プレリミナリーファイト第4試合 K-1クルーザー級 3分3R△植村真弥(WSRフェアテックス幕張)[判定1-0] ※29-28, 28-28, 28-28△谷川聖哉 (K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST)
ともにオーソドックス構え。3R、谷川のカカト落としの打ち終わりに強烈な左フックでダウンを奪った植村。立ち上がった谷川は右の下段蹴りの打ち下ろし、右ヒザを効かせると植村の動きが止まる。ローキック、ヒザと下を攻める谷川は一転、右の廻し蹴りで顔面を狙うが、ブロック固める植村は左ハイをガード上に打ち返し。判定は1-0で規定票に足りず、ドローとなった。▼プレリミナリーファイト第3試合 K-1スーパー・バンタム級 3分3R○璃明武(K-1ジム総本部チームペガサス)[判定3-0] ※30-28, 30-28, 30-29×龍斗(K-1 GYM横浜infinity)
ともにオーソドックス構え。互いにローの打ち合いから、ワンツーからヒザ蹴りを交えて前に出る璃明武。2R、終了間際に龍斗が右ストレートで顔面をとらえる。3R、遠間から左フックで飛び込む璃明武。手数を増やす璃明武は右ストレート、左ミドルで前進。璃明武が判定3-0で勝利。6連勝を決めた。▼プレリミナリーファイト第2試合 K-1ライト級 3分3R×東本央貴(K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST)[3R 2分53秒 KO]○蓮實光(パラエストラ栃木)
サウスポー構えの東本に対し、総合格闘技・ラウェイでも戦う蓮見はオーソドックス構えでパワフルな右フックを打ち込む。2Rに東本が左ミドルからその足を上げたまま左ストレートでダウンを奪うと、立ち上がった蓮見にさらに左ストレートでダウン奪取。
3R、左のバックフィストでダウンを奪った東本。しかし、立ち上がり押し返す蓮見は距離を詰めて東本をロープに詰めて右ハイを効かして右フックでダウンを奪い返すと、立ち上がった東本を打ち合いに持ち込み、右フックでダウン奪取。残り7秒で逆転のKO勝利を決めた。▼プレリミナリーファイト第1試合 K-1スーパー・バンタム級 3分3R○吏羅(K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST)[1R 1分57秒 KO]ד狂拳”迅 (WIZARDキックボクシングジム)
オーソドックス構えの狂拳。対するサウスポー構えの吏羅はテコンドーがバックボーン。ローキックを打つが喧嘩四つでローブローに。再開。吏羅は左ボディ、右からストレートの連打で最初のダウンを奪うと、立ち上がった狂拳を左右のラッシュから左ハイでKO。