固めたのはペティスだが場内はブーイング、蹴り上げに堀口は──
「1Rから4Rまでずっと彼に捕らえられていた。(コーナーの)デューク・ルーファスからは、はっきりと、『3R通して負けてる』と言われてた。最近見たボクシングの試合で、“このラウンドも、あのラウンドも負けてる”とコーチに言われながらフィニッシュできなかった試合を思い出した。僕にとっては、人生で逆境に立ち向かっていくために、そしてここでやっていくために、我武者羅にでもやる必要があった。2、3Rと4Rでは違っていただろう?」と、4Rに勝負をかけたという。
明らかに前に出て来たペティス。追い足を増やし詰めていく。挑戦者はサークリングし、左から右を当てるが、若干、軸が乱れて来た堀口。その打ち終わりにペティスも左を狙う。
ペティスが左ジャブを伸ばすと、堀口はそこにカウンターのタイミングでダブルレッグへ。ここは金網まで押し込むも深追いせず離すと、今度は左を突き刺しての、この日、再三、決めたニータップで右でヒザ裏を掴んでドライブしてテイクダウン。
一度、下から跳ね上げようとしたペティスに中央に戻りインサイドガードに入る堀口。下のペティスはクローズドガードを三角(4の字ロック)で組み、下から抱き寄せてパウンドを防ぐ。
ここでブーイングが起きるが、固めているのはペティス。堀口の細かいパウンドに4の字からクローズドガードに変えたペティスが堀口の首を引き寄せるが、ここで上体を上げた堀口。
そのスペースに足を入れることが出来たペティスは蹴り上げへ。一瞬、腰を前にして足を捌こうとした堀口だが、2Rに蹴り上げを顔面にもらいカットしている堀口は、パスに固執せずに離れ、ペティスを立たせている。
これはブーイングによる影響というよりも、堀口が蹴り上げによりリスクを避けての動きか。それはスタンドでの距離のコントロールが出来ていた自信もあるだろう(※後日、堀口は「面白い試合をしないとなって思って」上体を上げたことを記している)。
Spinning back kick from the challenger, @Kyoji1012!
— BellatorMMA (@BellatorMMA) December 4, 2021
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スタンドへ。後半のラウンドで少しステップが少なくなってきた堀口。ペティスが左を伸ばすと、左に頭を傾けて避けて外から右をかぶせる。その打ち終わりに右から左で一気に詰めるペティス。堀口はバックステップし、金網に詰まることなく左にサークリング。
左ジャブを刺し、レベルチェンジでテイクダウンのフェイントも見せる堀口。これまでのラウンドで見せてきたジャブ、ストレート、カーフキック、ニータップのどれが来るのか、相手には分かり辛い入りだ。
ペティスは右ローを打つが、そこに堀口は、右から左の飛び込み。ペティスが左ジャブを出すと、しっかりかわして右を合わせに行っている。さらに左も打ち込むが、そこにペティスが右・左と打ち返すと、すっとバックステップしている堀口はもうそこにはおらず、ペティスの左は大きく空を切っている。
なおも圧力をかけるペティス。
「近い、近いよ!」と叫ぶのは恭司より先に伝統派空手を学んだ兄・健太だ。