MMA
インタビュー

【Bellator】堀口恭司「しっかりとベルトを取り返します」×マイク・ブラウン「真にキョージが世界的にリスペクトされる試合になる」=12.3 米国からU-NEXT生配信

2021/12/02 14:12

仮想ペティス? キックボクサースタイルで寝技ができる選手はATTにたくさんいるから対策できた(堀口)

──ブラウンコーチは、単身フロリダに来た堀口選手を公私に渡り面倒を見ているように感じます。なぜそうして目をかけてみたいと思ったんでしょうか。

ブラウン 仕事の一部でもあるからね。コーチとはそういうものだよ。そういう関係なんだ。家族みたいにすごく近くなって、選手には自分の兄弟や姉妹のように接する。だって、この競技はいろんな事を一緒に経験するからね。心身に渡り、とても辛いこと、嬉しいこと……特に強い絆と関係が生まれると思う。それは僕がやるだけじゃなくて、キョージも僕が必要などんな時でも必ずいてくれるんだ。

──堀口選手が行ったヒザの手術は、ブラウンコーチも同じ手術をしたと聞いています。そしてそのドクターを堀口選手に紹介した。昨年末の朝倉海戦での復帰戦を経て、今の堀口選手の回復具合をブラウンコーチはどう感じていますか。

ブラウン 今のところはいいね。きちんと待たなければいけない期間は待って、リハビリも正しくした。全て完璧にこなして、身体をもと通りにして、試合のリングに上がる前にハードなトレーニングをしっかりしている。本番用のテストもして、大丈夫だった。本当に100%な状態だと思うよ。

──力強い言葉ですね。堀口選手自身もそう感じていますか。

堀口 そうですね。やっぱり切った(手術した)ところはたまに痛みますけど、別にそれが普通と思えば普通なんで、問題ないかなと。全く気にせずに使えるので、100%に戻っているという感じですね。

──今回のタイトルマッチに向けた練習は、どの時点から切り替わってやってこられたのでしょうか。

堀口 5ラウンド戦えるようなトレーニングだったり、対戦相手に合わせた対策練習だったりは、だいたい2カ月前とか1カ月半前くらいからですかね。最後にさらに煮詰めるように調整するくらいです。

──ブラウンコーチ、今回の練習はどんなテーマを持って仕上げてきていますか。

ブラウン テーマはいつも同じだよ。キョージのベストなスキルを出せるようにするだけ。相手への心配はあまりしないようにする。キョージを進化させて、キョージのベストを可能な限り出せるようにすること。オールラウンドのMMAアスリートとして、何でも可能な状態に。たくさんの武器と攻撃を持って、相手が常に考えなければいけないようにすること。常に同じだよ。

──前回のBellatorでの試合、ダリオン・コールドウェル戦の前に堀口選手には仮想コールドウェルとも言える背の高いジョシュ・スミス選手が帯同しました。今回は仮想セルジオ・ペティスのような選手はいたのでしょうか。

堀口 たくさんいますね。キックボクサースタイルで寝技ができるっていう選手は、結構ブラジル人には主流というか。ATTにはブラジル人が多いんで。そういう対策してくれる相手はめちゃくちゃいました。

ブラウン グラウンドでも立ち技でもそれぞれにペティスに似た選手はいるよ。彼らをミックスしてパートナーにしている。他にもワールドクラスのオールラウンダーもいるから、全局面でカバーはできている。ペティスの寝技・立ち技の動きが出来る選手がいるよ。

──なるほど。ペティス戦用の練習と普段の練習との割合はどのくらいだったのでしょうか。

堀口 その対策の練習が全部のパートに入ってくる感じですね。

──全部に入ってくる、という事は各部門のコーチが対セルジオの練習用に練って連携が取れていると。

堀口 そうですね。

──そして堀口選手には二瓶先生の空手の独特の間合いのコントロール、広いスタンスに飛び込みがあります。本誌の取材で石渡伸太郎選手は「堀口選手は地面の使い方がテコが効いてる」と評していました。その感覚は我々には分かり辛いものですが……。

堀口 自分はそれが主体なので。他の選手の感覚は分からないですけど、何が違うっていうのは、たぶんマイクに聞いた方が分かるかもしれないですね。

ブラウン キョージのスタイルはとても独特だよ。ウチのジムはたぶん世界で一番大きくてワールドクラスの選手達がいるんだけど、その中でも彼は本当に独特だ。誰も彼みたいな選手はいない。似ていると言える選手すらいない。それがまた効果的なんだ。少し先進的なんだろう。キョージにとっては長くやっているスタイルだけど、それもまた進化している。このMMAという競技自体でもキョージの方向に進もうとしている選手はいると思う、長期的に見てね。ただ、現時点でキョージの方法は本当に独特で、それをモノにした者は誰一人いない。

──幼少時から彼の師匠と取り組んできた空手、そこで培われた下半身の強さ、拳への連動がそれを可能にしていると。

ブラウン そうだと思うよ。キョージのフットワークは彼が幼い頃からやっていることだからね。そして、彼のお父さんが示している通り、先天的な身体能力の高さもある。それらが組み合わさって今になっている。

──ステップを使うことと、強く打つことが両立し、レベルチェンジもある、近年はボクシング的な要素も加わっているように感じます。むしろステップを使うからこそ強く打てるんでしょうか。

堀口 自分はそういう風に改造してますけどね。もちろんその……なんでも工夫じゃないですか(笑)。二瓶(弘宇)さんの空手がそういう“倒しにいく空手”だったので。とはいえ、やっぱり空手は空手でMMAではないので、そこをちょっとずつアジャストしたという感じですかね。

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